草野絵美さん【肩書きにとらわれない人生の歩み方】イベントレポート

著者名菅原 さくら

クリエイターを目指すミレニアル世代(1980年~2000年初め生まれ)を対象とし、テレビ朝日が主宰するオンラインサロン「CREATOR’S BASE」。各界で活躍する若手のクリエイターが、セミナーや課題を通じて、“好き”を仕事にする方法や才能の育て方を発信しています。今回は、アーティスト・草野絵美さんが登壇したイベントの様子をレポート。肩書きにとらわれない“好き”の伸ばし方とは?


草野絵美

1990年生まれ。ジャパニーズ歌謡エレクトロユニット『Satellite Young』主宰。再構築された80’sサウンドに、人工知能やオンライン交際などの最新テクノロジーをテーマに楽曲を制作。欧米を中心にファンを増やし、2017年には『South by South West』に出演を果たした。参天製薬『サンテPC』TV CM出演、TV番組『SENSORS』のMCを務めるなどマルチに活躍中。元広告代理店勤務、5歳児の母親でもある。


イベントは2部構成。前半は草野さんからの講義、後半は事前に参加者が提出した課題へのフィードバックです。講義では、草野さん自身がこれまでに歩んできたキャリアに沿って、大切にしてきた考え方を教えてくれました。

好きなことを見つけるには、まず興味のあることに手を出してみる

幼いころから落ち着きがなく、やりたいことがころころ変わるタイプだったという草野さん。いまはSatellite Youngとしての音楽活動が中心ですが、1020代前半はフォトグラファーやラジオのDJをしたり、起業したり、広告代理店に入ったりと、さまざまなチャレンジをしていました。

「好きなことを見つけて“何者かにならなきゃいけない”という強迫観念があったんです。でも、その好きなことがしぼれなかった」と語ります。

そんな草野さんが24歳で迎えたのは、ひとつの“開き直り”。

「一芸に秀でている友人たちが着実に活躍していくなか、自分はその“一芸”が見えてこない。だから、自分がひとつのことを突き詰められないタイプだ、ということを受け入れたんです。そのうえで、そのとき興味のあることを2つまで、とにかくやってみる。得られる肩書きは気にせず、まずは自分らしく楽しんでみようと思いました」

大切にしたポイントは、以下の3つだそうです。 

 

・若いころは、視野を広げる記者になれ!

会いたくても会えない人、見たいけど見られない職場にアタックできるのは、若者の特権。図々しくてもOKな時期に、いろんなチャレンジをして、ネットワークを作る。

 

・その瞬間は、目の前のことに全力

やりたいことが複数出てくるのはOK。でも、やると決めたら1年間は全力でやる。無駄な飲み会に出たり、友達と遊んだりする時間を削って、好きだと思ったことを突き詰めてみる。

 

・自分なりのバランスを見つける

何かひとつを極めて、肩書きをつけられなくてもかまわない。やりたいこと、好きなことの組み合わせで、自分にしかできない仕事を作っていくイメージ。

好きではじめただけの音楽を、仕事にした戦略3ポイント

そうやってさまざまな“好き”に手を出した結果が、いまではなりわいとなっている「Satellite Young」。草野さんがずっと憧れていた80年代のアイドルサウンドを、IT用語をふんだんに盛り込んだ歌詞とともに、時空を越えた音楽に進化させていくバンドです。


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ひたすら好きだっただけの「80年代」や「音楽」を、仕事にまで引き上げたのは、戦略的なセルフプロデュースをしたから、と草野さんは振り返ります。

「音楽的には無名で、実績ゼロからのスタート。メジャーでも食えないような音楽業界に乗り込み、インディーズでサバイブしていくには、信念だけでなく戦略が必要だと思いました」

 

戦略1:徹底的なリサーチとクオリティ

リサーチした結果、80年代リバイバルが売れにくい原因は、パロディと思われやすいこと。そこで草野さんは、実力が確かな電子音楽のクリエイター、ベルメゾン関根と手を組んで、パロディではなく「ひとつの音楽としてクオリティの高いもの」を目指しました。

 

戦略2:ビジュアルで世界観を視覚化する

現代は、MVがないと音楽を聴いてもらえない時代。かっこいいジャケットやアーティスト写真を作り込んで、目につくきっかけを用意する必要があります。

「一人じゃなにもつくれないから、ここでもコラボです。水曜日のカンパネラのMVを手がけている渡邊直さんに参加をお願いしたときは、最新技術を使ったMVの制作を提案して、オファーが成功しました。ディープラーニングで80年代のネオンサインやグラフィックをコンピューターに取り込み、ビデオの色使いに反映したんです。渡邊さんも『ディープラーニングを使ってみたい』と言ってくださって。そんなふうに、お金以外でもWin-Winになる対価を用意すれば、クリエイターの方は参加してくれる可能性が高いと思います」

 

戦略3:ネットを駆使して逆輸入を狙う

日本の音楽業界は、真っ向から切り込むのがなかなか難しい世界。草野さんは海外リスナーを獲得して逆輸入を狙うのがいいと考え、ニッチでグローバルな音楽監督とコラボしたり、海外アニメに楽曲を提供しました。「海外での音楽再生回数が跳ね上がった結果、ノラ・ジョーンズやエイミー・ワインハウスを輩出し、日本からはPerfumeなどが参加している音楽イベント『サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)』から出演依頼をいただきました。日本のメディアにもどでかく掲載され、逆輸入を果たしたんです」

 

戦略を立てるときのポイントは、情報発信の手段や順番を熟慮することと、ビジュアルやコラボのようにほかと差別化するフックを仕掛けること。そして一番大切なのは、情熱を持って作品を創ることだといいます。

「“好き”を仕事にするからには、とことんです。みんながほしいものをつくっても意味がないんですよ。自分が強く求めているけど、どこにもないものを創るんです」

小さなことからはじめてみる、環境を変えてみる。

講義を終えて、会場からはたくさんの質問が出ました。

 

Q1、いいと思える戦略を考えついても、実行までのハードルが高い場合は、どうしますか?

「躊躇はあっても、小さなレベルでいいからつくりはじめること。まずは手を動かして、自分の作品をネットに載せます。本気の趣味にはファンがついてくるし、アウトプットがないと人は成長しないから」

 

Q2、好きなことを試したなかから「これだ」という強みに絞る方法は?

「自分の武器は、いろんなコミュニティに飛びこむことで客観性を帯びてきます。私は中高生のころから、学校以外の居場所をつくろうというポリシーがありました。塾とか習い事、地域の友達、くらいでかまいません。大人になったいまなら、海外や地方に行ってみるのもいいですね。環境を変えると『これとこれを知っているのは、ここに自分しかいない』というのが見えてきます。好きな活動を重ね合わせて培われた美意識や視点、価値観は、価値になる可能性が高い。それが、あなたの強みになるんです」

 

自分にしかできないことって、かならず誰にでもあると思います、と草野さんはにっこり。

 

後半は課題「自分の強み、自分にしかない視点を表現してください」のフィードバック。

参加者たちが、事前に提出した課題について短いプレゼンをし、草野さんが感想を述べていきます。自分のオリジナル曲にイラストをつけてMVを作った人、ペットボトルに反射する光をサンプリングして映像作品に仕上げた人、タブロイド風の自己紹介スライドを作った人……。

草野さんは作品のよいところを褒めたあとで「こうすると、もっと仕事を頼みたくなる」「こうだったらコラボしたくなる」などと、コンサルに近いアドバイスを加えていきました。

 

一方的に講義を受けるだけでなく、課題を通じてインタラクティブな学びを得られる「CREATORS BASE」。

10月は、18歳でアパレルブランドを起業した大久保楓さんの「ポスト・ミレニアル世代が起業するために」、Webメディアの情報発信に強い編集者・塩谷舞さんの「企業に属さない働き方」など、今後も面白そうなイベントが予定されています。

課題を提出できるのは一般会員のみですが、イベントの聴講はオンライン会員でもOK。また、今回の講義を含め、イベントの内容は全て、アーカイブとしてオンライン上で視聴可能ですので、「参加したいけど、今からでは遅いかも…」と考えている方もご安心を。自分の「好き」を仕事にしたいクリエイターの皆さんは、ぜひご参加ください!

 

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