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【漢方の質問に答えます!その2】「葛根湯」に関する質問

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【漢方の質問に答えます!その2】「葛根湯」に関する質問

漢方薬剤師の猪子英恵先生が、YouTubeの視聴者から募集した漢方の質問に答えるシリーズです。第2弾は、「葛根湯」についての質問にお答えします。

なお、このコラムは、どなたでも最後まで無料で読むことができます。OTC教室では、会員限定のコラムなども随時配信しております。


Q1. 葛根湯と風邪薬は併用してもよいですか?

A. 添付文書には「併用不可」と書かれていない場合もありますが、そもそも両者は“使うタイミングが異なる”ということを知っておきましょう。


<葛根湯ってどんな薬?>

ご質問にお答えする前に、「葛根湯が一体どんな漢方なのか」を復習しましょう。「葛根湯=風邪の引きはじめ」と考える人も多いと思いますが、実際には少し違います。

葛根湯は「表寒証」に使う漢方薬なので、体の表面に寒い邪気がいる時に用いられます。
簡単に言うと、風邪の引きはじめの中でも、「ぞくぞく寒気がする」「悪寒がする」といった場合に使用します。

また、葛根湯は、「青い風邪に使う」と表現されることも多く、温めて寒気を発散する「麻黄」という強い生薬が入っています。そのため、もう発熱している、熱っぽいなどの「赤い風邪」の場合、葛根湯でさらに温めてしまうとかえって風邪が長引くことがあります。




葛根湯と風邪薬との併用について

風邪薬には解熱剤が含まれています。「熱を下げたい風邪薬」と「身体を温めたい葛根湯」ですが、併用の意味があるのかどうかを解説していきます。

まずは、これら2剤の併用が、患者さんの体調回復にとって意味のあることかどうかを考えましょう。風邪薬を飲みたくなるような「発熱」や「のどの痛み」など、「赤い風邪」の症状が出ている場合、葛根湯の服用時期をすでに過ぎている可能性があります。

ドラッグストアでは、風邪薬に葛根湯成分が含まれる商品も販売されているため、併用自体ができないという事ではありませんが、このような背景を理解して対応しましょう。漢方薬も肝臓に負担をかけますので、あれもこれも服用することはあまりおすすめしません。

そのため、寒気のある感冒の初期に葛根湯と風邪薬の両方を購入していただく場合、まずは葛根湯を服用し、それでも寒気から発熱症状、つまり、青い風邪から赤い風邪に進行してしまった際に風邪薬を使ってください、とお伝えするのもよさそうです。

また、しばしば葛根湯を「風邪の予防」で使いたいという方もいます。しかし、寒気がないなど葛根湯の適応症状がない時に服用することで、発散性の強い漢方薬の長期連用に繋がりかねないため、お勧めしません。


Q2. 葛根湯の代替品には何がありますか?

A. 葛根湯の代用品は、非常に多岐に渡ります。よろしければ、以下の30分の無料動画をご覧ください。


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Q3. 葛根湯は妊婦にすすめてもよいですか?

A. 積極的にお勧めはしません。ただし、医師が処方するケースはあります。

葛根湯の構成生薬である「麻黄」には発散性があり、さらに、麻黄に含まれる「エフェドリン」の作用により、胎盤血流に影響を与える可能性があります。
さらに、夕方以降に葛根湯を服用することで、エフェドリンの作用による寝付きづらさを感じ人もいます。これらを考慮すると、妊婦さんに対して積極的にお勧めできるものではないと考えられます。

しかし、実際には、医師が処方するケースもあります。「服用が短期間であれば問題ない」という見解を持つ医療者もいるため、判断が分かれるところです。
心配であれば、妊婦さんでも使用できる香蘇散にするなどの対応が必要です。


Q4. 葛根湯は、満量処方の方が(エキス量が多い方が)、効き目はシャープと捉えてよいですか?

A. 漢方薬全般の話になりますが、「薬の量」よりも、「服用のタイミング」の方が効果に影響があると考えます。

漢方薬は、成分が2倍なら効果も2倍とはならないため、注意してください。




このコラムの回答者


猪子英恵(漢方薬剤師)

多くの医療機関で薬剤師として漢方外来を担当しており、相談数は月100名を超える。
2021年に臨床漢方カウンセリング協会を設立し、薬剤師・登録販売者の先生方に向けて、「現場で使える」をモットーとした漢方とカウンセリングスキルに関する講座を行っている。


※猪子先生とOTC教室のオーナーの村松で撮影したYouTube動画もあります。
【視聴者からの漢方の質問!漢方薬剤師と一緒に答えます✨「証」の見極めってどうすればいいの?葛根湯とかぜ薬の併用はOK?】
画像クリックでYouTubeにジャンプします↓



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