国民年金と厚生年金の違いとは?年金切り替えのタイミングも解説!

著者名SJ
国民年金と厚生年金の違いとは?年金切り替えのタイミングも解説!

あなたは、国民年金と厚生年金、どちらに加入していますか?「厚生年金」という答えが浮かんだあなたは、要注意!公的年金のしくみを勘違いしている可能性大です。この記事では、誤解されがちな国民年金と厚生年金の違いを解説し、切り替えのタイミングや手続きの方法などをご紹介します。年金制度は、生涯にわたって付き合っていかなければいけない大事な存在です。この機会に正しく理解しておきましょう。

国民年金と厚生年金の違いをわかりやすく解説

日本の公的年金は「2階建て」というたとえを聞いたことがある人も多いと思いますが、国民年金がその1階部分、厚生年金が2階部分にあたる制度です。1階部分なしで2階だけの家が存在しえないように、国民年金なしで厚生年金だけに加入するということはありません。したがって、厚生年金に加入している人は、同時に国民年金にも加入しているのです。

年金制度のざっくりとした構成がつかめたところで、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。 

国民年金とは

国民年金とは、基礎年金とも呼ばれるもので、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入するものです。保険料の額は年度ごとに定額で定められており、2019年度の保険料は月額16,410円となっています。

保険料の納付期間は20歳から59歳までの40年間で、この期間のすべてで保険料を納付した場合、65歳から亡くなるまで、毎月65,000円の年金を受給することができます。一方、納付の猶予を受けた期間や未納の期間がある場合には、その分受給額が減ります。

厚生年金とは

厚生年金とは、会社員などが国民年金にプラスして加入するもので、保険料は給料の額に応じて決まります。保険料率は一律18.3%ですので、各加入者の保険料は、基準となる時期の給料にこの料率を掛けて算出します。 

ただし、厚生年金は「労使折半」といって、加入者個人と勤務先が半分ずつ負担しますので、個人が負担するのは18.3%の半分の9.15%となります。こうして加入者と企業が厚生年金に納めた額の中からまとめて国民年金に拠出金が支払われますので、国民年金保険料を別途負担する必要はありません。

保険料の納付期間(加入期間)は就職から退職までと定められていますので、20歳未満で就職した場合にはその時点から保険料を納め始めます。受給開始年齢は従来60歳と定められていましたが、現在は段階的に受給開始年齢の引き上げが行われており、男性の場合は2025年、女性の場合は2030年以降、受給開始年齢が65歳になることが決定しています。

受給額は加入期間と給料に応じて決まるため人によって違いますが、例えば加入期間が40年でその間のボーナス込みの平均月収が42.8万円の場合、国民年金6.5万円+厚生年金9.1万円で、合計15.6万円を毎月受け取ることができます。

(参考:厚生労働省|いっしょに検証!公的年金

国民年金と厚生年金の違い まとめ

ここまでで説明した国民年金と厚生年金の違いを表にまとめると、次のようになります。

二つの年金の一番大きな違いは、国民年金は全員加入、厚生年金は会社員などが追加的に加入するもの、という部分です。また、国民年金の保険料が定額で受給額の満額も決まっているのに対し、厚生年金の保険料は定率のため、収入が多い人ほど多くの保険料を納め、その分多くの年金を受給できるという仕組みです。

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その他の年金について

ここまでで説明した「国民年金」と「厚生年金」が日本の公的年金制度ですが、この他にも「年金」と名前のつく制度がありますので、一つ一つ見ていきましょう。

 

企業年金

企業年金とは、企業が任意で設立する私的な年金制度です。企業年金制度のある企業に務めている人は、国民年金と厚生年金に上乗せして企業年金に加入することで、老後の備えをさらに手厚くすることができます。

企業年金には確定給付企業年金、確定拠出年金、厚生年金基金、中小企業退職金共済種類などが色々な種類があり、対象者や掛金、受給額、税制上の扱いもそれぞれ異なります。自分が企業年金に加入しているか知りたい人は、勤務先に詳細を確認してみましょう。

 

遺族年金

遺族年金とは、国民年金や厚生年金の被保険者が死亡した時に、その人によって生計を維持されていた遺族が年金を受け取ることができる制度です。国民年金の被保険者が対象の「遺族基礎年金」と、厚生年金の被保険者が対象の「遺族厚生年金」があり、両方の受給要件を満たす場合には両方の制度から年金を受給することができます。遺族基礎年金は、原則18歳までの子のある配偶者または子自身が受給対象ですが、遺族厚生年金は子のない妻や55歳以上の夫、父母、祖父母も対象となります。

遺族基礎年金は定額で、子のある配偶者が受給する場合、780,100円に加えて、対象となる子の人数に応じた加算額を受け取ることができます。子の加算は、第1子・第2子については各224,500円、第3子以降は74,800円です。遺族厚生年金の受給額は、死亡した人の収入や納付期間に応じて決まります。

確定拠出年金

「確定拠出年金」には企業型と個人型の2種類があり、iDeCo(イデコ)と呼ばれる個人型の確定拠出年金には、会社員の他に自営業者や学生、専業主婦なども加入することができます。60歳から受給でき、年金としての分割受け取りのほか、一時金として一括での受け取りも可能です。 

掛金には職業別の上限が定められていますが、下限の5,000円以上であれば1,000円単位で自由に設定することができます。また、税制上のメリットも大きいので、手軽に始めることができるでしょう。

ただし、iDeCoは積み立てられた掛け金を自らが金融商品で運用し、60歳以降に掛け金と運用益を合計した金額を受け取ることができる仕組みのため、運用次第では元本割れの危険もあります。また、会社員で企業型確定拠出年金に加入している場合には、iDeCoに加入できないこともありますので注意してください。

 

共済年金

共済年金とは、公的年金の2階部分の公務員向けの制度で、簡単に言うと公務員が加入する厚生年金です。ただし、共済年金は2015年の制度改革で厚生年金と一元化されたため、現在は共済年金という制度はなくなりました。

共済年金は厚生年金よりも保険料率が低く、その他にも共済年金特有の制度があったため、共済年金制度を通して公務員が優遇されている実態がありましたが、この一元化によって会社員と公務員の保険料率が統一されるなど、公平性の確保が図られた格好です。

国民年金厚生年金の切り替え

国民年金は全員加入ですが、厚生年金は就業形態によって加入の要否が異なりますので、二つの年金の切り替え手続きが必要な場面があります。

国民年金の被保険者は大きく第1号、第2号、第3号の3種類に分かれます。第1号は自営業者とその家族、学生、無職の人などで、第2号が厚生年金加入者である会社員や公務員、そして第3号は第2号被保険者に扶養されている20歳~59歳の配偶者で年収が130万円未満の人を言います。基本的には、この3分類の間を移動する時に切り替え手続きが必要になります。

切り替えが必要なタイミング

それでは、具体的にどういった場合に切り替えが必要なのでしょうか。代表的な事例を詳しくご紹介します。

 

就職・転職したとき

まずは、新たに企業などに就職した時や転職した場合です。就職する前は厚生年金に加入していない状態ですので、就職のタイミングで厚生年金への切り替えを行うことになります。

転職の場合は、元の勤務先の退職日と転職先への入社日の間が1日でも空く場合、間の期間分は国民年金への切り替え手続きが必要です。

 

結婚したとき

結婚して配偶者の扶養に入る場合にも、年金の切り替え手続きが必要な場合があります。例えば、結婚して妻が夫の扶養に入る場合、結婚した時点で夫が第2号被保険者(会社員や公務員)であれば、妻は国民年金の第3号被保険者となり、夫の加入している厚生年金から妻の保険料が支払われることになります。そのため、結婚前に妻が自分の勤務先で厚生年金に加入していた場合、結婚を機に国民年金へ切り替える必要があるのです。

 

退職したとき

企業などで働いていた人が退職した場合には、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。原則、退職日の翌日から14日以内に国民年金に加入する手続きを行わなければいけません。

 

個人事業主になったとき

企業などで働いていた人が個人事業主として独立した場合、自営業者にあたる個人事業主は第1号被保険者となり厚生年金には加入できませんので、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。退職した場合と同じで、会社を辞めた日の翌日から14日以内に国民年金への加入手続きを行いましょう。

 

配偶者の収入が130万円を超えたとき

3号被保険者(厚生年金の加入者に扶養されている配偶者)には資格要件があり、年収が130万円を超えると第3号被保険者としての資格を喪失してしまいます。例えば、夫が会社員で妻がその扶養に入っていた場合、妻がパートの仕事を始めて1年間の収入が130万円を超えると、夫の扶養を外れて自分の勤務先で社会保険に加入しなければならなくなります。そのため、このような場合には、妻が国民年金から厚生年金へ切り替える形になります。 

切り替えの手続き

切り替えの手続きは、国民年金から厚生年金へ切り替える場合と、厚生年金から国民年金へ切り替える場合で異なります。

 

 国民年金から厚生年金への切り替え手続き

国民年金から厚生年金へ切り替えるということは、勤務先の厚生年金に新たに加入するということですので、勤務先を通して手続きを行います。一般的には、年金手帳を勤務先に提出すればあとは会社が対応してくれます。

 

厚生年金から国民年金への切り替え手続き

厚生年金から国民年金に切り替える場合、厳密には、厚生年金の脱退と国民年金への加入という2つの手続きを行うことになります。このうち厚生年金の脱退手続きは勤務先が行いますので、個人での手続きは不要です。国民年金への加入については、退職日の翌日から14日以内に、居住地の市区町村役場に行って自分で手続きを行う必要があります。手続きには、年金手帳、離職票、免許証などの書類が必要です。

年金の切り替えに関する疑問を解決

最後に、年金の切り替えに関するよくある疑問を解消しておきましょう。

切り替えたのに納付書が送られてきたけど払うべき?

国民年金に加入していた人が新たに就職し、厚生年金に切り替えた場合、切り替えの時期によっては、行き違いで国民年金の納付書が送られてくる場合があります。

 この場合、素直に納付してしまうと重複納付となり、後で還付の手続きを行わなければいけなくなります。そのため、就職した時は自分の居住地域を管轄している年金事務所に厚生年金への切り替えを行ったことを伝え、手続き状況を確認してもらうのがいいでしょう。 

切り替えるのを忘れてしまったときはどうすればいい?

厚生年金から国民年金に切り替える場合、厚生年金の資格喪失から14日以内に自分で役場に行って手続きを行う必要があります。手続きが遅れても罰則はありませんが、厚生年金の資格喪失日からの国民年金をまとめて納付することを求められますので、予想外の出費になることもあるでしょう。また、後からさかのぼって支払いを行えるのは過去2年分のみで、2年を過ぎると未納となってしまいます。

厚生年金から国民年金への切り替えは忘れてしまうことも多いですが、切り替え忘れに気づいたら、速やかに役場に行って手続きをしましょう。

月の途中で切り替えた場合、保険料は日割り計算になる?

年金の加入期間は月単位とされていますので、日割り計算にはなりません。毎月の保険料は月末時点での加入先で納付しますので、例えば月の途中で退職して国民年金に切り替えた場合、その月の保険料は全額、自分で国民年金に納付することになります。反対に、月の途中で就職した場合、月末時点では会社の厚生年金に加入していることになりますので、その月の保険料は、全額を会社経由で厚生年金に納めることになります。

このため、短い離職期間を空けて転職する場合で、退職日と転職先への入社日が同じ月の場合、または月末に退職して翌月中に入社する場合は、離職している期間の国民年金への加入手続きは必要ですが、その期間分の国民年金への支払いは不要となります。 

基礎年金番号は切り替える前と同じ?

基礎年金番号は1人に1つが原則ですので、切り替え前後で変わることはありません。

なお、1996年までは、国民年金、厚生年金、共済年金の3つの制度ごとに年金番号が決められていたため、転職などで従来とは別の年金制度に加入した場合には、切り替え時に番号が変わっていました。しかし、年金に関する処理の簡略化のため、1997年から全ての公的年金制度で共通の基礎年金番号を用いるようになっています。

  

今回は、国民年金と厚生年金の違い、そして切り替えの時期や方法を詳しくご紹介しました。転職や結婚、配偶者の収入の増加など、二つの年金の切り替えが必要な場面は意外とたくさんあります。うっかり切り替え手続きを忘れて年金保険料の納付漏れが起きないように、2つの制度の違いをしっかり押さえておきましょう。

過去に転職経験のある人で、退職日から入社日までに数日でも間がある場合、タイミングによっては、1か月だけ年金に未加入という扱いになっているケースもあります。心当たりのある人は、一度ねんきんネットなどで納付状況を確認してみることをおすすめします。

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