【不動産投資】気になる物件の机上調査(8)ランニングコスト分析
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不動産投資では、購入時の表面利回りや物件価格に目が行きがちですが、購入前に把握しておきたいのが「ランニングコスト」です。
ランニングコストを知ることで、実質的な収入を予測することができます。また、表面上の収益だけを見て購入してしまうと、後から「想定外の出費」で手残りが激減することも珍しくありません。
固定資産税や火災保険料はもちろん、共用部の光熱費やエレベーター保守費、定期点検など、物件を所有・運営していくうえで必ず発生する支出を正しく把握できていないと、想定していた利回りを大きく下回ってしまうリスクがあります。
本コンテンツの内容です。
区分物件ではなく、1棟物件・戸建を念頭に書きました。
・固定資産税・都市計画税
・管理委託費
・共用部清掃
・消防設備点検
・共用部電気代・水道代
・貯水槽・浄化槽物件
・エレベーター
・インターネット料金
・火災保険・地震保険・施設賠償責任保険
・セキュリティ費用
・植栽・外構メンテナンス
購入前から「どれくらい維持費がかかるのか?」を読み解けるようになれば、失敗リスクを大きく減らすことができます。
ぜひ、不動産投資に役立ててください。
固定資産税・都市計画税
動産を所有している限り、「固定資産税・都市計画税」は毎年必ず掛かります。住居の場合は大した金額ではありませんが、事業用建物の場合は結構な金額になります。購入前に必ずシミュレーションしましょう。
● 固定資産税とは?
土地・建物に対して毎年課される税金で、固定資産課税台帳に登録された評価額の1.4%が基本税率です。
ただし、実際には軽減措置(例:住宅用地の特例など)が適用されることが多く、評価額の半分以下になるケースもあります。
● 都市計画税とは?
市街化区域にある物件には、都市計画事業に必要な費用を賄う目的で、追加で都市計画税が課されます。
税率は最大0.3%までと法律で上限が決められていますが、自治体によって異なります(0.2%などの場合も)。
● 注意点①:固定資産税評価額と市場価格は違う
「1億円で購入した物件だから、固定資産税も高いはず」と思いがちですが、固定資産税の評価額は、実勢価格の7割以下になるのが一般的です。
また、土地の地価や建物の築年数、構造によっても評価が変わります。
● 注意点②:取得後しばらくは“前所有者の税額”を引き継ぐ
固定資産税・都市計画税は、その年の1月1日時点の所有者に課税されるため、年途中で不動産を購入した場合でも、その年の税額は売主と按分する形になります。
契約時に「〇〇年分の固定資産税相当額をいくら日割り精算するか」が決められ、決済時に清算するのが通例です。
● 注意点③:償却資産課税も要確認(設備付きの場合)
エレベーターや受水槽など、土地・建物以外の“償却資産”にも課税される場合があります。
これらは通常、管理会社や所有法人が毎年申告する必要があるため、購入前に「申告している償却資産の有無」を確認しておくと安心です。
● 固定資産税・都市計画税の調べ方
・売買契約書の添付資料(固定資産税納税通知書)で確認
・自治体に評価証明書を請求する(所有者の委任状が必要)
・物件資料や不動産仲介業者に事前確認する
通常は、物件情報の資料一式に入っています。
入っていない場合は、請求しましょう。
管理委託費
賃貸管理を管理会社に委託する場合(委託がおすすめ)、管理費の相場は家賃の5%です。
中には3%、1%、月額1,100円などの激安の管理会社もありますが、それでは管理会社が仕事にならないので、定期の管理費以外の別の形で利益を取ってくるはずです。例えば、原状回復費用・リフォーム代の上乗せ、賃貸募集を広く公開しないで囲い込まれ両手取引にされる…など。
私が依頼しているところはどこも5%で、その代わりに工事の上乗せが少なく(工事により0円)、初手から物件を広く公開してもらい、両手仲介にこだわらないようにしてもらっています。こちらの方が明朗会計的で、私は好きです。
管理会社の選び方については、こちらのコンテンツをご参照ください。
「不動産投資における賃貸管理会社の選び方・付き合い方」
https://lounge.dmm.com/detail/8268/content/40664/
共用部清掃
少なくとも月1回以上の共用部清掃が推奨されます。
出入りの多い戸数が多いマンションや事業用物件では、最低月2回は必要でしょう。
共用部の清掃を巡回で管理会社がやってくれる場合もありますが、プロの清掃会社の方が質がよいのは間違いないです。
例えば、私の所有するアパートでは2人体制で1回90分、5F建てビルでは4人体制で100分くらいやってくれます。こんなのは管理会社の巡回ではとてもできないですよね。
私は清掃会社は自分で探して契約していますが、管理会社経由の方もいらっしゃると思います。
できるだけコスパがよく、しっかりやってくれるところを探しましょう。
毎回の清掃報告を写真付きのメールで送ってくれるところがよいと思います。
本にはシルバー人材センターやスキマバイトと書いてありますが、質の担保という点で、私は使ったことがありません。
消防設備点検
消防設備点検とは、建物内の消防設備が適切に設置・作動し、防火安全性を確保しているかを定期的に確認する法定点検です。
消火器、誘導灯、屋内消火栓・スプリンクラー、防火戸・防火シャッター、非常放送設備、ガス漏れ警報器などの点検です。
小規模アパートでも150㎡以上であれば消火器の設置義務があるので、対象です。
建物の用途・規模によって義務の有無や点検内容が異なります。
・共同住宅・寄宿舎・倉庫など:延床面積150㎡以上で必要
・診療所:必要
・事務所:延床面積300㎡以上以上で必要
などです。
点検が必要な建物の詳細は、東京消防庁のページを確認してください。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/tenken_houkoku_building.html
建物の用途が「特定用途」に該当する場合は1年に1回の消防への報告が必要、非特定用途の場合は3年に1回の報告が必要です。
共同住宅・事務所・倉庫などは非特定用途なので3年に1回の報告でOK、飲食店・物販などを含む複合用途防火対象物(雑居ビル)は1年の1回の報告というイメージですね。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/tenken_houkoku_term.html
点検自体は年2回行う必要があります。
・機器点検:各機器が正常に動作するかを目視・操作で確認。半年に1回。
・総合点検:実際に作動させて、連動や機能を確認。1年に1回。
ほとんどの場合は点検は自分で行うこともできますが、消防設備点検は委託するのが普通でしょう。
自動火災報知設備・誘導灯・消火器くらいの雑居ビルであれば、1回33,000円くらいで委託できます。消火器のみの点検であれば、定期清掃会社でやってくれるので、清掃の契約時に聞いてみましょう。いずれも報告までやってくれます。
なお、消火器や誘導灯の点検くらいであれば自分でもできて、ほとんどの場合は資格も不要です。
勉強したいのであれば、消防設備士乙6(消火器)くらいは取ってもよいかもしれません。私は勉強のために取りました。
消防設備点検や防火管理は、入居者の安全に関わることで非常に大事なことです。
ここはランニングコストに関するコンテンツなのでさらっと書きますが、消防設備点検・防火管理者などについては、別コンテンツでまとめます。
ランニングコストという観点では、売主が今いくら払っているのか、他にお願いしたら安くなる可能性はあるのかということを考えておきましょう。
共用部電気代・水道代
共用部の電気・水道にかかるコストは、物件の規模や設備仕様、管理方法によって大きく異なります。収益物件を保有する上では、こうした毎月発生する支出を軽視できません。ここでは、コストの内訳や削減余地、確認ポイントを見ていきます。
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