【個別株投資】増資② MSCB・MSワラント。株価下落の仕組みを理解!

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【個別株投資】増資② MSCB・MSワラント。株価下落の仕組みを理解!

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このコンテンツは、コンテンツ「【個別株投資】増資① 総論。エクイティファイナンスの全体像」の続きです。

https://lounge.dmm.com/detail/8268/content/48431/


今記事では、増資の中でも特に危険な増資について解説します。


増資は必ずしも悪いものではありませんが、仕組みを理解していないと、保有銘柄の増資発表により大きな損失につながることもあります。

公募増資と比べて発表後に株価が大きく崩れるケースがあり、その代表例がMSCB(転換価格修正条項付転換社債)とMSワラント(行使価格修正条項付新株予約権)です。


MSCBは現在ではほとんど用いられない増資手法ですが、まずMSCBという手法がどのように使われ、なぜ問題となったのかという歴史を振り返ります。その上で、現在主流となっているMSワラントについて、株価下落スパイラルの仕組みを解説します。

MSワラントが行われるとなぜ株価が下がり続けるのかを理解しましょう。



MSCB

まずはMSワラントの前に、その原型ともいえるMSCBについて理解しておきましょう。


MSCBは、転換価格修正条項付転換社債(Moving Strike Convertible Bond)のことです。

言葉が長いので分解すると、

転換社債(CB)=株式に変えられる社債

転換価格修正条項=転換価格が変わる


つまり、社債から株式に変える価格が、あとから下がる可能性がある社債です。



まずは普通の転換社債(CB)から理解する

MSCBを理解するには、まず通常のCBを押さえる必要があります。


例えば、次のような転換社債(CB)を考えましょう。


転換価格:1,000円

額面:1億円


この場合、CBを購入した投資家は、購入時点で1億円を払う必要があり、社債を1億円 ÷ 1,000円 = 10万株の株式に転換できます。

通常のCBでは、何株に転換できるかは最初から固定されています。


① 株価が上がった場合

株価が1,500円になれば、1,000円で株を取得でき、市場では1,500円で売れる。

→ CBの投資家は利益が出る。


② 株価が下がった場合

株価が800円になると、1,000円で株をもらっても損なので、転換しない(社債のまま保有)。この場合、投資家は社債保有による収益を得られる。


通常のCBは、株価が上がらないと株式に転換されず、発行体である企業にとっては資金調達できません。社債のままではいずれ返済しなければなりません。

通常のCBは、上場企業の中でも大企業・優良企業が発行します。



MSCBは何が違うのか

MSCBでは、この「転換価格」が固定ではありません。

株価に応じて、転換価格が下がる仕組みになっています。


次のようなMSCBを考えましょう。

当初の転換価格が1,000円でも、行使価格は随時直近の株価(厳密にはVWAP)に変更されます。さらに、その価格の90%にディスカウントをするようなMSCB発行が多かったです。


当初転換価格:1,000円

修正ルール:直近の株価(厳密にはVWAP)に変更

ディスカウント:さらにその90%に変更


その後、株価1,000円のまま

転換価格:1,000円

ディスカウント後:900円

→ 1億円 ÷ 900円 ≒ 11.1万株もらえる。


②:

その後、株価800円に下落

転換価格:800円

ディスカウント後:720円

→ 1億円 ÷ 720円 ≒ 13.8万株もらえる。

(株価は下がっても多くの株をもらえるのでOK)


株価500円まで下落

転換価格:500円

ディスカウント後:450円

→ 1億円 ÷ 450円 ≒ 22.2万株もらえる。

(株価は下がっても多くの株をもらえるのでOK)


通常のCBでは株価が下がると損(機会損失)でしたが、MSCBでは株価が下がっても株数が増えるため引受先の損になりにくいという構造です。


通常のCBを発行できるのは優良企業です。

MSCBは、通常のCBを発行できないような企業が発行します。

資金調達法に悩んでいる企業に証券会社が「MSCBを発行しませんか?」と近づき、発行に進むのが典型です。



なぜMSCBでは株価が下がり続けるのか

ここからが本質です。


MSCBでは次のようなことが起こります。


① 株価が下がる

何らかの理由で株価が下落。


② 転換価格が下がる

株価に連動して転換価格も下がる。


③ 転換すると大量の株が発行される

希薄化が起こる。1株当たり利益(EPS)が低下。


④ 売り圧力が増える

投資家はEPS低下を悪材料に株を売却。


⑤ 株価がさらに下がる


という株価下落のループになります。



MSCBの引受手は空売りも仕掛ける

MSCBを引き受けるファンド/証券会社は、株価下落のリスクをほぼ回避できます。


株価が下がっても、転換価格が下がり、もらえる株数が増えるためです。

さらに、MSCBの引き受け手は、空売りと組み合わせることでほぼ確実に利益を取れます。


MSCBの引き受け手は、将来、株式を取得できる権利(転換権)を持っています。しかも、転換価格は株価に応じて下がるという立場にあります。

つまり、将来、安く株を手に入れる手段をすでに持っている状態です。


この状態でMSCBの引き受け手は、市場で株を空売りをすれば儲かります。

普通の投資家とは異なり、市場で買い戻さなくても株を手に入れる手段を持っているからです。社債→株式への転換です。


通常の空売りでは市場で買い戻す必要があり、価格はコントロールできません。

しかしMSCBの引受手は転換で株を入手でき、しかも価格が下がって空売りで儲けることができます。

株価を故意に下げて儲けることができるということですね。


これを組み合わせると、

① 1,000円で空売り

② 株価下落(800円)

③ 転換価格も下落(800円)

④ さらにディスカウントで90%で行使し株を取得(720円)

⑤ その株で空売りの玉を返済

という流れで、MSCBの引き受け手はほぼ確実に儲けることができます。


これは、既存株主との利害が一致しません。


MSCBは、株価が下がるほど引き受け手が有利になる資金調達です。


そのため、

・希薄化が止まらない

・売り圧力が続く

・株価が長期間下落する

という現象が起こりました。



既存株主は大損、引受手は大儲け

このような流れで、MSCBが発表されると株価は大きく下がり、既存株主は損をします。

一方、MSCBの引受手である証券会社は大儲けをします。


証券会社は、資金調達に悩んでいる発行体を近付いてMSCB発行を促しますが、結果、証券会社は大儲け、既存株主は大損、発行体は資金が手に入る(が、株式に転換され資金が手に入る時期・金額は未定)、株価は下落という結果を招きます。


MSCBを発行するような企業は、既存株主の利益を全く考えていませんね。



そしてMSワラントへ

このような問題からMSCBは金融庁により規制され、現在ではほとんど使われていません。


しかし、「株価に連動して条件が変わる」仕組み自体は残りました。

それが、MSワラントです。MSCBを理解すると、なぜMSワラントが危険と言われるのかが理解できます。


次は、MSワラントを見ていきましょう。



MSワラントの基本

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