対人関係が苦手な理由とは?シーン別、対人関係を円滑にする秘訣

著者名サトートモロー

私たちは日々、様々な人々と交流しながら生きています。その中には良好な関係にある人もいれば、少し苦手意識を感じる人もいることでしょう。決して全ての人々と良好な関係を築いていけるわけではありません。

ベストセラー『嫌われる勇気』で一躍脚光を浴びた、心理学者のアルフレッド・アドラー。彼は生前に「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」という言葉を遺しています。

では、対人関係でストレスや苦手意識を感じるのは、なぜなのか?

対人関係を良好に保つ秘訣、そして身近なシーンで苦手と感じてしまう相手とどう付き合っていくべきか、そこで必要となる能力や考え方をご紹介します。

対人関係の基本的意味や、重要な能力

そもそも、対人関係、人間関係にはどのような意味があるのでしょうか?そして私たちは、どのようにして他者と関係を持つのでしょうか?

そうした対人関係の前提となる考え方をチェックしてみましょう。

 

対人関係の意味

私たちは常に人と人の関わり合いの中で生活しています。そして対人関係というのは、コミュニケーションの最小単位である「1対1」の関係を指します。

ブリタニカ国際大百科事典では、対人関係を以下のように説明しています。

集団生活が続けられるうちに,メンバー相互の間に形成されるある特徴的な心理的関係や相互作用のパターン出典: ブリタニカ国際大百科事典

お互いに対して投げかける言葉や行為に対して、それらをどう認識し、どう反応するかは人それぞれ。日常生活で絶えず繰り返されるやり取りを通じて、私たちは相手を好きになったり、あるいは嫌いになったりします。

友好的な関係になることもあれば、敵対し対立することもあるでしょう。こうしたやり取りが発展すると、1対1だけでなく集団の社会にも影響を及ぼしていくのです。

 

私たちの対人関係は「共感の積み重ね」で成り立っていく

対人関係にはコミュニケーションが深く関わっています。その時に欠かせないのが、人間が高度に発達させてきた「共感」という能力です。

コミュニケーションというのは、大きく「言語的なもの」と「非言語的なもの」に分かれます。前者は言葉によるやりとりで、後者は言葉以外の行動によって行われるやりとりです。

私たちが相手に好感を覚えるのは、その人が何気なく口にする言葉や行動の1つ1つに「共感」を覚えるからです。共感できる行動が少しずつ積み重なることで、「この人ともっと仲良くなりたい」「もっと一緒にいたい」という気持ちが高まっていきます。

一方で相手の言動に不快感を覚える時は、その行動に「共感できない」というマイナスの感情が働いています。

この感情が積み重なれば、「この人とはあまり一緒にいたくない」「ちょっと距離をおきたい」という思いに駆られるわけです。

良し悪しは別として、こうした共感が積もり積もっていくことで、対人関係が成り立っていくのです。

 

人間関係との使い分け

対人関係と人間関係は、文脈上同じような意味合いで使われることが多いです。

しかし厳密にいうと、対人関係が個々のコミュニケーションによって成り立つ関係性なのに対して、人間関係はもう少し広い、集団・組織というまとまりでの関係性を意味していると考えられます。

2つの言葉を使う場合、たいてい私たちは「人間関係に疲れた」「人間関係にストレスを感じている」など、ネガティブな言葉とセットになっていることがほとんどです。

ここで気をつけたいのは、その疲れやストレス、苦手意識は「特定の個人に対して向けられているのか」「集団・組織といった環境全体を指すのか」ということです。

どちらの影響が強いかによって、できること、やるべきことは大きく変わってくることでしょう。

 

家族・職場・友人・恋人…シーン別で起こりがちな対人関係のストレス

家族や職場の人々、友人や恋人など、多くの人に囲まれて生きています。しかし、相手との関係性が違えば、そこに生まれるトラブルも千差万別です。ここでは、それぞれの対人関係の特徴に触れつつ、よくある「ストレス」の種類を見てみましょう。

「家族」最も近しい関係にいる存在

最も私たちに近しい存在と言えるのが「家族」です。血の繋がった両親や兄弟姉妹は、心安らぐ存在として側にいてくれます。しかし、密接な距離にいる人だからこそ感じてしまう苦手意識やストレスというのもある、ということを知って置く必要があります。

身内である家族に対して、その安心感からわがままや乱暴な言動が出てしまいます。「家族だからこそ、私のことを100%理解してくれるはず」。こうした家族への過大な期待が裏切られることで、ストレスを感じてしまうのです。

また身内に対しては、つい乱暴な言動になってしまったり、コミュニケーションが足りなくなったりすることで、対人関係が険悪になってしまうこともあります。

逆に家族の言動が共感できず、それが毎日積み重なることでイライラが募ってしまうことも。近しい関係だからこそ、細かな部分にまで目が行ってしまうのですね。

 

「職場」1日の大半を過ごす場所での対人関係

社会人になった後、ほとんどの人にとって1日の大半を過ごすのが職場です。ここでは年齢はもちろん、生まれた場所も会社に入った経緯も違う人々と一緒に仕事をします。

対人関係は学生時代よりもはるかに複雑になり、役職など職場特有の組織構造も経験することになるでしょう。

そこで感じる対人関係のストレスとは、どのようなものがあるのでしょうか?

職場の人々は、一緒に大きな仕事を成し遂げるチームです。スムーズな仕事には協力が重要になりますが、全員が同じ価値観にあるわけではありません。

「今日までにやって欲しかった仕事ができていない」

「前々から注意したことが治らない」

「上司がいつも期限ギリギリに仕事の追加を依頼してくる」

「せっかく手伝ってあげたのに、お礼の1つも言われなかった」

仕事上のやり取りでは、こうしたすれ違いが日常茶飯事で起こります。役職の違い、年齢の違い、コミュニケーション方法の違い。そして職場全体の文化や習慣とぶつかることもあるでしょう。長く過ごす場所だからこそ、1つ1つのストレスが重くのしかかってきてしまいます。

 

「友達」普段話せないことも言い合える、貴重な存在

幼馴染や学生時代や共通の趣味で知り合った人、ママ友などの友達は、家族や職場の対人関係とは違う絆で結ばれています。

普段言えないような愚痴を言い合ったり、一緒に楽しい時間を過ごしたり。共通の思い出や考えで結ばれた友達は、毎日を楽しむのに欠かせない貴重な存在です。

しかし、友達との時間は楽しい反面、ちょっとしたことでストレスを感じてしまう瞬間もあります。例えば、何らかの意見で対立した時。いつもは以心伝心でつながっているように感じる人であっても、全く同じ考えを持っていることはありません。きっかけはささいな事であっても、「なんで私のことをわかってくれないの?」という怒りやストレスを感じてしまうことがあります。

また、友達からのお出かけや外食といったお誘いに、「長い付き合いだから…」と断りきれないことで、悩んでしまう人もいます。これまでの関係や今後の関わりを意識して、なかなか断れなくなってしまうのです。

 

「恋愛」恋人は気を許した大切な存在

友人とは違う形で、相手に気を許すことができるのが恋人です。彼・彼女との対人関係は、友人や家族とも全く異なります。

会っている時も一緒にいない時も、相手のことを思うと気持ちが高ぶって、楽しい気分に浸れます。そんな幸せがたっぷり詰まった相手にも、ストレスを感じてしまうことはあるのです。

恋愛という対人関係では、「相手にもっと好かれたい」という気持ちで、無理をしてしまう人もいることでしょう。

しかし、相手の趣味や言動に合わせようとしすぎて、これではかえって疲れてしまいます。また、こうした思いは相手への依存心にもつながりやすく、相手への束縛や不安感につながります。

逆に相手への期待が過剰に働いてしまうことによって、ストレスが生まれることもあります。メールをすぐ返信してくれなかったり、デートでお金を払ってくれなかったり。恋人ならこうあるべきという気持ちで相手に接してしまう、あるいはそういう思いを押し付けられることで疲れてしまいます。

他にも、恋人に気持ちが集中しすぎてしまい、普段の生活が犠牲になってしまう人もいます。その結果、家族や友人といった他の対人関係が悪化してしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

 

対人関係を円滑にするためのシーン別の対処法

どんな対人関係にも、ストレスの原因には相手とのコミュニケーションが関係しています。それぞれのコミュニケーションが適正でなかったために対人ストレスが積み重なってしまうのです。

そこで、ここでは先ほど紹介したシーン別のストレスにどう対処すべきかを紹介します。相手とのコミュニケーションや関係性を上手に保つには、どんな心がけが必要なのでしょうか?

 

「家族」どんなに近しい存在でも他人であることを意識する

家族との関係で大前提にあるのは、「血縁関係があろうとも、家族と自分は他人」であるという考え方です。生活を共にしているので価値観や考え方は似ていますが、あくまで私たちと親兄弟は、別の人格を持っています。

相手に自分の中にある「理想の親」「理想の家族」を押し付けず、それぞれに価値観があることを理解しましょう。一緒に生活をしていると、どうしても相手の嫌なことろが目に入りがちです。逆に相手の良いところは、当然のものと受け止めがち。そこにストレスを感じるようになったら、もう一度相手の良いところに目を向けてみてください。

また、身近であるからこそおろそかになりがちな、言葉によるコミュニケーションも大切です。特にあいさつやありがとう、ごめんなさいといった簡潔な言葉だけでも、家庭の雰囲気が改善されます。

とはいえ、こうした心がけをしても相手の言動にストレスを感じてしまうこともあるでしょう。そうした時は、1人で過ごす時間を作ったり、小旅行に行ったりして、家族と距離をとる時間も上手に作ってみてください。

 

「職場」では相手と適正な距離を作れる努力を

相手の進行や仕事の仕方などは、気にしだすとキリがありません。相手に完璧な仕事ぶりを求め始めると、今度は自分自身の仕事も辛くなってしまいますし、このような状態は長続きしません。

相手は相手、自分は自分。それくらいの自然体で、無理なく仕事に打ち込んでみてください。職場全体に自分の理想を押し付け始めないよう注意が必要です。

この対処法は、上司や同僚、先輩に対して理想の自分を演じすぎないようにする点でも重要です。相手を意識しすぎると、好かれようと無理をして残業をしたり、相手の顔色をうかがって意見できなかったりしてしまいます。

コミュニケーションという点では、ありがちですが「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」が非常に役立ちます。メールと口頭での報告をうまく組み合わせることで、職場での共通認識を増やし、肝心なところで意見の衝突が起こることを少なくしてくれます。また、職場の人間からも、「ちゃんと大事なことを忘れずに報告してくれる人」という共感を得られるかもしれません。

 

「友達」との意見の対立は当然あるものだと考える

どんなに仲の良い友達でも、意見の対立は起こり得ることです。例えば、自分にとってもとても人当たりがよく、友達の多いAさんという人がいたとして、Aさんをどうしても好きになれない人というのも必ず存在します。こうした考えの違いや好き嫌いというのは、当然あるものだということを意識しておきましょう。いつも一緒の親友とでさえ、ある分野では真逆の考えをもっていることも多くあるのです。

友達や対人関係というのは、転校や引っ越し、転職などの環境の変化でガラリと変わります。今の環境が苦手という方は、「果たして今の友達は、環境が変わった後でも付き合いたい間柄だろうか」と問いかけてみてください。今の状態よりも一歩引いた客観的な視点で対人関係を見つめ直すことで、相手の良いところを発見することもあれば、もしかしたら、その関係を維持するのにこだわる必要はないと思えるかもしれません。

また、1つの関係性にこだわらず、全く違う環境に飛び込んで友達を作るのも良い方法です。とにかく、今の関係こそが絶対の正解と思わないようにすることで、ストレスの蓄積を回避することができます。

 

「恋愛」では適度な緊張と自然体が大切

恋愛という対人関係で大切なのは、適度な緊張感と自然体の状態を、バランスよく保つことです。恋人と親密になるにつれ、まるで相手と自分を同一視してしまう人がいます。そうすると、過度な束縛や期待、あるいは「相手のために」という理由でのいきすぎた奉仕などにつながり、楽しいはずの2人の時間が苦しい物になってしまいます。

大切なのはそれぞれの時間を尊重すること。友達や仕事、家族との時間を大切にすることで、他の対人関係も良好に保つことができます。

また、相手の好意にあぐらをかかず、ありがとう、ごめんなさいといったコミュニケーションや外見への努力を忘れないという事も忘れてはいけません。「こういう付き合い方が絶対の正解」というのは、恋愛には存在しません。お互いに自然体のまま、「私はこうしてくれたら嬉しい」「あなたはどう思う?」など、いろいろなことを話し合って、無理なくできる愛情表現の形を2人で模索してみてください。

対人関係でストレスを溜めない方法

各シーン別で、対人関係のストレスを溜めない方法、コミュニケーションに苦手意識を感じずに済む対処法をまとめてみました。それぞれの対処法には、いくつかの共通点、コツがあります。最後にそれらをまとめて紹介しましょう。

 

対人関係では相手を「他人」と割り切る

対人関係がなかなかうまくいかない人は、相手とのコミュニケーションで自分の気持ちの上下動が激しいという特徴があります。そのため、気持ちのすれ違いや意見のぶつかり合いが起こると、他の人よりも心を大きく消耗してしまうのです。

このような人は、自分と相手を同一視してしまっている場合が多く、意見の対立が起こると余計に動揺してしまいます。その結果、「自分の方が正しい!」と意固地になってしまうのです。

相手と自分は違うということ、まずはこれを頭に入れて行動してみましょう。

 

自分の価値観で測らず相手の立場になって考えてみる

自分と相手の間に境界線を引いたら、相手の話を最後まで聞いたり、相手の言動を一歩離れた視点で観察したりしましょう。すると今まで見えなかった相手の一面に、気付くことができます。

これはなにも、相手のことを全て肯定しなさいという話ではありません。改めて相手の行動を見直した結果、「やっぱり私のことが正しいと思う」と感じたようであれば、それを丁寧な言葉で伝えればいいのです。ただし、その意見を伝える前に試してほしいことがあります。それは、一度「相手の視点に立って自分を見つめ直してみる」という行動です。

「子供ができて初めて親の気持ちがわかった」「部下を保つようになって、上司の苦労を理解できるようになった」という体験をした方は少なくないでしょう。

自分が言われて嫌だったこと、傷ついた経験を思い出してみて、相手を想像しながら、その時伝えられなかった言葉を口にしてみてください。それと同時に、なぜその相手があなたにそんな言動をしたのか、相手の側になって考えてみてください。その言動の裏には、立場や価値観の違いなどいくつもの要素が存在します。「こんなことをされて嫌だった」という怒りや悲しみだけで物事を終わらせず、相手がその時大切にしていた価値観が理解できれば、その対人関係を改善できるかもしれません。

相手の立場を考えた上で、それでも納得できない部分があった時は、相手との距離感を埋める努力だけでなく、どれくらいの関係性でいれば、お互いにストレスの少ない関係を維持できるかを考えてみると良いでしょう。

 

 

対人関係の苦手意識は、ちょっとした言葉遣いや意識の変化で大きく克服できることがあります。今回紹介したシーン別のポイントや対策を参考にしつつ、今みなさんが抱える人間関係のストレスをどう和らげることができるか、ぜひ考えて実行してみてください。

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