国民年金保険料が未納時のデメリットとは?支払い方法や免除制度をご紹介

著者名SJ
国民年金保険料が未納時のデメリットとは?支払い方法や免除制度をご紹介

20歳になると加入が義務付けられる国民年金保険。勤務先で厚生年金保険に加入していない20歳~60歳の全ての人が加入するものとされ、現在の保険料は毎月16,410円です。決して安い金額ではない上、年金制度の将来の見通しが不透明なこともあり、支払っていない人もいるかもしれません。

今回は、国民年金保険料が未納だとどうなるのかを説明し、納付しなかった分を後から納める方法や、支払いが難しい場合に利用できる免除や猶予の制度もご紹介します。

国民年金保険料が未納だとどうなるの?

国民年金保険料を一定期間以上未納にしていると、最終的には財産を差し押さえられる可能性があります。滞納している場合に取られる手続きの流れをまとめると、以下のようになります。 

納付督励

最初は、はがきの催告状、または電話や戸別訪問を通して、保険料を自主的に納めるように促されます。

 

特別催告状

それでも支払わないでいると、次に特別催告状という書類が封書で届きます。特別催告状には、支払い期日が明記されており、この期日を過ぎると財産を差し押さえる場合があるということも書かれています。

特別催告状は数回届くのが一般的で、最初は青い封筒、二通目が黄色(届かない場合もあります)、三通目は赤と、段階を追って色が変わります。赤が最終段階という位置づけで、青と黄色の封書とは内容が異なり、無視していると強制執行の準備に入るということが書かれています。

 

最終催告状

特別催告状を受け取っても何もしないでいると、市町村経由で未納者本人や世帯主、配偶者などの所得が調査され、一定以上の所得がある場合には最終催告状が送付されます。 

これを受け取っても無視していると、強制執行の段階に進んでしまいます。この段階では、あらためて電話や戸別訪問で納付の意思確認をされます。

 

督促状

ここまでの納付督励を受けても支払いを行わず、減免などの手続きも行わない場合、督促状が送られてきます。これは、本人だけでなく連帯納付義務者とされる世帯主や配偶者にも届きます。督促状の期限を過ぎると延滞利息が発生するため、支払うべき金額が増えていきます。

 

差し押さえ予告通知書

督促状に対して本人や連帯納付義務者が対応しない場合、財産調査が行われます。給料や銀行預金の他、不動産や自動車など、換金可能な資産がすべて対象になります。この調査が終わると、差し押さえ予告通知書が届きます。

 

財産差し押さえ

差し押さえ予告通知書が届くと、その後は預貯金からの強制徴収や口座凍結などによって予告なく財産が差し押さえられます。 

現時点では、差し押さえの対象になるのは控除後年間所得が300万円以上かつ未納期間が7か月以上の人とされていますが、この基準は年々厳しくなっていますので、所得がこれに満たない人も気を付けておきましょう。 

国民年金保険料の未納率

厚生労働省によると、2018年の国民年金保険料の納付率は68.1%でした。つまり、未納率は3割を超えているということになります。それでも、納付率は2011年に過去最低の58.6%を記録した後、7年連続で改善が続いており、納付率68.1%は、2002年以降では最高水準です。(参考:厚生労働省 平成 30 年度の国民年金の加入・保険料納付状況 

ただし、納付率の計算では国民年金保険料の納付を免除されている人や猶予されている人が除外されているため、実質的な納付率はわずか40.7%です。(参考:日本経済新聞

国民年金の加入者のうち、免除や猶予を受けている人の割合は39%を超えており、実際に納付している人は半分強の51.6%にとどまります。そして、残りの10%弱が未納者となっています。(参考:厚生労働省 平成 30 年度の国民年金の加入・保険料納付状況

国民年金が未納だとこんなデメリットが!

では、国民年金保険料を納めないとどうなるのでしょうか。実はデメリットは一つだけではありません。一つ一つ詳しく見ていきましょう。 

年金受給額が減る、または貰えない

まず、将来受給できる年金の額に影響します。未納の分だけ受給額が減るという漠然としたイメージをしている人も多いかもしれませんが、全くもらえなくなってしまう可能性もあります。

年金を受け取るには、納付済みの期間と免除や猶予の期間の合計が10年以上であることが条件になります。この条件を満たして初めて、納付した額に応じた年金を受け取ることができるという仕組みになっているので、未納期間が長くこの条件を満たせていない場合は、全く年金を受け取ることができません。 

国民年金の加入期間である20歳から60歳までの40年間、もれなく保険料を納付すると、65歳から満額(2019年度で年額約78万円)の老齢基礎年金を受給できます。納付期間が減るに従ってこの額も減りますので、例えば、納付済み期間が20年間だとこの半分、10年間だと四分の一の額しか受給できないということになります。

障害年金が貰えない

一般に「年金」と呼ばれているものは、上述した「老齢基礎年金」のことですが、年金にはこれ以外にもいくつか種類があり、その一つに障害年金と呼ばれるものがあります。障害年金とは、病気やケガによって障害の状態になった場合に受給できるもので、該当する場合には20歳から受け取ることができます。

障害年金を受給するためには、それまでの加入期間の3分の2以上の期間について、国民年金保険料を納付済みまたは免除されていること、或いは、直近1年間に未納がないことが条件となります。

事故などで障害を負って働けなくなってしまった場合にとても頼りになる制度ですが、未納の期間が加入期間の3分の1以上と長い場合や、直近1年以内に未納期間がある場合には、受給資格がなくなってしまいます。

遺族年金が貰えない

遺族年金は、家族を養っていた人が亡くなった時に、遺族(遺族基礎年金の受給対象者は、子どもまたは子どものいる配偶者)に支給されるものです。

障害年金と同様、それまでの加入期間の3分の2以上の期間の国民年金保険料を納付済みまたは免除されているか、直近1年間に未納がないことが条件となります。

誰しもいつ事故に遭ったり病気になったりするかわかりませんので、加入期間の3分の2以上を満たすように納付か免除手続きを行うのがよいでしょう。

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国民年金保険料を未納していないか確認する方法

日本年金機構が提供している「ねんきんネット」というサービスを使えば、オンラインでいつでも自分の年金情報を確認できます。未納の期間がある場合には、いつの分が未納なのか確認することができます。

ただし、ねんきんネットを利用するには登録が必要になります。登録にあたっては、まず年金手帳や年金保険料の納付書などで自分の基礎年金番号を確認しましょう。また、毎年自分の誕生月に「ねんきん定期便」というはがきが送られてきますが、これに書かれているアクセスキーがあると登録がスムーズです。アクセスキーがない場合は、住所などを入力して、後日IDが送られてくるのを待つ必要があります。

基礎年金番号がわからない人は、勤務先に聞く、勤務先の無い人は「ねんきん定期便」を手元に用意して専用ダイヤルに問い合わせる、または、年金事務所で本人確認を受けて照会する、といった方法で基礎年金番号を知ることができます。

国民年金の未納分の支払い方法

もし未納の期間があった場合でも、支払期限から2年以内であれば後から支払いを行うことができます。なお、以前は過去5年間の未納分を遡って納付できる「後納制度」というものがありましたが、この制度はすでに終了してしまったため、未納分を後払いできるのは過去2年分のみとなりました。

国民年金保険料の追納制度について

未納でなく、手続きを行って免除や猶予を受けていた期間の国民年金保険料は、過去10年まで遡って後払いすることができます。この制度を「追納」と言います。ただし、免除や猶予を受けた期間の翌年から3年目以降に追納する場合には、経過した期間に応じて加算額を支払う必要があります。

どこで支払う?

未納分を納付期限後に支払う場合、もとの納付書を使って納付することができます。納付書には「支払期限」と「使用期限」が記載されており、通常は使用期限が支払期限の2年後になっています。この使用期限までの間であれば、支払期限を過ぎていても納付できます。

免除や猶予を受けていた分を追納する場合には、年金事務所で申込書を記入し、承認を経て専用の納付書を発行してもらう必要がありますので、まずは管轄の年金事務所に問い合わせましょう。

分割できる?

追納できる期間が長い場合、全額を一度に支払うのは難しいですよね。追納は1か月単位で可能ですので、負担にならない範囲で少しずつ支払うといいでしょう。

国民年金の未納分の時効とは

国民年金保険料の未納には2年の時効が定められています。時効が成立すると後から納付することができなくなりますので、その期間分は未納という状態で確定し、その分将来受け取る年金額が減ることになります。      

国民年金を払えない場合の制度

収入が少ない時期には年金保険料を納めるのが難しくなります。こうした場合には、放置して未納にしてしまうのではなく、手続きを行って免除や猶予を受けておきましょう。免除や猶予を受けておけば、その期間は受給資格期間として算入してもらえますし、10年以内なら後から追納することで年金給付額を増やすこともできます。 

免除制度

本人・世帯主・配偶者の前年の所得が一定額以下の場合に、年金保険料の全額、4分の3、半額、4分の1のいずれかの納付を免除してもらえる制度です。全額免除を受けた場合、その期間分の老齢年金については満額の半分を受け取ることができます。一部免除の場合はその割合に応じて満額の8分の58分の68分の7と、さらに受給額が増えます。 

(参考:日本年金機構|国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

 納付猶予制度

50歳未満の加入者で、本人と配偶者の前年の所得が一定額以下の場合に、納付を猶予してもらえる制度です。納付猶予を受けた期間は、老齢年金や障害年金、遺族年金を受け取るために必要な受給資格期間に算入されますが、猶予期間分の老齢年金は支給されません。これは、あくまでも「猶予」であり、後に追納することを期待した制度であるためです。

(参考:日本年金機構|国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

特例免除制度

失業した場合にも、年金保険料の納付免除の申請を行うことができます。通常の免除制度と同様に所得審査が行われますが、失業による特例免除の場合には、本人の所得審査が不要となり、世帯主と配偶者の所得のみが審査対象となります。

(参考:日本年金機構|国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

学生の場合

学生の場合には、在学中の年金保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が利用できます。

 (参考:日本年金機構|国民年金保険料の学生納付特例制度

学生納付特例制度

学生で扶養家族がいない場合、アルバイトなどによる本人の所得が118万円までであれば、「学生納付特例制度」で年金保険料の納付を猶予してもらうことができます。学校で手続きができる場合もありますので、詳しくは学校の担当者に確認してみてください。 

生活保護を受けている場合

生活保護を受けている場合は、生活保護受給期間中の年金保険料の納付を免除される「法定免除」制度の適用を受けることができます。 

法定免除を受けた期間分の老齢年金は、満額の半分を受け取ることができます。また、過去に法定免除の要件に該当していた場合、その期間分の納付額については返還を受けることもできます。

この制度の適用を受けるためには、生活保護受給証明書を添えて届出が必要です。

(参考:日本年民機構|国民年金保険料の法定免除制度

 

国民年金保険料を納付しないでいると、将来もらえる年金が減るだけでなく、障害年金や遺族年金といった「もしも」の時の社会保障を受けられなくなってしまう可能性があります。経済的に納付が難しい場合には、免除や猶予の申請を行い、受給資格を得られる期間を満たすようにしておきましょう。

何の手続きをせず未納にしてしまった国民年金保険料は、支払い期限後2年を過ぎると納付できなくなってしまいますので、心当たりのある人はすぐにねんきんネットで納付状況を確認してみるのがいいでしょう。

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