【語彙力とは】シーン別の使える語彙と検定・本の紹介

著者名SJ
【語彙力とは】シーン別の使える語彙と検定・本の紹介

ここ数年で、「語彙力」という言葉を目にすることが急激に増えました。語彙力とは、一言でいえば、言葉の表現力です。

例えば、漠然とした「すごい」という表現よりも、「すばらしい」や「素敵」と発言した方が、場面に合った適切なコミュニケーションを取ることが出来ます。今回は、語彙力とはそもそもどういうものなのかを理解し、今日から使える便利なシーン別の語彙、そして語彙力を高めるための方法を紹介していきます。

語彙力とは

実用日本語表現辞典では、「語彙力」という言葉は、「どれだけ多くの種類の単語を知っているかという力。ある言語においてどれだけ豊富な語彙を把握しているかという指標」とされています。これ自体は新しい言葉で、「語彙」という言葉に「力」をつけたものです。個々人の語彙の豊富さ、言い換えれば言葉の表現力を示すために作られた言葉です。

語彙とは

では、そもそも語彙とは何なのでしょうか。英語だと「ボキャブラリー」という言葉がこれに当たりますが、これもかなり耳馴染みのある言葉ですよね。ブリタニカ国際大百科事典によると、語彙とは「ある一つの国語,方言あるいは作品などの単語の総体。現代英語の語彙,東京方言の語彙,『源氏物語』の語彙,などのようにいう。各個人のもつ語彙はそれぞれ異なり,ある言語の語彙はそれを話す人の語彙の総和といえる」と説明されています。

理解語彙と使用語彙

では、一般的な語彙の量はどのくらいなのでしょうか。一説によると、日本語を母語とする平均的な人の場合で、理解語彙は約4万~5万語、使用語彙は約1万5千~2万語とされているようです。実際に、1971年に発表された研究では、「日本人の成人の理解語彙量は大体4万語程度」と推察されていましたので、理解語彙の方はおおむねこの水準に落ち着くようです。一方、使用語彙の方は調査が難しいようで、信頼できるデータが少ないのが現状です。

(参考:日本人の語彙量 (理解語彙、使用語彙)調査を行うにあたっての基礎的研究)

語彙力が試されるシーン

気の置けない友人との会話なら、「すごい」、「わかる」、「やばい」といったざっくりした表現だけでも問題なくコミュニケーションが取れます。でも、例えば、初めての取引先にビジネスメールを書く場合や、好意のある人にアピールしたい場合には、もっと洗練された、場面にふさわしい言葉を使いたいものです。ここから先は、シーン別の便利な語彙を紹介していきます。

シーン別語彙

上司との会話

社会人なら誰しも、上司との会話は日常の一部ですよね。普段から何の気なしに使っていても、実は失礼に当たる表現もありますので、気を付けたいところです。

例えば、上司から仕事の指示を受けた時など、ついつい「了解です」、「了解しました」などと言っていませんか?了解というのはきちんとした表現に見えますが、目上の人に対しては避けるべきです。わかりました、という意思を上司に伝える時には、「承知いたしました」を使うのがよいでしょう。

今度は、上司から接待への同行を求められた時。「お伴します」、「ご一緒します」と言えばある程度かしこまって聞こえる気がしますが、そこで「ご相伴にあずかります」と答えられれば、教養がキラリと光ります。「ご相伴」というのはなかなか聞き慣れない言葉ですが、社会人の言葉使いとしては、「ご一緒」は軽すぎると考えられるので、是非覚えておきたいですね。

取引先とのメール

取引先に見て欲しい営業資料をメールで送る時、どんな文章を書いていますか。「ご覧ください」でも丁寧ですが、「ご高覧ください」とすると更に丁寧になります。似た表現で「ご笑覧」という言葉もありますが、これは自分個人の作品などを見てもらう時に使われるもので、かしこまったビジネスシーンでは不適切なので、注意しましょう。

最も気を遣うのは、取引先の依頼を断る時。何と言えば失礼にならず、先方の気分を害さないか、毎回悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。ビジネスシーンでの丁寧な断り方としては、「お受けいたしかねます」、「ご要望に沿いかねます」等が便利です。さらに「ご要望にお応えすることが叶いません」とすると、一層丁寧に聞こえますね。その他、先方の提案を断る時には、「お見送りいたします」、「見送らせて頂きます」など、「見送る」を使った表現が使えます。もう一歩進んで「今回はお見送りいたしたく存じます」とすれば、更に婉曲的で、先方に配慮した表現に聞こえますね。

同僚との会話

同僚との会話の中で、相槌として「なるほど」ばかり使っている人も多いのではないでしょうか。いつも同じ相槌ばかりだと、ちゃんと聞いていないと思われてしまうこともありますし、特に目上の人には使わない方が良い表現です。こんな場面では、「おっしゃるとおりです」、「確かにそうですね」、「ごもっともです」など、色々な言葉をさりげなく使えるといいですね。

ビジネスを含めた幅広いシーンで使われる言葉で、意図が伝わりにくいのが「大丈夫です」ではないでしょうか。「心配いりません」という意味なのか、「不要です」という意味なのか、あるいは遠回しな拒否なのか…。自分の意図を正しく伝えるために、言い換えの語彙を身に付けておくといいでしょう。心配いらないと言いたいなら「問題ありません」、不要だと伝えたいなら「お気持ちだけ頂きます」、そして丁寧に断りたいなら「遠慮しておきます」、などの表現が使えます。

友達

友達との会話こそ、「ウケる」や「わかる」といった大雑把な表現を多用してしまいがち。そういった日常の言葉も、大人らしい表現に言い換えてみれば、「語彙力高い人」として一目置かれるようになるかもしれません。

例えば、「ウケる」という言葉は、色々な意味で使われますが、どういう意味で使っているのかはっきりとわかるように言い換えてみるだけで、一気に語彙力が上がります。例えば、「おもしろい」、「おかしい」、「笑える」。更に、同じ意味でも「笑いを誘う」と言ってみれば、一気に洗練された雰囲気を醸し出せますね。他にも、「(笑いすぎて)お腹が痛い」と言えば、ただ「ウケる」と言うよりも、際立って面白いことがよく伝わります。

面白い人という意味で「あの人ウケる」なんて言う時には、「お茶目」、「ひょうきん」といった言葉の他、「ウィットに富んでいる」といった外国語を使った表現も押さえておけば、教養の広さをアピールできますね。

同じ「ウケる」という言葉でも、「反応が良い」という意味で使うこともあります。この場合は、「反響がある」とか「好感触」といった言い換えができるでしょう。こんな風に、普段の会話の中でも、自分の言いたいことが何なのか明確にして言い換えるだけで、グッと語彙力が上がります。

好意がある人

自分が好意を持っている相手には、「かわいい」とか「かっこいい」といったストレートな表現で気持ちを伝えるのもいいですが、品があって印象に残る言葉でアプローチできたら素敵ですよね。

例えば、その相手を褒めたい時も、大雑把な言葉では気持ちが伝わりません。自分はあなたのことをちゃんと見ているんですよというアピールのためにも、具体的な言葉を選びましょう。女性に対して容姿や雰囲気を褒めたい時なら、「かわいい」と言うのではなくて、相手のイメージに合わせて、「綺麗」、「可愛らしい」、「艶っぽい」など、より具体的な言葉を使うのがいいでしょう。「エレガント」、「キュート」、「ゴージャス」といった英語の表現を使うのもいいですね。

同じように男性を褒めたい時も、「爽やか」、「ダンディ」など、その人の雰囲気に合った言葉を選ぶことができると、漠然と「かっこいい」と言う場合と差を付けられます。容姿が良いことを伝えたい場合でも、よく使われる「イケメン」という言葉を使うのではなく、「整っていますね」とか「端正なお顔立ちですね」といった言葉を使えば、容貌を褒められ慣れている相手であっても、随分印象に残るのではないでしょうか。

恋人

恋人とは会話する機会が多いので、いつも同じような言葉ばかり使っていると、新鮮味が無くなってマンネリ化してしまいかねません。それは愛情表現の言葉も同じで、「愛してる」ばかり言っていては、相手はそれに慣れて、有難みを感じなくなってしまいます。

では、ストレートな「好き」、「愛してる」以外に、恋人に愛を伝える素敵な表現にはどんなものがあるでしょうか。「いつもあなたを想っている」、「あなたが一番大事」、「ずっと一緒にいたい」など、気持ちをそのまま言葉にするだけで、相手に強く響く言葉になります。自分の気持ちをうまく言葉にできないという人は、ドラマや映画、或いは小説や歌の歌詞を参考にするのもいいかもしれません。文学的な難しい言葉を使ってみたくなるかもしれませんが、言葉は気持ちがこもっていてこそ伝わるもの。語彙力アップの基本は、自分の気持ちをそのまま言葉に変換することなのかもしれませんね。

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語彙力の高め方

語彙力向上のためには、すでに述べてきたように、言いたいことを具体的に言い換えてみるのが有効です。いつも使っている口癖を意識的に避けて、別の言葉で伝えるようにしてみましょう。たくさん本を読むことで理解語彙を増やすだけでなく、実際に書いたり話したりすることで、自分が実際に使える使用語彙を増やすことが大切ですが、最初は小説や映画で気に入ったフレーズを真似して使ってみるのも良いでしょう。

特にビジネスシーンの語彙力アップに関しては、関連の本がたくさん出版されているので、そういった本を参照すれば、効率的に語彙を増やすことができます。ここでは、最初の一冊に良さそうなAmazonのランキング上位二冊を紹介します。

大人の語彙力ノート 誰からも「できる! 」と思われる

大人の語彙力ノート 誰からも「できる! 」と思われる

「言い換え」で語彙力を増やせるように、シーン別の実践的な使い方を紹介している本です。

大人の語彙力大全

大人の語彙力大全 (中経の文庫)

「知性と教養を感じさせる語彙」483語を解説した本です。文庫サイズなので通勤のお伴にも。

検定・テスト

語彙力の検定としては、朝日新聞とベネッセが共同開発した「語彙・読解力検定」がありますが、2018年度で終了することが決まっています。手軽な語彙力テストなら、スマホで使えるアプリが色々あります。テストだけでなく、語彙力を高めるトレーニングにも使えますので、語彙力を伸ばしたい方は是非試してみてくださいね。

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