独自性と価値観の創出! 染谷昌利コミュニティ2.0 イベントレポート

著者名サトートモロー
独自性と価値観の創出! 染谷昌利コミュニティ2.0 イベントレポート

オンラインサロン「ギガ盛りブログ飯」では、サロンメンバーや一般の方々を対象にしたセミナーを毎月開催しています。セミナーの内容は、文章術、フリーランスの仕事論、インターネットの収益化など、情報発信を通してこの社会を生きていく方法が中心となっています。

7月度のセミナーテーマは、「コミュニティ2.0 ~長く愛されるスクール型オンラインコミュニティの教科書~」。約2時間に渡って行われたセミナーには、サロンオーナーの染谷昌利さんが考える、「未来を生きるコミュニティ」を作るためのエッセンスがたっぷり詰まっていました。

セミナー会場「Basis Point」について

セミナー会場は、コワーキングスペース・貸し会議室の「Basis Point」。「Basis Point」では、新橋・五反田・神保町・池袋・上野・横浜にそれぞれ拠点を構え、落ち着きのある大人な雰囲気の漂うスペースを用意しています。集中して仕事をしたい人、特別なセミナーや集まりに利用したい人にはピッタリな場所です。

変化・進化していくコミュニティ「2.0」とは何か

コミュニティ=共同体とは、共通の意識を持って生活を営む、地域や人々・集団を指す言葉です。コミュニティは過去から現在まで、さまざまな姿で存在してきました。染谷さんは、インターネットの発展を通じてコミュニティが「1.0」から「2.0」へ変化を遂げてきたのだと言います。

コミュニティ1.0の中心にあったのは「アナログ」。サークルやPTA、自治会など、現実社会での人の集まりがその代表例です。それに対し、コミュニティ2.0では「デジタル」、つまりオンライン上でのつながりが生まれました。

コミュニティの舞台は、SNSやLINE@、オンラインサロンなどに移り、人々はインターネットを通じて、時間や場所の制約を受けることなくつながることができるようになったのです。

コミュニティがビジネスを成功に導く

コミュニティは人々のつながりを強くするだけでなく、ビジネスモデルという観点でも、非常に心強い存在です。

例えば、企業や特定のサービスが掲げる目標・理念に共感する人々でコミュニティを形成したとしましょう。この時、彼らは企業・サービスに対する根強いファンと考えることができます。このようなコミュニティを持てば、新規顧客を獲得する手間とコストを大幅に削減できるだけでなく、新しい商品やサービスを世に出す際にも、失敗リスクや損失への不安を最小化することができます。

つまり、商品やサービスへの賛同者によるコミュニティを形成することが、そのまま優れたマーケティングとして機能するのです。

こうしたコミュニティの力で成功したのが、キャッシュレス時代に合わせて設計された、コンパクトな革財布『PRESSo』です。この『PRESSo』は、クラウドファンディングで資金調達を行いましたが、商品コンセプトと丁寧なモノづくりにプロジェクトの賛同者はどんどん増え、30万円を目標額に動いたクラウドファンディングは、結果として700万円以上の資金を集めることに成功しました。

有名人じゃなくてもいい!コミュニティ形成に必要な3ステップ

「コミュニティが重要ということはよくわかった。でも、コミュニティを作れるのは、一部の有名人だけでは?」という疑問を抱く人も多いでしょう。この疑問に対して染谷さんは、現時点で有名ではない人でも、コミュニティを作ることができる3つのステップを提唱しています。

1つ目は、自分のコミュニティで伝えたいメッセージを掲げること。コミュニティをやる理由(理念)、主宰者はどんなサービスを提供できるのか(独自性)、コミュニティに入ることで得られる価値(期待感)、コミュニティの参加者と目指す未来(ビジョン)、コミュニティの解説(参加イメージ)といった要素を元にメッセージを作り上げ、それをブラッシュアップさせていくことで、コミュニティへの賛同者を集めるきっかけにします。

2つ目は、コミュニティの存在を知らしめること。「こんなに面白い場所があるんですよ!」と、絶えず情報発信を続けることこそが、現代のマーケティングのあり方です。

3つ目は、コミュニティメンバーが居心地のいい場を、提供し続けること。ここでは自分の存在を否定されないという安心感を得られる環境、ここにいることで成長ができると実感できるような環境、それぞれをしっかり整えることが大切です。

染谷さんは3年間、自身が主催するオンラインサロン「ギガ盛りブログ飯」で、この3つのステップを意識したコミュニティ運営をしてきました。

このオンラインサロンが掲げるメッセージは、「情報発信力を鍛えて、自分のステージを上げよう」というもの。このメッセージを、ブログやセミナーなどで、オープンに発信してきました。そして、サロン内では上質な情報の交換と、フランクに質疑応答ができる環境を整えつつ、出版などの依頼が発生した場合は、広くサロンメンバーにビジネスチャンスを共有するなど、「成長を実感できる場」を提供し続けています。

多彩な軸から独自性とコミュニティの価値を創り出す

コミュニティの形成で欠かせない「独自性」を作る方法として、染谷さんはあの有名なウサギと亀の寓話を引き合いに出します。この寓話では、足の速いなまけ者のウサギが、コツコツ歩く足の遅い亀に、かけっこで負けてしまいます。

このお話、もしもウサギがものすごく勤勉だったらどうでしょうか?亀の勝ち目はほぼ0ですよね。しかし、水中で勝負をすれば、亀が勝てる可能性は格段に高くなります。これと同じように、私たちも自分が得意とする独自性の高い分野で力を発揮すればいいわけです。

ですが、いろいろ趣味があるものの、「これなら誰にも負けない!」と言えるほど突出しているものがないという人も中にはいるでしょう。染谷さんは、そんな悩みを解消する方法として、特定の1つの分野「だけ」で勝負するのではなく、それを軸にして複数の要素を「組み合わせる」ことで独壇場を作ることが大切だと説明してくれました。

多彩なキャリアを持つ染谷さんは、かつて採用担当としてある企業の人事部に所属し、また別の仕事では地方創生やアイドルのプロモーションにも関わってきました。そして、最近はパーソナルトレーナーの指導を受けていて、筋肉のことにも詳しくなったということで、「情報発信」という軸の上に、これだけの要素を組み合わせることができます。

10年、20年生きていれば、誰しも様々な経験をします。それらを1つ1つ掘り起こしてみれば、今まで思いもつかなかった要素を組み合わせることができる。それこそが、独自性を持ち、参加する人にとって価値のあるコミュニティを生み出すことにつながるのです。

この話を聞きながら、筆者自身も「カメラ、国内旅行、酒……」とこれまでの経験・趣味を羅列してみました。きっと皆さんの中にも、現時点で楽しんでいることの他に、ホコリをかぶって眠っている経験があるはず。ペンとノートを片手に、探してみてください。

4種類のコミュニティのタイプから、自分の運営スタイルを考える

コミュニティはすべてが同じではなく、提供されるコンテンツや運営方法で、大きく4つのタイプに分類できます。

1つ目は、スクール型。これは先生としてメンバーを育てていく「先生型」と、一緒に勉強していこうという「先輩型」の2種類のタイプがあります。染谷さんの「ギガ盛りブログ飯」は、このタイプです。

2つ目は、メールマガジン型。これは大量のコンテンツを、日々メンバーに発信していくタイプです。

3つ目は、ファンクラブ型。これは、YouTuberやアイドルなど、有名人のファンクラブに近いタイプです。

4つ目は、体験・参加型。これは、メンバーが協力して、イベントやプロジェクトに取り組むタイプで、メンバーはより強い一体感を味わうことができます。堀江貴文さんが運営するHIU(堀江貴文イノベーション大学校)は、この体験・参加型に当てはまります。

一緒に成長していきたいのか、とりあえずワイワイ何かをやりたいのか、自分の提供するコンテンツで喜んでほしいのか…コミュニティの目的に合わせて、運営スタイルを変化させる必要があります。

コミュニティリーダーはポンコツでいい

コミュニティに集まったメンバーを束ねる、コミュニティリーダー。将来的に運営スタッフを増やすことになっても、最初は1人です。染谷さんは、現代に求められるコミュニティリーダーは、メンバーの一歩先を歩き、意欲や努力の姿を見せる存在だと言います。

しかし、そこで求められるのは、優秀でバリバリ周りを引っ張る存在ではなく、むしろ「万能じゃない」ところがある存在でいいのだそうです。これはどういうことでしょうか?

事実、染谷さん自身も、人の名前や人との会話を忘れてしまい、奥様によく怒られてしまうそうです。しかし、そういうダメな部分を隠さないことで、リーダーとメンバーの距離感が近くなり、質問や会話が生まれやすい対等な関係性を築くことができるんだとか。さらに、状況によっては「ファッションはこの人に教えてもらおう」「懇親会の幹事はこの人にお任せしよう」など、時と場合によってリーダーが入れ替わることも多いそうです。

また、コミュニティが直面する大きな問題が「リーダーの神格化」。コミュニティが作られてから時間が経つにつれ、古参と新人、リーダーに近い人とそれ以外という形で派閥が生まれ、次第にコミュニティ全体がギクシャクしていきます。染谷さんが端的に「キモくなる」と表現したこの状況は、リーダーが完璧でないということをあえて示すことで防げるのだと言います。

コミュニティが終わる理由から考える、リーダーがやるべき2つのこと

これまで説明があったように、コミュニティはリーダーがポンコツでも、ちゃんと成立しますし、知名度がなくても、独自性のある軸を元にコミュニティを作れば人は集まります。しかし、コミュニティの衰退を防ぐために、コミュニティリーダーには果たさなければならない重要な役割があります。

① コンテンツ不足を防ぐ

コミュニティが自然消滅していく背景には、「コミュニティにシェアするネタが枯渇していく」ことにあるといいます。実際、染谷さん自身も日々のネタ探しで、かなり苦労しているそうです。これを解決する方法は、継続的なインプットしかありません。

インターネット界隈に限らず、業界では誰もが知る有名人であっても、別の集まりでは一転、誰もその人を知らないということはよくあります。1つの居場所にいるのは、とても居心地がいいものですが、リーダーには、そこから一歩外に出て新たな経験値を獲得することが求められるのです。

②コミュニティ内のトラブルに対応する

コミュニティで起こる人間関係のトラブルや、コミュニティにふさわしくないメンバーを放置する、入会時や退会時にムリヤリな勧誘をする…こうした状態を放置すると、確実にコミュニティは崩壊へ向かいます。

コミュニティというのは、常に同じ状態ではなく、自然と人が入れ替わるものです。その中で起こるトラブルに毅然と対処する、情報発信を続けつつも人の出入りを無理にコントロールしない、リーダーにはこうした対応が求められているのだと染谷さんは教えてくれました。


セミナーの締めとして、染谷さんは「参加者が自分の意思で行動を決めることができるのが、いいコミュニティだ」と語りました。

染谷さんはオンラインサロン「ギガ盛りブログ飯」を作ったことで、個人では時間がなくてできなかった仕事をメンバーに提案したり、メンバーの方々にセミナー講師をしてもらったりと、活動の幅が大きく広がったといいます。

「リーダーは、自分の理念に共感してくれたメンバーと、好きなことをすればいい」、「メンバーはコミュニティに共感し、かつお金を払っているという立場で、ルールの範囲で好きなことをすればいい」

コミュニティの運営やリーダーのあり方には、個人が稼ぐ時代に誰もが考えるべき、「できること・好きなことを軸に、どうやってビジネスを作るか」という課題への答えが、たくさん眠っていました。

染谷昌利 - 情報発信者養成コミュニティ「ギガ盛りブログ飯」 - DMM オンラインサロン
染谷昌利 - 情報発信者養成コミュニティ「ギガ盛りブログ飯」 - DMM オンラインサロンこれからの時代、自分自身で仕事を創り出したり、会社に頼り切らない生き方が求められます。そのためには情報発信力が重要です。セミナーで学び、FBグループで交流をはかりながら個のスキルを一緒に伸ばしていきましょう。
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