「写真が撮れるとモテる」 石川涼が作り出す写真とファッションの交差点

石川凉
今、Instagramを賑わせているハッシュタグ「#FR2」とユーザー「@fxxkingrabbits」。美女やヌード、ファッションアイテムなどが並ぶそのフォトストリーム&ムーブメントの仕掛け人は、人気メンズブランド「VANQUISH(ヴァンキッシュ)」の石川涼なのだという。石川はなぜアパレルを飛び出し、写真の世界に身を投じたのか。美女を撮る理由とは。

アパレル業界の風雲児が飛び込んだのは「写真」の世界

20歳でアパレル業界に飛び込み、24歳には独立してメンズブランド「VANQUISH(ヴァンキッシュ)」を発足。同ブランドを成長させ、「ただヤりたいだけ」という信念で次々に常識を打ち破りながら様々な事業を展開し、アパレル業界の風雲児と呼ばれるまでになった石川涼。

その手腕はアパレルの分野にとどまらずメンズファッションWEBマガジン『MTRL(マテリアル)』における連載「ただヤりたいだけ」では、一見過激ながらも芯の通ったモテ哲学を読者に伝授し、話題を集めた。その言動や一挙一動が注目を集める石川が、ここ数年もっとも力を入れている分野こそが「写真」なのだ。

「写真」を軸に生まれた、話題のファッションアイテムの数々。その関係とは?

Instagramを中心と話題となっているファッションブランド『#FR2』。

その名を知らなくとも「Smoking kills」「Influencer kills」といったロゴがプリントされたTシャツ。某ブランドのロゴキャップ人気を風刺した「BALEHENGANA」キャップを知っている読者も多いのではないだろうか?

それらは全て『#FR2』のアイテムであり、その仕掛け人こそが石川涼なのだ。

そしてその背景には「写真」があるのだという。なぜ「写真」から「話題のファッションアイテム/ブランド」が生まれたのか?

石川本人にインタビューを行った。

石川涼インタビュー:なぜ写真を始めたのか?

石川凉

ー写真を撮り始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

2010年当時、FacebookやTwitterが一般的に広がり始めた頃だったのですが、今後は写真がコミュニケーションの中心になっていくと感じました。そこで目立つためには、パッと写真を見たときの差が欲しい。

だからみんながiPhoneで写真を撮る中、カメラを良いものに変えた方がいいと思い、ライカのM9を購入しました。全然知識もなかったのですが「どうせ買うなら一番高いものを買おう」と思って(笑)

ー『#FR2』は写真を始めたことをきっかけに生まれたブランドなのでしょうか?

 そうです。キャンプに行く服とか、運動する服とか、そういう理由がないとみんな服を買わない時代じゃないですか。そういう目的がなければユニクロでいいっていう。

そこで「カメラマンの服」ということで始めたのが『#FR2』です。日本人はIDカードの変わりがパスポートしかないのでアウターとかパンツにはパスポートを入れるポケットを作っておいて、あとはカメラだけ持てば自由に出かけられる。それがブランドコンセプトです。

ーブランドコンセプトと、宣伝の中心媒体がInstagramであるという部分がリンクしているのですね。

そうです。写真がコミュニケーションの中心となれば、インスタがSNSの中心となる。そこで人気になれば服も売れると予想しました。インスタに投稿するのはタダですしね。

撮影技術の勉強はしていない。「見た人がどう感じるか」

 

石川凉

ーそうした「写真」を軸とした新しい活動を始める中、石川さんは何の写真を撮り始めたのでしょうか?

最初はスニーカーなどのモノばかり撮っていました。それから景色を撮り始めていますが、結局はモノも景色も機材さえあれば誰でも撮れるなと。そこで「自分にしか撮れないものを撮ろう」と追求し始め、人やヌードを撮るようになりましたね。

ーヌードは人物を撮っていくうちに自然とそこへ至ったのでしょうか?

単純に自分のキャラと合っていました。「ちょっとお尻撮らせて」「いいよ」っていう(笑)。それは普通の人はなかなかできないものだと思います。もちろん、Instagramで人気になるためにはヌードが近道という考えもありましたけど。

ーモノや景色を撮ることと比べて、人物の撮影に難しさは感じませんでしたか?

「難しい」という感覚はないですね。カメラや撮影技術の勉強を何もしていないので、いまだに露出とかよく分からないし(笑)。でも、見ている方だってそんなの気にしていないじゃないですか。

写真は結局「見る人がどう感じるか」だけ。自分で撮った写真を見て「画角をこうした方がいいな」とか「光がこっちから当たっていた方が綺麗だな」とか、その程度しか気にしていません。

石川凉

ー「見る人がどう感じるかだけ」ということは「自分で見てどう感じるか」でもあると。

「レンズをたくさん持っているのですが、どうやって湿度とか気にして保管されていますか?」みたいなメッセージをよく頂いて、「は?」って思いますね。そんなの気にしてないよ!って(笑)大事なことなのかもしれないけど、そういうのを気にするような人は一生芽が出ないと思いますよ。

だって違うところに気が行っているから。モノを大切にしないというわけじゃなくて、優先順位が全然違う。僕は余計なことを気にしていないから、写真が上手になっていけているのかなと思います。

写真は、人の目に触れることからすべてが始まる

ライカ

ー最初に購入したカメラがライカのM9とのことですが、その後カメラは買い換えていますか?

ライカのMシリーズだけは新しいものが出るたびに買って、使いながら、合わなかったら売るというのを繰り返しています。ライカが肌に合うというよりも、それが世界最高峰だと言われているのでそれ以外使う必要がないかなと。持っている人も少ないから差別化にも繋がりますしね。

ー写真の加工などはしていますか?

基本的にはそのままか、スマホのアプリでちょっと加工したりするくらいですね。アプリはVSCOとかインスタの中の調整機能くらいです。

ーメインの発表の場はインスタですか?

そうです。定期的に写真展もやっていますが、すべての人に見てもらえるわけではないですから。それに比べてインスタは誰にでも気軽に見てもらえるのが良いですよ。まず人目に触れないことには始まらないので。

写真を撮るとモテる。その理由とは?

石川凉

ー女性ポートレートを美しくセクシーに撮るコツがあれば教えていただけますか?

これまで女の子をいっぱい撮ってきて感じるのは「彼氏が一番かわいい写真撮れるな」ということ。いろんな女の子を一年単位で毎月撮り続けていて気づいたのは、撮影時期が後半になればなるほどかわいくなりますね。だから心の距離感が大事だなと感じます。

ー関係性が大事であると。

そうです。1回目の撮影は緊張しているから硬いです。だんだん仲良くなって、お互いの距離感がつかめると、表情がすごく良くなる。だから、いかに自分が目の前の女の子を好きになるか?ということですね。自分が好きにならないと相手も好きになってくれないので。ま、口説かないですけどね(笑)。

ー写真を撮るとモテるようになりますか?

モテるようになりますね。

ーおおっ。

でも、それは足が速い小学生がモテるのと似ています。みんなのコミュニケーションの共通言語において人気者になるということが大事です。今はそれがInstagramっていうだけ。

だから、インスタの有名人になればモテますよ。みんな「この人に撮ってもらったんだよ!」って自慢できますから。みんなが使っているものの中でいかに人気になれるか、それが重要です。

ーインスタで人気になるための秘訣を教えていただけますか?

いかに個性を出せるかですね。

ー個性に悩む人も多そうですが。

機材の進歩に伴って、みんな同じ写真を撮れる時代が来ますし、既にそうなっていると思う部分もあります。だから僕は今後「誰を撮れるか」が個性になると思います。

例えば篠山紀信さん。僕は彼の写真を特別すごいと思っていなかった。でも、彼の過去の作品展を見に行った時に、山口百恵を湖で撮った写真を前に「これだ!」と感じました。

「この写真を撮れる人は篠山紀信さんしかいなかった。だから彼は凄かったんだ」と。だって、ローラが人気の時代にローラを撮れるカメラマンと撮れないカメラマンがいたら、当然撮れる人に頼むじゃないですか。今後自分はそこを目指していくことになると思いますね。

石川凉にしか撮れない写真を公開中

石川凉

石川涼はオンラインサロン『ただヤりたいだけ。』を開設中。

「ビジネスの本質をありのまま出すことによって、時代に囚われない人生観」「写真というフィルターを通してアートを表現」「自身の経験を活かした恋愛相談」という3つの軸を中心に、メンバー情報交換や交流を行っている。

サロン内ではインスタにアップされていないポートレートも公開中。石川凉にしか撮れない写真を覗いてみてはいかがだろうか。

サロン詳細はこちら

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照沼 健太

編集者/ライター/カメラマン。MTV Japan、Web制作会社を経て、独立。2014年よりユニバーサルミュージック運営による音楽メディア「AMP」の編集長を務め、現在は音楽・カルチャー・広告等の分野におけるコンテンツ制作全般において活動を行っている。ブログメディア「SATYOUTH.COM」を運営中。