開設から1周年!『どうぶつの皮膚科相談室』に込められた思いとは?

著者名山岡ソースケ・リホ
開設から1周年!『どうぶつの皮膚科相談室』に込められた思いとは?

皮膚科診察やトリミングサロンでたくさんの動物たちの皮膚に関する悩みと向き合っている、動物看護師やトリマーのためのオンラインサロン『どうぶつの皮膚科相談室』。設立からおよそ1年を迎えた2018年8月、一周年記念感謝イベントを兼ねた「獣医皮膚科本気セミナー」を、東京六本木にて開催しました。当日の様子と、サロンの代表を務める豊田陽一さんに伺ったサロンに対する想いをご紹介します。

100名の予約が満席!笑いあり学びありの大規模イベント

参加できるのは、動物看護師とトリマーのみという非常に限られたイベントであったにも関わらず、100名分の事前予約は即満員に。当日の会場も大変な賑わいを見せていました。当日の講師を務めたのは獣医師・獣医学博士・アジア獣医皮膚科専門医の伊從慶太さんと、獣医師・日本獣医皮膚科学会認定医の江角真梨子さん。

お二人の軽快なトークで会場は大盛り上がり。時には笑いながら、時には真剣なまなざしで、100名の来場者は熱心に耳を傾けていました。

▼伊從さんは「どれがいいの?なにがいいの?~獣医皮膚科にあふれる情報の考え方~」と題し、情報社会に生きる上で必須の能力とも言える情報の取捨選択のコツについてお話しされました。

▼来場者同士で課題を出し合うワークなども行い、皆さんそれぞれ頭を悩ませながらも、真剣に解決策を導き出そうとしています。

▼伊從さんが行きつけだという中華料理店のレビューを元に、わかりやすくて面白い講座を展開。時には冗談も交えながら来場者の心をがっちりと掴みます。

▼2人目の江角さんは「『飼い主さんに伝えた方が良い』5つの事」と題し、トリミングや検診の現場で気をつけるべき動物たちの症状や状態を、事例を交えながら詳しく解説。

▼来場者の目も真剣そのもの。江角さんのお話がいかに有意義なものなのか、そしてそれを自分たちの仕事へと活かしていくんだという意志を強く感じることができます。

▼専門的な用語や症状に関してもわかりやすく丁寧に解説していく江角さん。動物看護師やトリマー、飼い主、動物たち、そのすべてを助けてあげたいという思いがひしひしと伝わってきます。

▼講座終了後は懇親会を実施。この日のために企画したチャリティーイベントには、多くの企業から協賛が集まり、さながらマーケットのような賑わいを見せる会場は熱気に溢れていました。

▼こだわりのコーヒーで来場者をおもてなしする一コマも。単なる講習会では終わらない、1周年感謝イベントとしての確かな価値の提供が随所で見られました。

多くの動物たちが抱える悩みと、それをケアする動物看護師やトリマーを助けるためのサロン

イベント中、この会の発起人であり、「どうぶつの皮膚科相談室」の代表を務める豊田さんに、お話を伺うことができました。そこで、サロン設立の経緯やこれからの展望について、大いに語って頂きました。

―そもそもこのような動物看護師やトリマー向けの限定サロンを作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

動物病院というのは、人間のそれとは違って、内科や外科、眼科や皮膚科といったあらゆるジャンルの診療を一人の獣医師が行う必要があり、覚えなければならないことが非常に多いんです。それに一口に動物といっても、犬もいれば猫もいますし、もっと大きな家畜や鳥類、爬虫類なども診療の対象となるため、知識として押さえておかなければならない要素が無限大にあると言っても過言ではないでしょう。

そうした背景があるからこそ、動物の皮膚というのは、命に直接関係するような症状が多くはないため、どうしても獣医師の中の優先順位が下がりがちだと感じています。しかし一方では、飼い主側の来院理由のおよそ40%が動物の皮膚に関する悩みだったりもする。そうなるとどうしても獣医師側の意図と飼い主側の要望との間にギャップが生まれてしまい、その間に立たされる動物看護師やトリマーの負担が増えていってしまうのです。

そうした背景があったからこそ、動物の皮膚に特化したコミュニティサロンを作ることによって、少しでも彼らの負担を軽減しつつ、動物たちにとっても良い医療を提供できるようにしたいと思いました。

 

―そんな動物業界ならではの背景があり、サロンは生まれたのですね。そういう意味では、こういったコミュニティサロンの存在を待ち望んでいた人も多かったのではないですか?

そうですね。実際参加頂いているユーザーは全国にいらっしゃって、今日のイベントも東京だけでなく色々なエリアからお越しいただけています。このサロンの存在を知るまでは、モヤモヤを抱えながら仕事をしていた人も多いようで、「あの子の症状を治すことができなかった…」といった過去の失敗を糧に努力を続けている人が多くいます。そうした、これまでマイナスだったものをプラスに変えていきたいという思いが強い参加者ばかりですので、サロンの勢いを自然と高めていけるのでしょうね。

―今回のイベント開催の経緯について教えて頂けますか?

元々はただのオフ会に近いような意味合いでこのイベントは企画されたんです。しかし、「どうせやるならもっと大規模なイベントにしていこう」、「大規模なイベントにするからにはチャリティーなども開催してもっと動物たちの役に立てるものにしよう」、「業界の仲間や動物・飼い主さんの力になれるようチャリティーイベントも開催しよう」とメンバーの中から自然発生的にさまざまなアイデアが生み出され、今回のような形でイベントを開催しました。結果的にはサロン生一人ひとりが主役になれる良いイベントになったなと思います。今回の準備に関して代表の私がしたことといえば、荷物運びと入場券配りくらいですね(笑)

 

―サロン活動を通して実現したいことや想いなどはありますか?

動物病院という業界は、これまでの爆発的な成長期を終え、今はどちらかというと衰退しつつあると思います。そういう状況だからこそ、各病院が飼い主や動物たちに対し、真摯に向き合うことができなくなりつつあるように思います。動物病院として病気と闘っていかなければいけないところを、同業他社と戦っていくために力を割いてしまっている現状が確かにあるのです。

私たちは動物病院の本来の姿でもある、病気と戦い、飼い主や動物たちをケアすることに全力を注げる環境を作っていければと考えています。そうすることが、そこで働く動物看護師やトリマーの満足度向上にも繋がっていくはずです。

 

終始にこやかな表情を絶やさず、優しさにあふれた豊田さんでしたが、サロンや動物たちについて話す時の瞳には、メラメラとした情熱の炎が燃えているように感じられました。実際その熱さを身近に感じた人が多いからこそ、今回のイベントが成功したとも言えるでしょう。

獣医師皮膚科の専門医とオンラインで繋がることにより、リアルタイムに専門知識やノウハウを学べ、時には直接症状に関する相談も可能な「どうぶつの皮膚科相談室」。動物看護師やトリマーのように、日常的に動物たちと触れ合う仕事についている方にとっては、これ以上心強い存在はないと言っても過言ではありません。自身のスキルアップを目指している方はもちろん、もっと多くの動物たちを助けたい、困っている人に手を差し伸べられるようになりたい、という思いがある人は、ぜひサロンに参加してみてはいかがでしょうか。

Vet Derm Tokyo所属獣医皮膚科医  江角真梨子/伊從慶太 他 - 動物看護師とトリマーのための『どうぶつの皮膚科相談室』 - DMM オンラインサロン
Vet Derm Tokyo所属獣医皮膚科医  江角真梨子/伊從慶太 他 - 動物看護師とトリマーのための『どうぶつの皮膚科相談室』 - DMM オンラインサロン『中々治らない皮膚病をどうにかしたい』と、皮膚科専門医達が動物のプロのために、皮膚病・耳の病気に苦しむ動物のために、オンラインサロンを立ち上げました。
lounge.dmm.com
  • CANARY オンラインサロンから、アイデアとヒントを。
  • DMMオンラインサロン

RANKINGランキングランキング一覧

KEYWORDキーワードキーワード一覧