撫子の菓子ごよみ 神奈月/亥の子餅

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撫子の菓子ごよみ 神奈月/亥の子餅
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撫子の菓子ごよみコース
― 暦とともに、和菓子で季節を味わう ―


料理家/お米のおやつと和食の専門家
伊藤けいこです。

このたびは、オンラインレッスンをご覧いただき、ありがとうございます。

このオンラインサロンも、おかげさまで9年目。

月替わりでお届けしてきたスイーツレッスンは、50レシピ以上になりました。

これまでお伝えしてきた米粉スイーツ・ビューティースイーツの世界を、2026年よりさらに一歩深め、


和暦 × 和菓子 × 暮らしの教養


を軸に、

「撫子の菓子ごよみ」コース

としてリニューアルいたします。



「撫子の菓子ごよみ」とは


二十四節気、五節句、和の年中行事。

日本には、季節を味わい、心を整えるための知恵が、たくさん残されています。

和菓子は、ただ甘いものではありません。

その時季の景色や物語を、小さな一菓に映した「食べる暦」です。

このコースでは、

今はどのような季節なのか

なぜこの和菓子が生まれたのか

菓銘や意匠に、どのような意味があるのか

どのような想いで味わうのか

そんな背景や和の教養も含めて、一緒に季節を味わうレッスンをお届けします。

忙しい毎日の中に、「暦を感じる時間」を取り戻す。

それが、

撫子の菓子ごよみ

です。


十月|神無月


今月の和菓子は、


「亥の子餅(いのこもち)」






秋の実りに感謝し、家族の健やかな暮らしを願う和菓子です。

旧暦十月は「亥の月」。

その最初の亥の日、亥の刻に餅をいただき、無病息災や子孫繁栄を願う風習がありました。

2026年の亥の子は、11月9日(月)です。

今月の「撫子の菓子ごよみ」では、その日を少し先取りして、猪の子をかたどった「亥の子餅」を作ります。


亥の子餅に込められた願い


猪は、たくさんの子を産むことから、子孫繁栄の象徴とされてきました。

ころんとした愛らしい形は、猪の子どもである「うり坊」を表しています。

また、「亥」は陰陽五行では水の性質を持つと考えられ、火を鎮めるものとして、火除けの願いも込められてきました。

そのため昔は、亥の日に囲炉裏やこたつへ火を入れる「炉開き」を行う風習もありました。

茶の湯の世界でも、この時季に夏の風炉から冬の炉へと替える「炉開き」が行われます。

亥の子餅は、茶席で炉開きを祝う和菓子としても親しまれています。

寒い季節を迎える前に、火の安全と家族の健康を願う。

亥の子餅には、これから始まる冬を健やかに過ごすための、日本人の祈りが込められているのです。

お店や地域によって異なる、亥の子餅

亥の子餅には、「これが唯一の正解」という決まった形や配合があるわけではありません。

かつては、大豆や小豆、ごま、栗、柿など、秋に収穫されたさまざまな実りを使って作られていました。

現在も、和菓子店や地域によって、その姿はさまざまです。

餅生地に豆やごまを練り込んだもの。

小豆餡を包んだもの。

きな粉をまぶしたもの。

うり坊の縞模様や顔を表したもの。

同じ「亥の子餅」という名前でも、材料や色、形、食感には、それぞれのお店らしさがあります。

和菓子店を訪れた際には、ぜひ、そのお店ならではの亥の子餅を探してみてくださいね。


今月の亥の子餅


今回のレッスンでは、白玉粉で作るやわらかな生地に、
小倉あんと黒ごまを混ぜ込み、香ばしいきな粉をまとわせます。

中には、やさしい甘さの小倉あんを。

シナモンがふわりと香る、秋の実りを感じる亥の子餅です。

昔から受け継がれてきた和菓子の意味を大切にしながら、今の私たちの暮らしにもなじむ味わいに仕立てました。

同じ形に揃わなくても大丈夫。

少しずつ異なる形や表情も、一匹ずつ個性のある、愛らしいうり坊のようです。

ご家族と一緒に作るのもおすすめですよ。


今月の技法


求肥づくりと包餡

今月は、白玉粉を使った求肥生地の作り方と、餡をきれいに包む「包餡」の技法を学びます。

求肥は、白玉粉やもち粉に水と砂糖を加え、練りながら加熱して作る、やわらかな餅生地です。

今回は電子レンジを使い、ご家庭でも取り入れやすい方法で作ります。

加熱するたびに全体をよく混ぜ、生地に透明感と粘りが出るまで、少しずつ火を通していきましょう。

加熱したばかりの生地は、とても熱く、手にもつきやすい状態です。

きな粉を全体にまぶしてから8等分し、生地がやわらかいうちに手早く餡を包みます。

包餡するときは、生地の内側についたきな粉を刷毛で軽く払うことがポイント。



余分な粉を取り除くことで、生地同士がつきやすくなり、餡をきれいに包むことができます。

最後は手のひらでやさしく転がし、ころんとした卵形に整えましょう。

温かい日本茶やお抹茶とともに、秋の実りと、家族の健やかな暮らしを願いながら味わっていただけたら嬉しいです。


2026年は、より一層、

「和のエッセンス」と
「暮らしに活きる教養」

を大切にしていきます。

これまでの歩み


<2024年 スイーツレッスン>


1月 福を重ねる米粉のミルクレープ
2月 十八番にしたい 王道ガトーショコラ
3月 植物ベースの米粉いちごタルト
4月 米粉パイ生地マスター いちごミルフィーユ
5月 レモンとハーブの癒しのクッキー缶
6月 新茶といただく 抹茶生チョコと抹茶ラングドシャ
7月 植物ベースのアフォガード
8月 紅茶風味のベイクショコラテリーヌ
9月 キャラメルバナナタルト
10月 りんごのクランブルベイク
11月 ほろ苦カフェモカ米粉ブラウニー
12月 米粉のホワイトブッシュドノエル

<2025年 スイーツLesson>

1月 米粉のお年賀カステラ
2月 和洋折衷 酒粕生チョコ
3月 お抹茶にも合う 春の和SABURE
4月 初夏の和菓子 米粉の若鮎
5月 琥珀糖
6月 流しあんみつ
7月 金魚の錦玉かん
8月 水牡丹
9月 かぼちゃの和葛プリン
10月 栗拾い(米粉のマロンクッキー)
11月 ゆず大福
12月 抹茶と金箔のきんとん


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忘れずに、期間内に一度ご視聴ください。

撫子の菓子ごよみは

「学び」と「余白」のための時間

和菓子は、急いで作るものではありません。

一つひとつ、丁寧に手を動かす。

ゆっくりと味わう。

その向こうにある季節や、日本人の感性に心を寄せる。

そんなひとときが、忙しい日々の中で、自分の心をやさしく整える時間になると思っています。

このサロンが、みなさまの暮らしに、

小さな余白と、静かな豊かさを

もたらしますように。

今月も、ご一緒できることを楽しみにしています。

秋の実りを、小さな一菓に。



伊藤けいこ

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