仮想通貨時代のチャンスとリスク 経済格差が広がる、激動の時代に備える

著者名南 詳憲
仮想通貨時代のチャンスとリスク 経済格差が広がる、激動の時代に備える

『仮想通貨が切り開く未来』というテーマで、仮想通貨時代のマネー運用を考えた時、今から20年前の私自身が、会社勤めを辞めて独立するかどうか迷った33歳の頃とオーバーラップします。

結果的に私は、独立する選択をしたのですが、多くの同年代の人が20年経過した現在、苦労しているのを見ると、独立がよかったかと思います。

同年代の人と比較しなくても、仕事のプレッシャーによるストレス、経済的な問題、健康の問題、時間のこと、これからの老後のことなど、複数の項目でも独立してフリーランスになった選択が今の私にとってはプラスでした。

当時の状況と今とでは、全く違いますが、仮に、今現在、働き盛りの30代の方が、今の仕事を続けていた場合の10年後、20年後のことを考えた場合と、今の仕事をしながら、少しの時間とお金を使った場合の違いを推測してみたいと思います。

ビットコインとの出会い

その前に、私のビットコインの時系列を少し説明させてください。

2012年10月19日。今から5年前。初めてビットコインのことをFacebookに投稿しましたが、当時はビットコインという言葉を誰も知りませんでした。この頃のビットコインの価格は、1,000円以下でした。

当時は、ビットコインを買う時と売る時、どちらにも手数料が20%もかかりました。知り合いの知り合いを通じて、1,000円のビットコインを10万円分(100BTC)購入するのには2万円の手数料がかかり、実際には8万円分(80BTC)しか購入できませんでした。そして、2,000円に値上がりすると、16万円分(80BTC)を売却するときも3万2千円の手数料が発生して、手元には12万8千となり、2倍になっても最終的に3万2千円ほどの利益しかでませんでした。

そんなことを何度か繰り返していましたが、手元にビットコインを保有するわけでもなく、メールとお金のやりとりだけで、売却の申請をしても入金が遅れたり、その他のトラブルも多く、結果として長くは続きませんでした。

その後、ビットコインの価格が、3万円以上になっていることを知りましたが、2015年の8月に、ビットコインの両替所であるマウントゴックスのマーク・カルペレス氏が逮捕されたことが連日報道されていたので、ビットコインは終わったと思いました。風の噂で、私が当時取引していた知り合いの知り合いの人たちも、マウントゴックスで運用していたようで、相当な損失を出したと聞きました。

2016年5月に、クロアチア旅行に行った時に、多くのレストランにビットコインのATMが設置しているのを見て、帰国してから調べると、直接ビットコインの売買ができる取引所が日本にあることを知って、早速、アカウントを作成してビットコインを購入しました。

5月17日にビットフライヤーに10万円銀行から送金して、2日後の19日に、2BTC購入しました。1BTCの価格が、49,260円でした。結論から先にいうと、1年半前に5万円ほどだったビットコインは、17倍の85万円になりました。会社に努めて、初任給が20万円として、17倍になると340万円となりますが、この計算は問題があります。

しかしながら、給料や所得が2倍になるためには、20年から30年必要です。また、今の時代、20年働いても給料や所得が2倍になることは難しいと言えます。

ビットコインの驚異的な成長性

今やビットコインや仮想通貨に関する情報サイトは数多く存在します。最近では、日本の経済誌に特集が組まれています。書店には関係書籍も並びます。CoinDance(コインダンス)というインターネットの情報サイトがありますが、その中の資料でビットコインの価格推移を確認してみると、ある日のビットコインの価格は、7,841ドル、1ドル113円のレートで計算すると、88万6,033円。前日比6.77%も上昇していて、1日の上昇価格は、497ドルとなり、56,161円も増えていました。

超低金利時代に、1日7%近くも上昇するのは、驚異的です。日本の銀行金利で、1%利子が付くのに100年かかりますので。1週間前に比べると、9%近くの上昇です。価格は上がったり下がったりします。

1ヶ月単位で見ると、ほぼ60%上昇したことになりますので、毎日2%増えたことになります。この急激な上昇が、一般の金融機関で働く人たちの常識を完全に狂わせます。

また、投資している人の判断も正常を保つことが厳しい状況です。半年前に至っては、357%上昇しています。1年365日なので、毎日1%上昇したら年利365%ですが、それに近いことが、半年間で起きています。1年前から比べると、965%です。ほぼ、1,000%と言えるくらいの数字です。2年前に比べると約2,000%、5年前に至っては、7万1千%と聞いたことのないパーセンテージが出てきます。

私が最初にFacebookにビットコインのことを投稿したときは、850円くらいでしたから、とんでもないことになっています。過去5年間のデータを見る限り、ビットコインの価格は常に上昇しています。

今まで何度か大幅に急落するようなこともあり、毎回、ビットコインが終わると金融関係者からコメントが出ましたが、その度に回復しています。

ビットコインを取り巻く状況

私がビットコインや他の仮想通貨の運用を初めてから1年半が経過しますが、あまりにも激動する価格の変動で、精神的に負担が多い方も少なくありません。特に、昨年の年末くらいまでは、ビットコインの取引の90%が中国の市場に集中していたと分析されています。しかし現在では、中国政府の規制によって状況が一変したことと、世界中に拡大したことによって状況が大きく変化しています。

この急速な変化に対応できていない人が多数います。例えば、クリプトカレンシーランキングによる世界取引所の1日の取扱量で見たトップ11箇所の順位は、下記の通りで、第1位の香港のBitfinexが圧倒的な規模を誇っています。そして、第2位は韓国のBithumbです。3位~5位の取引所はアメリカですが、この3箇所の取引量と1位の香港の取引量はほぼ同じです。9位には中国の上海で運営されているBinanceもありますので、実際のところは完全に中国で禁止されたわけでもないようです。参考までに、日本のビットフライヤーは第11位です。

世界のBitcoin取引所ランキング

1 Bitfinex /1742億円 香港

2 Bithumb /1256億円 韓国ソウル

3 Bittrex / 845億円 アメリカ・ラスベガス

4 GDAX / 579億円 アメリカ・サンフランシスコ

5 Poloniex/ 524億円 アメリカ・デラウエア

6 HitBTC / 353億円 デンマーク・コペンハーゲン

7 Bitstamp/ 329億円 ルクセンブルグ

8 Kraken / 309億円 アメリカ・サンフランシスコ

9 Binance / 295億円 中国・上海

10 Coinone / 293億円 韓国ソウル

11 bitFlyer / 280億円 日本東京

出典: coinmarketcap.com

今までの多くは、チャンスの話題ばかりでしたが、当然リスクも発生します。国の監視下にある法定通貨と違い、ネット上の何の保証もない仮想通貨であることには変わりありません。

しかしながら、これから大きく世の中が変動する気配は多くの人が感じています。日本では戦後2番目の好景気と報道されていますが、長時間勤務低賃金がベースになっている企業が利益を上げる仕組みです。何もしないことのリスクの方が大きいいと言えるかもしれません。先日の新聞記事に、銀行系のカードローン残高が、4兆3715億円を突破したと掲載されていました。

仮に、100万円を借りた人で計算すると、437万人分となります。給与所得者の10%前後に当たる数字です。働いている人のほぼ半分近くの人が、住宅ローンを負担しています。

また、最近ベストセラーになっている未来の年表を見ても、これからの日本における超高齢化と超少子化の同時に起きる現象、2年後の消費税10%の問題、1人暮らしの50%が貯蓄ゼロのことを考えても、何か際立った才能や能力がない限り、今後の更なる厳しい競争社会で、給料や所得が増える可能性は高いとは言えません。

しかも、健康を維持することも大きなポイントで、本人以外にも家族の介護や看病などもあるので、ますます生活環境と経済環境は厳しさを増すことが明らかです。

 

情報サイトのビットコイン相場によると、今日のビットコインの日本の取引残高は、3,909億円あり、67%がビットフライヤーで2,637億円、20%のコインクチェックが783億円。2社で87%を占めています。また、ビットコインの時価総額は、13兆4千億円に増加しています。

クリプトカレンシーランキングによると、現在、上場しているコインとトークンの総数が、1,277あり、これらのコインとトークンが売買できる取引所であるマーケットは、6,504あります。

また、これら上場コインとトークンの市場規模は、2015年の5,000億円から、2016年の1兆円に増加し、今年はさらに急成長して、現在(2017年11月17日時点)25兆円を突破しており、そのうちの57%がビットコインで、ビットコインの総額が14兆8千億円となっています。

ビットコインに関連して非常に面白い傾向が出ていますが、グーグルの検索でビットコインを調べる人の96%が男性です。来年は、大学の時事問題にもビットコインが出題されそうですし、読売新聞の夕刊の英語にもビットコインが出ているくらい、国内でも話題性が高くなってきています。

拡大する経済格差

僕が今年、一番印象に残った資料は、文部科学省が2008年に調査した、親の所得と子供の学力です。

小学校6年生の学力で、国語と算数が平均点になんとか到達しているのは、親の所得が600万円以上です。これほどまでに親の所得と子供の学力がハッキリしているとわかりやすいです。

ビットコインや仮想通貨も同じ現象が起きていて、所得の多い人ほど興味や関心を示しています。同時に、所得や給料が多い人は、そのうちのごく一部で、試験的にビットコインを購入して、利益を出しています。

そして、更に、時間とお金をかけてビットコインについて詳しく学んで、データや情報を収集して知識を構築して、利益を拡大しています。経済的に余裕のない人の多くは、時間的な余裕もなく、知識があっても事実上、ビットコインなどを運用する資金が圧倒的に少ない状況です。ここにも格差が出ています。

今のところ、ビットコインや仮想通貨の多くは、投資や投機目的で売買されていますが、今後、色んなサービスやスマートコントラクトと呼ばれる新しいデジタルの状況が広がれば、まだまだビットコインの価格の上昇は期待できます。

ビットコインが受送信できるアドレスの数は現在、1,800万です。1人1アドレスとしても、世界で1,800万人しか保有しておらず、しかも、1,800万アドレスの96%には、1BTC未満の金額しか保有されていません。

予想もできない未来に備えて

匿名性、公開型、暗号式、分散経理処理が行われる非中央集権型のデジタルマネーは、いろいろな問題を解決しながら、予想もしない新しい世界を創りだすことと思います。

50年ほど前に携帯電話やインターネットがなかった時代に、今のネット社会を想像することも、予測することもできませんでした。

激動する仮想通貨、暗号通貨、デジタルマネー、ブロックチェーン、フィンテックなど、新しい通貨(カレンシー)が今、世界を大きく変えています。

私がオーナーを務めるオンラインサロン、「クリプトカレンシースクール」が今年7月にスタートしました。このオンラインサロンでは、デジタルネット上の英語で書かれた大量の情報の中から、特によりすぐりの情報をわかりやすく、面白く紹介しています。

また、11月からは健康に特化した情報サロン『南のススメGBT』スタンダートコースも始まりましたので、経済と健康の両面の知識を豊かなライフスタイルに活かしてくさい。

未来に投資することは、今までにない新しい知識や人脈を広げることになり、考えててもいなかった扉の鍵を開けることになるかもしれません。

南 詳憲 - クリプトカレンシースクール - DMM オンラインサロン
南 詳憲 - クリプトカレンシースクール - DMM オンラインサロン本サロンは、『ブロックチェーン技術』、ビットコインやリップル、イーサリアムといった暗号通貨、さらに金融・経済の知識から、世界経済の動向までをわかりやすくお伝えするスクールです。情報発信の他、セミナーなども開催しています。
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