独立を目指す理美容師へ! ITを駆使した戦略的経営のススメ

著者名加藤 あやな
独立を目指す理美容師へ! ITを駆使した戦略的経営のススメ

理美容関係のオンラインサロンはいくつかありますが、その中でも独立を目指す人向けのオンラインサロン「IT化による理美容室の戦略的経営~準備万端でオープンの不安を無くそう!」を運営する町田 隆司さん。様々な業界でITが活用されていますが、理美容室にもその波が来ているそうです。独立する上で、どのようにITを取り入れるべきか教えて頂きました。

広告手段が増えたことで、個人美容室でもPRが簡単に

―昔の美容室と今の美容室の違いはなんでしょうか。

一番の違いは広告手段が増えたことですね。以前は個人美容室で広告を打つ手段が限られていました。主な方法としては、リーフレット、ポスティング、折り込みチラシ、ラジオなどでしたが、現在はSNSが発達したこともあり、TwitterInstagramFacebookLINE@などを通じて個人や規模の小さい店舗でも簡単にPRできるようになりました。

―美容室の広告手段と言うとホットペッパービューティーやminimoが頭に浮かびますが、SNSを駆使されている方も多いのですね。

最近では特に、美容師個人のお客様という認識が強いので、一人一人の発信力やお客様との繋がりが問われますね。

ホットペッパービューティーは掲載のためにある程度広告費がかかるため、店舗の規模により導入を迷われる方も多いのと、認識としては自店のお客様と言うよりホットペッパービューティーのお客様という認識なので、リピーターになる可能性が少ないですね。

―最近では美容室もIT化に力を入れていると伺いましたが、IT化が求められるようになったのはいつ頃のことでしょうか。

やはりホットペッパービューティーの誕生が一番の大きな変化で、ネット上でお客様が集客できるので業務削減に繋がりました。それまでは次回の予約を電話や来店時に取ることが多かったのですが、ネット予約や美容室独自のアプリを使用して予約できるようになったので双方が便利になりましたね。

―美容室独自のアプリも…?

まだまだ、導入している店舗は少ないですが、今後は増えていくのでは? と思っています。今の時代、旅行や飲食の予約などはほとんどネットやアプリからなのに、美容室には必要ないと思っている人が多かったから導入が遅れた。美容室側が消費者の感覚に追い付けていないのが実情でしたね。

―なぜ、必要ないと思っていたのでしょうか。

メールやLINEがあるので、予約自体はそれで取れるんですよね。しかし、それだと返信をする必要があるので、やり取りが一方通行になってしまう。空いているか聞いて、美容室が返信して、お客様が確認した段階で予約がとれる。プロセスが煩わしいですよね。

美容師が本来勝負するところは技術や接客なのに、プロセスの煩わしさからお客様が離れてしまうのはもったいないなと。

横の繋がりの少ない美容師業界、情報入手が独立のカギ

―では、これから美容室経営を始めようと考えている人に多い悩みや課題は何でしょうか。

独立に関する情報の少なさと、求人を集めるのが大変だと聞きますね。最近は美容師の働き方も変わってきて、フリーランスや面貸しで働く人も多いので、いざ独立しても人が集まらなかったりすることもあるようで…

しかし、雇われる側から雇う側へと変わって収入を増やしたい人や自分のイメージ通りのお店を作りたい人は一定数います。そういった時に同じように頑張る美容師や、独立した先人の知恵や情報を得たいのに、共有する場所がなかったんですよね。

私自身が開業した30年前もそれは同じで、美容師の独立経営に関する情報は少なかった。そのため、どこに出店すれば良いのかもわからずに、不動産屋が勧めるまま出店場所を決めてしまいました。実際オープンしてみると駅から離れているのに駐車場もなく、階段も急で不便なお店でした。当時、情報共有する場があればもっとすんなりいっていたかもしれません。そんな想いでこのオンラインサロンを作りました。

―町田さんも悩まれたからこそ、これからの人に悩んで欲しくないと…。オンラインサロン内ではどういったことをお伝えしているのでしょうか。

新規オープンする方向け、既に経営されている方向けの2種類のコンテンツを配信しています。物件の探し方やお店の導線の作り方などの開業に関する基礎的な内容から、開業後の集客や利益の上げ方について現在20のコンテンツを公開しています。

せっかく一念発起したのに、情報を知らないために軌道に乗らなかったなんてことがあったら大変です。悲しいことに美容業界ではオープン後1年で3割、3年後には6割潰れてしまうと言われています。

 ―情報を知っている経営者が残っていく。3年で6割という数字には驚きました。では、独立を考えている人は何から始めれば良いでしょうか。

独立を考える目安は約10年サロンで働いてみて、自分のお客様がある程度出来たので、指名客を連れて独立しようとする方が多いですが、それだけだと淘汰されていきますね。やはり新規のお客様も大切なので、まずはSNSで約1,000人のフォロワーを作ることから始めてください。地方でも成功されている方はフォロワーの多い方がほとんどですね。

SNSのフォロワーというとInstagramなどの活用ですか?

Instagramでは自分のスタイルを発信することができるので、積極的に活用して欲しいですね。基本は仕事の情報を投稿し、それにプラスしてその人の人間性がわかる投稿が入ってくると人気が出やすいです。自分をより深く理解してもらうツールとして使ってください。

―では、独立したその次に始めることは何でしょうか。

お客様の固定化ですね。顧客を管理する上でうまくITを取り入れる必要があります。一人で全部やろうとすると、キャパオーバーになってしまうので、必要に応じてITに頼るのが大切です。次に生かすデータを残すために、紙ベースではなく早いうちからシステムに頼って欲しいですね。

IT化することが経費削減への第一歩

―では、IT化した時としてない時、業務や費用面でどのような違いがありますか。

私の会社では美容室独自の自店アプリも提供していますが、導入していただいた他店舗の例を挙げると、

  • アプリでの事前確認でドタキャンが40人から20人に減少。
  • 1000人規模来店する美容室では、フロントでの電話対応が減り50時間の削減。
  • 美容室の閉店時間後も24時間アプリで予約対応を行っており、仕事後の女性のお客様獲得に繋がった。

などの効果がありました。特に女性のお客様は仕事から帰ってきて21時頃に美容室の予約を取る傾向があるので、その時間帯に多く予約が入るそうです。

―集客サイトに掲載している美容室の場合、自店アプリを作るメリットはありますか。

単純に広告掲載費用を比べると、自店アプリを持った方が費用の削減に繋がります。それと集客サイトを回遊しているお客様ではなく、自店でのお客様なのでリピーターの固定化ができますね。

集客サイトから自店アプリへとお客様に移行していただくためには、集客サイトよりも自店アプリを通じた予約でのサービスを良くすることが重要です。

―確かに、同じ予約ができるのであれば価格の安さや付随するサービスが多いほうが魅力的ですよね。

アプリ上で、お店の雰囲気やスタイルの共有なども完結するので、集客サイトと同じ環境を作れます。消費者の望む形を集客サイトは作っているので、私たちも同じ土俵に上がる必要があります。ITを駆使し、手を煩わせていた業務を簡略化し本来美容師が勝負すべき技術や接客を磨くことが一番のお客様への還元です。

また、利益を上げるために削減できるところは他にないか、材料費は使いすぎていないかなど、独立を機に再度考え直して欲しいですね。今まで勤めていたサロンでの常識がもしかしたら非常識なんてこともあるかもしれません。これからは経営者として自分で考えていく必要があります。その考え方を学ぶ場としてオンラインサロンを利用してくれたら嬉しいです。

―理美容師業界もいかに情報を知っているかが大切ということですね。最後にオンラインサロンのPRをお願いします。

美容師向けのオンラインサロンはいくつかありますが、私の場合は美容室の経営に特化しているので、独立や新規出店を考えた時に見て欲しいですね。オンラインサロンを通じて、美容師業界の生産性を上げていきたいと思っています。

今後はセミナーやオフ会も開催したいと思っているので、メンバー同士で情報交換をしたり、繋がりを作る場を増やしていきたいですね。


 理美容室経営は独立までが一番の頑張りどころ。オンラインサロンを通じて独立・経営術を学び、夢への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

町田 隆司 - IT化による理美容室の戦略的経営~準備万端でオープンの不安を無くそう! - DMM オンラインサロン
町田 隆司 - IT化による理美容室の戦略的経営~準備万端でオープンの不安を無くそう! - DMM オンラインサロン理美容室の新規オープンに特化したシステムでスタートし、成功する運営ノウハウを伝授。 生産性が高い理美容師、多様な面で常に顧客のニーズに応えられるアドバイザー理美容師としての活躍を目指す。
lounge.dmm.com

 

  • CANARY オンラインサロンから、アイデアとヒントを。
  • DMMオンラインサロン

RANKINGランキングランキング一覧

KEYWORDキーワードキーワード一覧