挑戦前夜〜起業家・経沢香保子〜

シナプス編集部

卒業や就職を迎えるこの季節。新たな「挑戦」をしてみたいと考えている人も多いはずです。

この特集では、様々なジャンルのトップランナーに、その後進んでいく道を決定づけることになったきっかけ・決心について伺い、各人の挑戦前夜の様子を描き出します。

 

経沢香保子は26歳でマーケティング会社を創業し、2012年に当時の女性最年少社長として東証マザーズ上場を果たした。その後2014年にITを活用したベビーシッターサービスで再び創業。その根底にはベンチャー魂があった。経沢を支えた起業家としてのベンチャーマインドは一体どのようにして作られていったのか。


経沢香保子

株式会社キッズライン代表取締役社長

創業間もない楽天で社長室や楽天大学等の新規事業を経て、26歳で自宅でトレンダーズを創業。女性起業塾や女性ソーシャルメディアマーケティング等を展開し、2012年東証マザーズに当時最年少女性社長として上場。2014年には株式会社カラーズ(現株式会社キッズライン)を設立、代表取締役社長に就任。現在は、テレビ等でコメンテーターも務める。プライベートでは3回の出産を経験、現在は1男1女の母。女性のHappyは、仕事・美・パートナーシップの両立というのが自論であり自らも試行錯誤中。


幼少時代

「幼いころより、専業主婦の母に『これからは女性も働く時代になるよ。』と言い聞かされて育ちました。」

1973年4月23日、団塊ジュニア世代として千葉県のベッドタウン松戸市で生まれた経沢は、幼いながらも「女性でありながら、仕事も家庭も両立するにはどうすれば良いのか」という自問自答を繰り返してきたと言う。

将来自立して生活するには「まずは勉強」と。自然と親の意向と経沢の考えは中学受験に傾き、2年間の受験勉強の末に女子校における最高峰・桜蔭学園への合格を果たす。経沢はその時に「努力をすれば結果が出る」という貴重な成功体験を得たこと、また受験で培った忍耐力がその後の会社経営に生かされていると当時を振り返る。

「比較的物事に対してこつこつ努力することができる子でした。一方でどちらかと言うと勉強よりも仕事のほうが得意で、例えば裁縫が好きでエプロンをつくったり、ポスターをつくったりすることで、自分の思いを形にすること、それで人が喜んでくれることが大好きでした。」

高校に進学後は、文化祭での働きや学習塾のアルバイトでの仕事ぶりを評価され「人が喜ぶ仕事をすること」にやりがいを見出すようになっていく。小さいころからの「人に喜んでもらう」という成功体験の積み重ねが、起業家精神の原型をつくっていった。

就職活動の思い出

学生から社会人への転換期というのは、自分の適性や希望と社会との折り合いをつけることに誰もが思い悩むもの。就職活動を始めた段階では特に業種は考えていなかったという経沢の就活体験は、いったいどのようのものだったのだろうか。

「自分が就活をはじめた頃は就職氷河期で、不安から始まった就職活動だったので、とにかくたくさん受けてみようと思って全部で100社くらい受けました。はじめは手探りの状態でしたが、面接の回数を重ねるごとに、そのプロセスの中に発見があって、また小さいところから内定を獲得していくことで自信がついてきました。そうした積み重ねが良いサイクルを生み出し、結果的にどんどん内定を連鎖させていくことができました。」

大きな目標にむけて、まずはできるところから行動をはじめ、こつこつ小さな成功体験を積み上げる。そこで培ったノウハウを活かしてさらなる成功を生み出す。こうした手法は、自分の知識や経験が乏しい領域において成果を生み出すためにはとても有効な手段である。

経沢をはじめ、実際に社会で成功している人の話を聞くと、行動に踏み切るときのハードルが恐ろしく低く、やる・やらないの意思決定のスピードが段違いに早いと感じることが多い。ただ多くの人は、最初の一歩を踏み出すことについついナーバスになってしまうのではないか、そんな質問をぶつけてみたところ、力強い答えが返ってきた。

「判断材料が乏しい中で、努力の方向性で迷っていても仕方ないと思います。一度決めたら、どんなに小さなものでもよいので、なにかしら結果が出るまで一生懸命頑張ってみる。迷うのは、それからで良いのではでしょうか。」

就職〜起業家に至るまで

数多の内定先から、経沢はリクルートへの入社を決めた。数年後楽天に転職し、最終的に起業へ至るまでの経緯を伺うことができた。

「入社一年目から営業の現場に立ってバリバリ仕事ができるところが良いと思ってリクルートを選びました。特別営業が好きというわけでは無かったのですが、経験のない自分が一年目から結果を出すことのできるのはどこかというのを考えた選択です。営業の世界は自分の成績が明確で、成果を出した分だけ評価されるというのはフェアな世界ですよね。」

入社一年目の新人の中で、名刺集めで関東ナンバーワンになるなど同期の中でもずば抜けた存在だった。この時代に、売上の数字を取ることを肌感覚で身につけたことは、後に自ら会社を作る際に大きな糧となったと言う。しかし数年後、経沢は半ば衝動的に楽天への転職を決める。

「ふと、立ち寄った書店で楽天の三木谷さんがインタビューされた本を手にとって、とても衝撃を受けました。当時のリクルートは情報流通のインフラをつくる仕事でしたが、楽天はインターネットを使って同じことをやろうとしていました。これからは確実にインターネットの時代が来ると確信して、楽天の採用情報を調べたら、ちょうど求人があったので衝動的に申し込みました。」

当時の楽天は三木谷社長をはじめ多くのMBAホルダーがおり、極めて合理的な判断のもと会社経営がなされていた。リクルートとは全く違ったカラーに影響を受け、いつしか経沢もMBAホルダーを夢見て留学を決意し楽天を退社する。ところがなかなか留学の準備が進まない。そんな折に知人を通じて、女性向けのマーケティング調査の仕事を少しずつ受け、そうこうしているうちに取引先から法人化してほしいという要望が相次いだ。

「これからは女性の時代だと思いました。自分の強みを活かして起業するとしたらどうなるかを考えて、未来をつくっていくトレンドリーダーを集めた会社という意味でトレンダーズという名前にしました。」

後に経沢が最年少女性社長として東京証券取引所の鐘を鳴らすことになる会社は、こうして自宅の一室で静かに産声をあげた。

これからの時代を生きる全ての女性のために

なぜ経沢が起業を繰り返すのか、その理由は「社会のためのインフラを作る」ことと、「全ての女性が輝ける社会を実現する」という2点に尽きる。そんな経沢から、働く女性に対し、力強いエールを送っていただいた。最後にその中からいくつか抜粋してお伝えしたい。

「皆さんの能力は、必ず自分の思っている以上にあるのだということ。だから夢を諦めないでほしいです。」

「女性にとって今はたくさんチャンスがあると思います。まだまだ女性起業家の数は少なく、珍しいというだけで仕事が舞い込むチャンスが世の中に溢れています。どんなに小さな仕事の依頼でもチャンスを活かして、経験と実績に変えて、貰った仕事をやりきってほしいです。」

「女性ひとりひとりが頑張って、自信をつけていけば女性全体の社会的地位を底上げすることが出来ます。自己評価が低くて頑張れない女の子もいるかもしれないけど、みんなで頑張っていけば少しずつでも良くなると思いますので、そうした方々と一緒によりよい社会をつくっていきたいです。」

「私も実は、専業主婦へのあこがれが無いわけではないです。ですが、私にはその才能はありませんので、本当に尊い仕事と今でも思っています。ただ、いまや女性も一生働き続ける時代、経済的に自立をすることは、精神的な自立につながる、とポジティブに考えることにしました。精神的な自立はさらなる世の中を良くする仕事を生み出すので、こうした好循環を作れればと思います。」

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