11月6日、日本の株式市場に激震が走りました。
日経平均株価は前の日より3,643円下がり、終値は5万7,434円。 下げ幅は終値として歴代3番目の大きさです。
6万円を割り込んだのは、およそ半年ぶりのこと。 取引中には一時4,300円以上も下がる場面がありました。
驚くのは、その広がり方です。
東証プライム市場では、値上がりした銘柄がわずか21に対し、 値下がりは1,523銘柄。
33ある業種もすべて下落し、 まさに「全面安」の1日になりました。
「NISAで買った投資信託が、一気に減っていた」 そんな人も多かったのではないでしょうか。
きっかけは、海の向こうの選挙でした
なぜ、ここまで下がったのか。 出発点は、11月3日に行われたアメリカの中間選挙です。
中間選挙は、大統領の任期の折り返しの時期に行われる、 議会の議員を選ぶ選挙のこと。
今回は民主党が大きく議席を伸ばし、 議会の上院と下院の両方で多数派を握りました。
そしてもうひとつ、市場が注目した選挙があります。 アメリカ南部、テキサス州の知事選です。
ここで勝ったのは、 「AI向けのデータセンターの新規承認をいったん止める」と訴えていた候補でした。
データセンターとは、 AIを動かすための巨大なコンピューターをずらりと並べた施設のこと。
テキサス州は電気代が安く土地も広いため、 全米で計画されているデータセンターの約4分の1が集まるとも言われる"AIの心臓部"です。
アメリカのAI株が先に崩れた
選挙の結果を受けて、投資家の頭に浮かんだのは、 「これからAIを育てるのが難しくなるのでは?」という不安でした。
11月5日のアメリカ市場では、 ハイテク株の多いナスダック総合指数が5.5%下落。
AIの頭脳となる半導体をつくる企業の株は、さらに大きく売られ、 半導体株指数は1日で約12%も下がりました。
AI用の半導体で世界トップのエヌビディアは約9%、 通信用の半導体大手ブロードコムは約10%の下落です。
その翌日、同じ流れが日本に押し寄せました。 ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンといった "AI関連銘柄"が軒並み大きく下がったのです。
そもそも、なぜアメリカの影響を受けるの?
「アメリカの選挙なのに、なぜ日本の株まで?」と感じた人もいると思います。
理由のひとつは、日本の株を売り買いしている人の顔ぶれです。 東京の株式市場では、売買の6割以上を海外の投資家が占めていると言われています。
海外の投資家にとって、日本の半導体関連企業は "アメリカのAIブームを支える部品メーカー"という位置づけです。
アドバンテストは半導体の検査装置、東京エレクトロンは半導体の製造装置、 ソフトバンクグループはAI企業への巨額投資で知られています。
つまり、アメリカでAIへの期待がしぼめば、 その"供給網"にいる日本企業もまとめて売られやすいのです。
でも、本当にそれだけ?
ここまでが、ニュースでよく見る説明です。
ただ、「選挙で負けた側が嫌われた」というだけで、 歴代3位の暴落になるでしょうか。
実はこの下落には、 **選挙の前から積み上がっていた"火種"**がありました。
そして、「歴代3位」という数字にも、 少しだけ注意して見たほうがいい"からくり"があります。
この暴落は「AIバブル崩壊」の始まりなのか。 それとも、一時的な調整なのか。
来週には、その答え合わせとなる大きなイベントが続きます。
この続きでは、
・選挙の前から積み上がっていた「3つの火種」
・「歴代3位」の数字のからくり(下げ幅と下落率の違い)
・なぜ日経平均は、ほぼ全部の株が下がるほど崩れたのか
・「AIバブル崩壊」か「一時的な調整」か、判断のポイント
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