みんなを守りたい!という意識高い系主人公はなぜ人気が出ない?

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みんなを守りたい!という意識高い系主人公はなぜ人気が出ない?

この記事はプロのラノベ作家が監修しています。


Q、みんなを守りたい!という意識高い系主人公はなぜ人気が出ない?

私はプロ作家なのですが、現在のラノベでは、「みんなを守りたい!」というような意識高い系善人主人公は、人気が出ないようです。


ただ、漫画では『鬼滅の刃』の竈門炭治郎のような善人主人公は人気です。


これはなぜなのか?考えたところ、


おそらく、炭治郎は家族団らんの絵を序盤で見せられており、最初は妹を助けたいという、読者が理解、共感できる動機から出発しているから、成立する。
のではないかと思いました。


「みんなを守りたい!」 と主人公が言う場合、このみんなについて読者が知っていて、それは守りたいよね、その気持ちわかるね、と読者に思ってもらえるならOKではないかと思うのですが、いかがでしょうか?


整理すると、


①「みんなを守りたい!」という主人公の共感性が低くなるのは、読者がそのみんなをなぜ守りたいのか理解できない、あるいは読者が守ってやりたいと思えないから。


②、①の問題をクリアできれば、誰かを守りたい主人公は成立する。


ということだと考えているのですが、いかがでしょうか?


A.頂いた①②の分析は、ほぼ正しいと思います。

「みんなを守りたい!」というのは、「読者がそのみんなをなぜ守りたいのか理解できない」であると同時に、「なんで主人公がみんなを守らなければいけない立場ではないのに、守らなきゃいけないのか理由が分からない」ということです。


例えば主人公がどこかの国の国王という設定であれば、主人公が「この国のみんなを守りたい」は成立します。何故なら、主人公はその国の民を守らなければいけない立場にいるからです。


または、主人公がある家族の父親なのであれば、主人公が「この家族を守りたい」は成立します。何故なら、当たり前ですが父親という家族を守らなければいけない立場にいるからです。


主人公が幼稚園の先生であれば「この園の子供を守りたい」が成立します。しかし、その幼稚園に全く関係ない人間が「この園の子供を守りたい」と言っていたら、かなり不気味です。


『鬼滅の刃』で竈門炭治郎が「みんなを守りたい」といって成立しているのは、妹を助けたいという入り口を用意してあげたからというものもありますが、一番の理由は『鬼殺隊に入ったから』です。


鬼殺隊は、「鬼からこの国の人々の命を守る」ために存在している組織です。


なので、鬼殺隊に入った炭治郎は、この国の人々の命を守らなければいけない立場に立ったということになります。なので、「みんなを守りたい!」が成立します。


逆にもし炭治郎が鬼殺隊に入らずに「みんなを守りたい!」と言い続けていたら、ちょっと何言ってるかよくわからないキャラクターになっていた可能性が高いです。


もしくは、「いやお前警察でもなんでもないんだから、国民の命を守ることは他の人に任せて、自分は自分の家族を守りなさいよ」となっていた可能性が高いです。


そういった意味で、「読者がそのみんなをなぜ守りたいのか理解できない」とならないように、その主人公(キャラ)に立場を与えてあげるということが重要です。


2025年10月16日に作成した記事


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