特別対談!アワード 3連覇を達成したMBさんが語る「サロン運営の秘訣」

著者名サトートモロー
特別対談!アワード 3連覇を達成したMBさんが語る「サロン運営の秘訣」

2020年1月18日(土)に、DMM本社で開催された「ONLINE SALON AWARD(オンラインサロンアワード)2019」。

イベントのもう一つの目玉となったのは、サロン運営に関するヒントがぎっしりつまたスペシャル対談です。登壇したのは、メンズファッション界の第一人者であり、一昨年、昨年、今年とオンラインサロンアワードで賞を受賞している「MB LABO – ファッションの集合知へ -」のオーナーでもあるMBさん。そして、DMMオンラインサロン運営スタッフ、YouTuberと多彩な活躍をしている、相澤尚孝さんのお二人です。

黎明期からオンラインサロン運営を続けてきたMBさんから、コミュニティを形成して盛り上げていくための秘訣をたっぷり聞きました。

アクティブなサロンは「部活的」である

相澤:僕は、日本で初めてオンラインサロンのプラットフォームを提供した、シナプス株式会社へ2015年にジョインしました。MBさんとのお付き合いは、その頃からですね。

MBさん(以下、MB):声をかけてくれたのって、何年前でしたっけ?

 

相澤:2016年頃だと思います。その後、シナプスがDMM.comに買収されたタイミングで、僕も転職しまして。以来、オンラインサロンの企画編集・プロデュースに携わっています。個人の活動では、「へべれけ!」というYouTubeチャンネルの運営や、地方創生の支援、シェアハウスの立ち上げをしています。MBさんも幅広く活動されてますよね。

MB:そうですね。僕は「ファッションを感覚ではなく論理で語る」というのを大きなテーマに活動しています。視覚の構造でこうしたら足が長く見えるとか、脳の仕組み的にこうしたら顔が小さく見えるとか。

ファッションってこれまで、感覚・気分で語られてきた世界なんですが、トレンド・流行にはちゃんと文脈や流れが存在して、流行る物には理由がある。そういう情報を、本やメルマガ、テレビ、ラジオと、色々な媒体で発信しています。おかげさまで、書籍は100万部を突破しました。

 

相澤:すごい!めっちゃ売れっ子じゃないですか(笑)

MB:いやいや(笑)。あと、最近はYouTubeも始めました。でも、あくまでも活動の軸はファッションで、オンラインサロンはその1つという感じです。

相澤:オンラインサロンの形態って、ファンクラブ的なものからプロジェクトがメインのものまで、色々あるじゃないですか。「MB LABO」はどんな形で運営しているんですか?

MB:すごく単純にいうと、メンズファッションの対話ができる場所作りです。女性と違って、男性は25歳を超えるあたりで服装を褒め合う会話がほぼ0になります。会話がないというのは、文化が醸成されないのと同じなんですよ。だから男性は洋服に興味を持てないし、おしゃれになりにくい。

だから、まずは「会話ができる場所を提供したい」というのが、「MB LABO」の1つの目的です。そこに、もうちょっと面白いことをプラスしていけたらと思っています。

 

相澤:確かに、昨年のアワードでもグランプリを受賞しましたし、面白そうなこともたくさんされていますよね。

MB:カジュアルな服装の選択肢が少ないせいで、男性のファッション市場はまだまだ整っていません。僕みたいに37歳でチェックのパンツを履いて、ワンピースみたいなニットを着ている人って見ないじゃないですか(笑)。なので、これがいい・悪いは置いておいて、もっと選択肢があってもいいと思うんですよ。

そこで僕は、「会員さんがオリジナルで洋服を作る」ことをサロンの1つの企画として考えました。でもただの遊びじゃ面白くないので、全国展開しているショップさんとコラボして、会員さんが考えた洋服が実際に全国のお店に並ぶというストーリーにしたんです。そうすれば、男性ファッションの文化を広げられるのと同時に、市場に求めていたけど存在しないアイテムを日本や海外に発信できるかもしれない。これってすごい面白いことじゃないですか。

これ以外にも、みんなで買い物をしたり、飲み会やオフ会をしたり。パッと思い浮かばないくらいたくさんのことをしています。

 

相澤:「MB LABO」を見ると、会員さんがめちゃくちゃアクティブですよね。

MB:多いときは、月間イベント数が30越える時もあります。もう、ほぼ毎日レベルですよ(笑)。でも、僕が参加するのは月1回くらいで、あとは会員さんだけで回している状態です。

 

相澤:この会場でもオフ会が開催されることがあるんですが、事前にMBさんに内容を質問すると、「僕わかんないんですよ」って返事をもらうことがよくあります(笑)。会員さんが自分でイベントを回している状況は、狙って作ったんですか?

MB:これは狙っています。僕はメルマガ、SNS、note、書籍で絶えず情報発信をしているので、「なぜオンラインサロンに入るのか」という疑問を払拭できませんでした。それを考え続けた結果、サロンのモデルケースって「部活」なんじゃないかと思ったんです。会員は部員で、僕は顧問。

顧問って自分は試合に出ないじゃないですか。部員たちが切磋琢磨して、試行錯誤するから部活は楽しい。それと同じで、主催者に人が集まるのもいいことだと思うけど、僕にとって理想のサロンは、会員さん同士の双方向的なコミュニケーションが成立する状態だと思っています。

だから、僕のサロンでイベントをやっても僕の周りには人が集まりませんよ。ポツンと僕1人です(笑)。

コミュニティの維持の秘訣は「オフライン」と「投げかけ」

相澤:今は「MB LABO」ですが、開設初期は「MB SALON」という名称でしたよね。この頃は一方通行的な情報発信がメインだった印象があるんですが、「MB LABO」にリニューアルしたタイミングで会員さん同士がつながる今のスタイルになりました。何がきっかけだったんですか?

MB:おっしゃる通り、「MB SALON」時代は自分の発信が中心でした。オープンから半年が経過してある程度は人が集まったんですけど、極めて労働集約的で、「なぜこのサロンをやるのか?」という疑問がありました。そこから思い切ってリニューアルに踏み切ったんですけど、明らかに今の方がいい環境だなと思います。

 

相澤:サロン会員って大別すると、「積極会員」と「消極会員」の2種類いると思うんです。これは僕らの造語なんですけど、前者はアクティブな方々で、後者は情報を見るのが専門の方々。サロンをコミュニティとして盛り上げるためには、積極会員を増やすことが肝だと思うんですが、会員の育成という意味で取り組んだことはありますか?

MB:まず、オフラインで交流する場所を意識的に増やしました。部活もそうですけど、部員同士で仲良くなると、退部しにくくなるじゃないですか。でも、オンラインだけだと関係が希薄なので、離脱しやすくなってしまうんです。

さらに、オフラインで交流する機会を増やすともう一ついいことがあって、親しくなった会員の投稿を見ると、返事を書く頻度が増えます。例えば、洋服屋さんだって、友達が働いていたらそこに行きますよね。こんな感じで、関わりがリアルに見えると、離脱しにくくなるし活動が活発になるんです。

 

相澤:最初は、MBさんが積極的に交流の機会を増やしたんですか?

MB:はい。部活も完全フリーじゃなくて、顧問が大会に向けて練習を指示しますよね。チーム同士を競わせたり、チーム全体の目的を与えたり。僕のサロンでは毎週コーディネート大会を開催していて、優勝者には賞金1万円を渡します。大会は毎月4回あるので、仮に優勝できれば2ヶ月分の会費が無料なるわけです。こういう会員さんへの刺激になるようなことは、主催者である僕が企画する。こういう意図的な刺激がないと、コミュニティはすぐ衰退してしまいます。だから、コミュニティの維持には「投げかけ」も欠かせないと思います。

 

相澤:オフラインの交流と投げかけは、両方揃っていないと厳しいですか?

MB:あった方がいいですね。オフ会や飲み会が浸透してきてからは、会員さんの主体性にある程度任せましたが、完全に手放しにはしていなくて。部活も顧問がいなくなった途端、自由度が増して盛り上がるじゃないですか(笑)。でも同時に、顧問がいることで練習に緊張感と刺激が加わります。この関係性の追求は、方向性として間違っていなかったと今でも思っていますね。

あと、開設初期から会員さんに「あだ名をつける」ことも意識しています。これは手の内を明かす感じで、本当は言いたくないですが…。

例えば、リーダーにしたい人を「ボス」と呼ぶようにすると、その会員さんは実際にボスのように動いてくれるんですよ。会社でも部長やリーダーに任命されたら、相応しいように動こうと思うじゃないですか。だから、あだ名で役割を与えるわけです。

会費とインセンティブのバランスで入会ハードルを下げる

相澤:堀江さんの「HIU」でも、会員さんの中で「自分から動かないと」っていう認識が当たり前になっていますね。会費が月額1万円というのも、その拍車をかけている感じがするんですが、実際のところどうなんでしょうか。

MB:会費は絶対関係していると思いますね。月額5,000円〜10,000円に設定すると、会員さんが自分から何かを吸収しようとしてくれます。商売っ気を考えると、値段を下げるって判断につながりやすいんですが、会員さんが主体的に動ける環境を用意したいなら、ある程度料金を高く設定することは必要じゃないでしょうか。

 

相澤:そういえば、MBさんはかなりの金銭をサロンに還元していますよね。去年のアワードでグランプリを受賞した時、優勝賞金50万円を会員さんとの飲み会に使ったんでしたっけ。

MB:そうですね。賞金に僕が自腹でプラス50万を出して、東京・大阪でサロン会員とクルーザーパーティに使いました(笑)。あれはもう、棚ぼたみたいなお金でもあったから、会員さんに還元した方がいいかなって。

 

相澤:すごい太っ腹じゃないですか(笑)。そして、「服ログ」という服に関するウェブメディアを立ち上げて、会員さんからの寄稿に執筆料を支払う仕組みもあるんですよね。

MB:はい。「服ログ」の大まかな仕組みは、自分の持っている服の感想を送ってもらい、それに対して対価を払うというものです。だから、何記事か送ると会員費をペイできるようになっています。

極端な話、男性はファッションを気にしなくても死なないじゃないですか(笑)。毎日をより豊かにするものとしてファッションは存在している。だから少しでもオンラインサロンのハードルがあると、離脱してしまうんですよね。

主体的に動いてもらうため、会費はある程度高めに設定してはいますが、同時に出来るだけたくさんの人に楽しんでもらうために、入会のハードルを下げる仕組みも用意しています。

この「服ログ」もそうですし、冒頭に紹介した洋服販売の企画で収益を得ている会員さんもいますね。このほかにも、入会のハードルを下げられるような企画を計画中です。

あらゆるハードルを下げて、学生から社会人まで楽しめるような仕組みづくりをしたいです。こういう活動が、メンズファッションの文化の醸成に役立つと思っています。

 

相澤:これだけ色々な仕組みが揃っていれば、安心感がありますね。オンラインサロンに詳しくない人も、「入会してみようかな」と思える気がします。

MB:もちろん、主催者が損をする運営は意味がないので、同時に黒字化の方法も模索しています。その上で、入会のハードルを下げるのは、顧問であるサロンオーナーの義務じゃないでしょうか。

 

相澤:めっちゃいい話ですね。

MB:でしょ(笑)?

逆算した「教育構造」からメディアを運営する

相澤:MBさんは、ブログは月間100万PV、メルマガも堀江貴文さんと並ぶ登録数があり、最近始めたYouTubeもチャンネル登録者数が13万人突破と、どのメディア運用も成功していますよね。こうした外部メディアとオンラインサロンとは、それぞれどう住み分けているんですか?

MB:僕はメディア運用において、教育構造を意識しています。今僕が運用しているのは、ブログとメルマガ、そしてオンラインサロンの3つ。ブログは無料で閲覧できて、メルマガは月額500円、オンラインサロンは月額5,000円といった形です。

そして、教育構造というのは、最終的にオンライサロンに入会してもらうために進ませるステップのことです。例えば、無料で見られるブログで、いきなり「オンラインサロン始めました。会費は5,000円です!入会してください!」と言っても、入会してくれる人はほぼいないじゃないですか。なぜかというと、無料でブログを見てくれている人にとっては、お金を払ってサロンに入会することのハードルが高いからです。

洋服屋と一緒ですよね。自分が店員だとして、初めて来店したお客様に、いきなり20万円のレザーライダースは勧めないじゃないですか。一番最初におすすめするのは、価格も手頃で誰でも買えるカットソーとか小物アイテムのはずなんです。そして、次回来店してくれた時に、「この前購入していただいたカットソーに合うデニムがあるんですよ」と、少し高めのアイテムを勧めてみる。さらにもう一度来店してくれたら、いよいよ20万円のレザーライダースを勧めるわけです。

つまり、皆さんの運営しているメディアの中で、「カットソーにあたるものは何か」を定義しないと、お客さんは付いてこないんですよ。僕にとってのカットソーは、ブログやYouTube、デニムはメルマガ、レザーライダースはオンラインサロンといった感じです。実際、オンラインサロンの募集はほとんどメルマガでしかやっていません。

 

相澤:オンラインサロン単体で考えてしまうと、媒体ごとの位置付けって見落としがちになるかもしれませんね。

MB:もちろん、サロンの扱い次第だとは思います。500円くらいのサロンであればやり方は変わってくるでしょう。でも、3000円くらいからは入会のハードルは上がると思います。

相澤:なるほど。Twitterはどういう位置付けですか?個人的な印象ですが、MBさんのTwitterでは価値の高いハウツーなどの情報よりも交流が生まれやすい他愛もない雑談や下ネタを頻繁に投稿することで、プチコミュニティ化を図っている印象があります。双方向的なやりとりも多くて、MBさんとの交流に慣れさせている気がしていて。

MB:Twitterに関してはほぼ遊びなので、そこまで意図していなかったです(笑)。

でも、僕ってイベント登壇やテキスト発信だけだと「怖い人」に思われがちなので、「いやいや、僕だって普通の37歳で、下ネタや居酒屋で飲むのが好きなおっさんだよ」と、自分のキャラを伝えたいという気持ちはありました。

SNS運用については、皆さんの事業の設計次第でどう扱うか決めればいいと思います。僕の場合は、今TwitterやInstagramをやめても、集客の数字はほぼ変化しない自信があります。「私はSNS向いているな」と思うなら、先ほど説明した教育構造の最初の軸に、SNSを置くのはありですよね。

 

相澤:あくまで教育構造がベースで、そこからどの媒体を使うかを考えるわけですね。

MB:まさに、その通りです。だから、「絶対にこれをしろ」っていうのはありません。相対的に判断して、これがいいなというものを決めるだけです。自分のお客さんが何を求めていて、どういう事業構造にしているのかを洗い出し、そこに必要な要素を当てはめていく。

オンラインサロンから逆算して、客観的に「この要素で戦うぞ」という設計をすることが重要だと思います。

 

オンラインサロン内の盛り上がりはもちろん、サロン外のメディア運営についても非常に戦略的に行なっているMBさん。教育構造を意識した情報発信や「会員が主体的に動ける部活的なコミュニティづくり、そして、入会ハードルを下げるためのインセンティブ設計。今回の対談には、コミュニティを作り、それを盛り上げていく仕組みづくりのヒントがいたるところに散りばめられていました。オンラインサロンの運営に関わる人は、ぜひ今回のポイントを意識してみてください!

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