テレビは1.3倍速で! 美容室経営者3名のタイプが異なる仕事術

著者名照沼 健太

AIが人間の仕事を代わりにやってくれる? ベーシックインカムによって悠々自適なワークライフバランスのとれた生活がやって来る? そんな展望があるのは事実ですが、実際のところは日々仕事が忙しくなっていると感じられている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は複数の美容室を経営し、日々多忙な仕事をこなしている3名の経営者に、多くの仕事をこなすための「習慣にしたい仕事術」をテーマにインタビューを行いました。

お話を伺ったのは美容室専門の経営オンラインサロン『“NO LIMIT”〜独立から2店舗目を目指す〔美容室経営戦略会議〕』を主宰している、「お客様が集まるサロンづくり」の スペシャリスト西川礼一氏(写真右)、「お金が残るサロンづくり」の スペシャリスト大河内隆広氏(写真中央)、「スタッフが辞めないサロンづくり」の スペシャリスト鈴木淳也(写真左)の3名です。

美容室の多店舗経営をされている御三方ですが、それぞれ異なる仕事スタイルを持たれているようです。

 

人に任せるか、自分でやるか。どちらが効率的なのか?

NO LIMIT

−みなさんは経営者として財務、育成、集客、そして美容師としての顧客対応など、膨大な業務を抱えられていることと思います。それらの仕事を効率よく確実にこなしていく為の方法を教えていただけますか?

西川:人にやらせることですね。いろんなことを自分ではやらずに任せちゃう。

鈴木:自分は非効率に働くのが好きなので、ずっと働いてますね(笑)。人に任せたりはするけど、最終的にチェックはしないといけないし、ずっと働いている感じです(笑)。

大河内:難しいですね。僕は効率良くしたいなと常日頃思っていますが、特別工夫してやっていることがあるかというと思い浮かばないですね。

鈴木:効率良くないんじゃない?

大河内:そうなのかも(笑)。LINEとかSkypeを使うとか、普通のことを普通にやっているという感じですかね。

西川:工夫といえば、僕は店から1分のところ、店の裏に住んでいますよ。以前は自転車で片道15分程度のところに住んでいたんですけど、だんだん「どうして帰って来ているんだろう」って感じになってきて。自然と店の裏に住むスタイルになりました。ただ、今でも店に行くのに自転車に乗りますけどね(笑)。

 

−1分の距離なのに自転車なんですね(笑)。

西川:ハイ。店の周りをうろうろするのにも自転車使いますからね。歩いていると気持ちだけが先に着いちゃって「あれ、まだ着いてないな」みたいな感じになっちゃって(笑)。自転車なら気持ちも一緒のスピードで行ける感じです。

 

−それはかなりせっかちですね(笑)。

西川:そうですね。ビジネス面でもなんでも早い方がいいとは思っていますね。早くやりたいです。

鈴木:それは俺もあるな。だから逆に人に任せられない。任せると遅くなる気がしちゃって。ある程度形まで作ってから投げるようにしてる。

大河内:多分僕たちの仕事ってそんなに効率良くやる仕事じゃないと思っていて。サロンワークであれば、いかに短時間でたくさんのお客さんをさばくかっていう効率性が大きなテーマとしてありますが、社長業の部分では「時間をかけて戦略を練っていく」という働き方をしている気がしますね。平日の昼間はお店が動いているので、むしろゆったりと仕事ができる部分もありますし。

 

−スケジュールに追われている感じはないのでしょうか?

大河内:ないですね。今日やらなきゃいけない仕事というものがないから。パソコンを極力使わずスマホでできることはスマホでやるようにしています。そうすればどこでも仕事ができる。おそらく他業種に比べれば、その程度の簡単な対策で時間が作れちゃう気がしますね。

鈴木:俺は日々追われています(笑)。スケジュール管理にはiPhoneの「さいすけ」を使っています。iPhoneなくなったらスケジュール全部飛びますよ。

西川:同期してないんですか(笑)。

鈴木:してない(笑)。そういう難しいことはやらない(笑)。

西川:とはいえ僕も特殊なことはしていなくて、普通にiPhoneの純正のカレンダーで管理してますね。

 

スタッフのマネジメントは3者3様のアプローチ

鈴木 淳也

−美容室経営には多くのスタッフを雇用する必要がありますが、スタッフとのコミュニケーションにはどのような工夫をされていますか?

鈴木:僕は実際に顔を合わせて一緒に働いているので、そこで普通にコミュニケーションしていますね。あとは飲みに行く。社員旅行とかBBQみたいなイベントも一緒にやっています。単純にスタッフと一緒にいるのは楽しいですし。

西川:僕も飲み会とか誘いたいけど、社長が誘うと「行かなきゃ」感が出そうで、あんまり誘わないように我慢しています(笑)。その代わりに毎週2時間のミーティングを朝にしっかりとやっています。

大河内:自分もあんまり意識しなくても多くのスタッフと会えちゃいますね。ミーティングも多いので、大体そこで話します。あ、でもLINEのグループもあって、放っておくとすぐに未読200件とか溜まっちゃいます(笑)。

 

−美容室は各スタッフの技量が大きく業績に表れそうですが、スタッフの教育についてはいかがですか?

西川:僕の店はカラーリングを全面に押し出していて、カットやカラー、パーマ、メイク、アレンジのようになんでもできる店じゃなくていいと思っています。だからカラーの教育を重点的に行い、その次にカットと、優先順位をかなりつけているので、お店のコンセプト通り効率よく教育できていると思います。

鈴木:うちは非効率(笑)。「全部できるコ」を育てています。だから育つまで4~5年はかかりますが、それでいいと思っています。「みんなで一緒にやっていこうよ」という気持ちで、技術と人間性どっちも育てるスタイルなので、スタッフは長く働いてくれますし、独立も勧めません。

西川 礼一

−美容師業界は、人材が流動的な業界なのでしょうか?

鈴木:かなり流動的ですね。最近ちょっとずつ変わってきましたけど、元々そういう業界だと言われています。

西川:僕はスタッフが辞めると言った時には「はい、どうぞ」というタイプですね。引き止めるのが無駄だと思っているので。そのコが出した答えを引き止めることに膨大な時間と労力を使うなら、それを残るスタッフに費やしたいと思っています。

鈴木:逆に俺は絶対やめさせないぞっていうタイプです(笑)。それがあったから今があるという思いもありますし、引き止めることが幹部たちの人間力アップにつながる教育の一環でもあると思っています。相手の人生も考慮した上で、どうすれば引き止めるかというところまでしっかり考えるので。

大河内:僕も引き止めますね。けど、無理そうだなと思ったら方向転換して、なるべく円満退社に持っていくようにしています。そう「円満退社」はうちのキーワードでもありますね。

大河内 隆広

円満退社なんですね。

大河内:はい。美容室の業界は円満退社がない業界と言われていたんですよ。だから「最悪でも円満退社」というのを目指しています。今は辞める時に揉めるというのも減ってきた印象はありますけど。

西川:多分「育ててやった」という意識が強いです。新人のサロンワークの修行のために、先輩やオーナーが勤務時間外にも付き合ったりしますし、それに対して「感謝がない」とか「恩を返してないだろ」というのが出てくる。で、それが一生続きます(笑)。

大河内:「え、十分返したよね」と思ったりもしたけどね(笑)。

西川:今だったら美容師さんが辞める時は「いますぐインスタ消せ」みたいな感じですからね。うちは一切やらないですけど。「お客さん持って行ってもいいし、スタッフに声かけて連れて行ってもいいよ」ってくらい。

大河内:マジ(笑)?

西川:まあ、辞める人って基本的に嫌になって辞めるので、誰かを連れて行くようなことはできないんですよ。

 

「好きなことをやる」ことが一番の仕事術かもしれない

NO LIMIT

−仕事にはアウトプットのほかインプットが必要だと思います。そのための時間は意識して確保していますか?

鈴木:それはかなり意識していますね。むしろ自分は経営のインプット専門にして、美容はスタッフに任せちゃっています。新しい美容の知識はゼロで、これまで培ったものだけ。だから若い子が来たら困る(笑)。でも、それでいいと思っています。

今さら自分が新しい美容の勉強をするのは非効率すぎるので、経営者の集まりに行ったり、セミナーに行ったり、塾に行ったりとかしています。それから週5~6は経営者たちと飲みに行っています。逆にプライベートで飲みに行くことが1年で1回も無いくらいです。

西川:インプットの時間としては、僕はテレビを見るようにしています。ニュース番組や『ワールドビジネスサテライト』みたいなビジネス系の番組は録画して目を通しています。本を読むこともありますけど、テレビの方がまとまっているし、1.3倍速で観られるので。

鈴木:1.3倍速(笑)。とことん効率化している(笑)。

一同:(笑)。

西川:そう、全部1.3倍で観ています(笑)。

大河内:僕は中間ですね(笑)。飲みにいくのも週3回くらいで、本もほどよく読む。でも、ネットが多いですかね。SNSのタイムラインが自然と業界の話題で埋まるので、そこで気になったものを調べたり、飲みに行った時に周りに聞いたりしています。

 

−では、これまで仕事術について伺って来ましたが、最後に大切な休息についてお聞きしたいと思います。オンオフの切り替えで意識されていることはありますか?

鈴木:全くないですね。むしろ寝ている時以外はずっとオンです(笑)。寝ていたとしても寝返りを打って、ふと起きると枕元に携帯がある。すると瞬時にオンです(笑)。トイレでも風呂でも携帯見ていますし、オフの時はほぼ無いです。

西川:でも、僕らはやりたいことをやっているので、そんなにオンオフというのはないと思います。中学校の授業みたいに「ここに50分座っていなきゃいけない」という状況ならオンでしょうけど、それとは違いますから。

大河内:鈴木さんはずっとオンだって言いましたけど、考えようによってはずっとオフかもしれないですからね(笑)。どちらにせよオンとオフが近づいている感じはしますね。雇われている身で今の忙しさだったら発狂していると思いますけど、そうではないので。

鈴木:服装もオフっぽい感じだしね(笑)。

大河内:お互いにそうですね(笑)。

 

独立の一歩先へ。美容室経営のノウハウを学べるオンラインサロン

 

NO LIMIT

美容室もそうですが、経営という自由なフィールドにおいて決まったパターンはないのだなと感じるインタビューでした。テレビを倍速で見るのもそうですが、最近はYouTubeも2倍速で見られるようになりましたし、動画は倍速で見るものになったんですね。

また、美容業界というと華やかな印象を持たれやすいのかもしれませんが、人が中心の業界ということもあり、コミュニケーション能力が問われる側面も見られました。

インタビューに答えていただいた西川礼一氏、大河内隆広氏、鈴木淳也氏の3名によるオンラインサロン『NO LIMIT』では、1店舗経営やフリーランス独立ではなく多店舗経営を推奨。単なる独立を超えた多店舗経営に必要な知識を学ぶための場として多くの美容関係者が参加しています。

3人のメンターが、2店舗目をオープンするための独自ノウハウを投稿するオンラインフォーラムと、実際のセミナー形式で行われるオフラインでの交流が活動の中心。独立の先のキャリアを築きたい美容師にオススメです。

  • CANARY オンラインサロンから、アイデアとヒントを。
  • DMMオンラインサロン

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