宝珠の願い⑥弁才天の宝剣に

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宝珠の願い⑥弁才天の宝剣に

前世の統合


少年は、まだベッドからおきあがらない。

部屋は土色をしている。
わたしは彼にミルクをもっていった。
まだ調子がわるそう。
わたしは宝珠の少女にかれをみてもらうよう頼んだ。
彼女はおにいちゃん、といって彼の額を冷たいタオルでふいた。
ああ、あの夕日の中での田園で彼におぶわれた少女がおいてけぼりになったビジョン何度もみたけど、ここで統合した。
少年と少女は仲良しになった。
少女はすでに宝珠として成長している。
少年は、なんと、弁才天の剣となったのだ。
ああ、なんということだろう。
剣。剣。ひかりの剣。
わたしがこれからもつ、たいせつなものひかりの剣に。
少年は元気になったら剣となってくれる。
祓い浄めの際にも、光の剣は必需品。
ご本尊と目を合わせたら、宝珠と剣はちょうどついになって宇賀弁才天の手の中にあった。
こんなことがほんとうにあるのだ。
前世の統合。
ありがとう。ありがとう。

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