精神科医でベストセラー作家の樺沢先生に聞く!若手社員のための仕事術

著者名稲垣 佳乃子
精神科医でベストセラー作家の樺沢先生に聞く!若手社員のための仕事術

社会人1年目や若手社員の多くは、新しい環境に緊張し、がんばろうと気を張りがち。できる人になるか、ならないかは最初が肝心。「樺沢塾 精神科医の仕事術」のサロンオーナーであり、また、『読んだら忘れない読書術』で15万部のベストセラーを記録した樺沢先生に、特に社会人1年目または若手社員に「必須の仕事術」を伺いました。

一番大事なスキルは「コミュニケーション能力」

──仕事において、様々なスキルの向上を提唱しておられる樺沢先生ですが社会人1年目・若手社員が一番スキルアップすべき能力はなんでしょうか?

「コミュニケーション能力です。入社するとほとんどの人は、早く仕事を覚えようと考えてたくさんのスキルを手にいれようとしがちです。しかし、根本はコミュニケーションです。実状、職場のストレスの9割が人間関係と言われています。つまり、人間関係をちゃんと作り、仕事の環境さえ整えれば、後からどんなスキルでも伸ばすことができます。まずは良好な人間関係を職場で作る。そのためにもコミュニケーションを優先してみてほしいです」

──具体的な方法を教えてください。

「挨拶。そして笑顔ですね。根本的なことですが、これに尽きると思います。挨拶プラスそのあと雑談という流れになるのですが、雑談になるとなにを話していいのかわからないということになりがちです。そこで、心理学法則のザイオンス効果というものが役立ちます」

雑談力は、会話する時間ではなく回数

──ザイオンス効果とは何でしょうか?

「日本語で言い換えると、『単純接触効果』です。人間は何回も会えば会うほど親密度が高まる・仲良くなる・信頼性が高まります。例えば、1週間に1回じっくり話すより、1日3分毎日話した方が良いということです。重要で当たり前のことなんですが、意外に疎かにしがちです。例えば夫婦でいうと、月に1回家族サービスで旅行に出かけるよりも、毎日5分でいいからお子さんや奥さんと話をした方が、コミュニケーションは深まるんです」

──回数が重要ということですね

「そうです。朝だけでもいいので、上司に挨拶をしたり、同僚や先輩に話しかけたりしてみてください。話す時間の長さは気にしないで大丈夫です。新入社員は質問するという手段もありますから、必然的に会話の回数を増やすチャンスがあります。そのチャンスを最大限に使うのも手ですね。質問をするというのは、とてもいいコミュニケーション方法だと思いますよ」

若手社員こそ「長所伸展型」で勉強するべき

──若手社員が、自己成長に向けて心がけるべきことはなんでしょうか。

「勉強をする。本を読むことが大事ですね。本は、月3冊ぐらい読んでいれば十分でしょう。1冊でもOKです。私は自己成長の方法は2つしかないと思っています。「短所克服型」と「長所伸展型」です。苦手なところを克服するか、長所を伸ばすか。人は楽しいと思うこと、好きだと思うことはいくらでも頑張れる生き物ですが、その逆の短所克服型はとても大変です。だから若手社員は、まず自分の長所を伸ばすための勉強をするのがいいでしょう。

そもそも、会社の仕事の内容を勉強するのは当たり前ですよね。自分でやらなきゃいけない仕事の専門知識とか。そうではなく、問題にぶちあたったときにどう自分で解決するかが大事。そのためにも、勉強です。早いうちから、自己投資、勉強の習慣を作り、知識を蓄積していくと、3年や5年たつと圧倒的に周りと差がつきます。客観的に自分を捉えて、問題を解決する力を早いうちから養いましょう」

 

──どういう基準で本を選べばいいですか?

 「自分と共通点のある人が勧める本を読むのがいいと思います。身近な人で構いません。あとは、リスペクトする人、メンターなどが勧める本ですね。働いていると、分からないことがたくさんあると思うんですよね。そして、インプットしたことは必ず上司や同僚に話す。読書ノートを作るのもいいと思うんですが、一番は、話すことです。職場の人や周囲も「この人は勉強しているな」と見る目が変わってくるでしょうし、また情報共有を行うことで、コミュニケーションも円滑に進みます」

「なんとなく」の部分を言語化しよう

──主宰されているサロンの中で多い相談は何ですか?

「『自分が何に悩んでいるか分からない』と悩む人が多い印象ですね。仕事を、『なんとなく嫌だ』と考えている人です。日本人は欧米に比べて、『我慢するのが美徳』と思いがちです。会社では相談できない人も多いので、新しいコミュニティに積極的に参加してみてください。自分と年齢も性別も異なる人と話す機会を設けることで、コミュニケーションスキルも上がりますし、相談相手も見つかります。人に相談することで、自分の思いや『なんとなく』の部分を言語化することが可能です。そうすると、おのずと自己理解にもつながっていくでしょう。

自己成長のためには、自己理解が必須です。どういうときに自分が楽しいと思うかを捉えること。方法は、毎日1分でも振り返りの日記を書いてみるといいでしょう。楽しかったことを3つ書く、あるいは1行だけ書くなどでも良いでしょう。自分のやりやすい方法を見つけてやってみてください」


取材当日は、サロン内で月3回発信している動画の撮影もありました。今、樺沢塾に入塾すると過去に公開された全動画(全72本、43時間)が視聴できるそうです。

自己成長のために勉強はしたい気持ちはあるけれども、仕事が忙しかったり、ほかにしたいことがあったりして、勉強時間が十分に取れない人も多いでしょう。だからこそ、生産性をあげるビジネススキルを、効率よくゲットする必要がありそうです。

樺沢紫苑 - 樺沢塾 精神科医の仕事術 - DMM オンラインサロン
樺沢紫苑 - 樺沢塾 精神科医の仕事術 - DMM オンラインサロンベストセラー作家、樺沢紫苑が教える仕事術! 『アウトプット大全』『神・時間術』『ストレスフリー超大全』のエッセンス、そして、本には書き切れなかった深い内容を「動画」で学び、「アウトプット実践」によって習慣化していきます。
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