医師のための資産運用計画

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医師のための資産運用計画

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医師としてのキャリアを積む中で、収入の安定性は大きな強みですが、将来や老後に備えて確実な資産形成を行うことは、より充実した人生を送るために欠かせない要素です。

この「医師のための資産運用計画」では、複利効果の威力を最大限に活用し、効率的で再現性の高い資産運用方法を体系的に解説します。
インデックス投資を核としたリスク分散戦略から、個別株や不動産投資まで、多忙な医師でも実践できる具体的な手法を、分かりやすくまとめました。

なお、本コンテンツは「総論」です。
インデックス投資・NISA・ポートフォリオ運用・個別株投資・不動産投資など、本コンテンツの内容については、各論で詳しく解説します。



【目次】


・「投資」の本質

・複利効果の威力を知ろう

・資産運用の核はインデックス投資で

・3~6か月分の生活費は取っておこう

・ポートフォリオ運用

・入金と投資の両輪で資産形成

・個別株投資

・不動産投資

 - 不動産投資のメリット

 - 不動産投資はインカムゲインを狙う

 - 不動産投資の心構え



「投資」の本質

個人的な意見も混ざりますが、投資について考えてみましょう。

一般的に、投資の対象としては、株式投資、債券投資、不動産投資、金など商品への投資があります。最近は仮想通貨への投資、高級腕時計への投資など様々なものに投資している人が増えてきました。

私が考える投資の本質は、「お金を入れる→誰かが自分のために働いてお金を稼いでくれる」ことです。
値動きの上下で得した損したというのは、投資の本質ではないと考えています。

例えば、株式投資では、株を買うことにより会社の一部を所有し、社長や従業員が頑張って働いて、利益を生み出してくれる。この利益が株価上昇に繋がり、また配当金として支払われれば直接的に還元されます。
短期間での株価の上げ下げを狙うのは投機的な側面があり、将来に向けた資産形成にはそぐわないものです。

「お金を入れる→誰かが自分のために働いてくれてお金を稼いでくれる」に該当する対象は、以下の3つです。
・株式投資:会社の一部を所有し、社長や従業員が頑張って働いて、利益を生み出してくれる。
・債券投資:国や会社にお金を貸せば、国や会社が働いて利子として返してくれる。
・不動産投資:賃借人に部屋を貸せば、賃借人が頑張って稼いだ中から家賃を払ってくれる。

一方、株式投資や不動産投資でも、短期の値上がりを意図したものは投機の側面があります。
また、金などの商品、仮想通貨、高級腕時計などは基本的には値上がり益を期待するもので、それ自体が新たなお金を生み出しません(厳密にはレンディングがありますが)。

「お金を入れる→誰かが自分のために働いてお金を稼いでくれる」投資は一般的に再現性が高く、時間を味方に付けて長期でお金を増やせる確率がかなり高いです。一方、値上がり益を期待する投資、特に短期投資は、一般的に難易度が高めです。

将来・老後に向けた長期の資産運用の場合は、「お金を入れる→誰かが自分のために働いてお金を稼いでくれる」に該当する長期投資を実践するのが、投資の王道だと考えています。
なお、私は値上がり益を期待する投資を否定しているのではなく、むしろ好んでやっています。しかし、それは将来・老後に向けた資産形成とは別の口座で、0になっても将来困らない資金でやっています。

将来・老後に向けた資産形成は株式投資・債券投資・不動産投資をメインに位置付け、この3つを中心に勉強していきましょう。


複利効果の威力を知ろう

複利とは、得られた利益が元本に組み込まれ、その元本が次の利益を生むという効果です。時間が経つほど、投資元本に対する利息が利息を生み出すため、資産が加速度的に増加します。

例えば、年利5%で100万円を運用した場合、単利では10年後に150万円になりますが、複利では約162万円になります。20年後では単利で200万円に対し、複利では約265万円となります。
このように、複利効果を利用することで、長期間にわたり資産が大幅に増えることが期待できます。

複利効果を最大限に引き出すためには、早めに投資を開始し、時間を味方につけることが重要です。
次項で説明するインデックス投資は、長期的な安定成長を目指すため、この複利効果をしっかりと享受できる投資手法と言えます。


資産運用の核はインデックス投資で

インデックス投資とは、特定の市場全体のパフォーマンスを追随することを目的とした投資方法です。

市場全体の株価指数(インデックス)をベンチマークとして、その動きに連動する投資信託やETF(上場投資信託)を購入します。
例えば、米国の株式指数でだるS&P500や全世界株式、日経平均に連動する投資信託です。

特定の銘柄に集中することなく、広範囲に分散投資を行い、市場全体の成長による平均的なリターンが期待できます。一般的には、全世界株インデックスまたは米国株インデックスが推奨されています。

言わば偏差値50の投資ですが、個別株投資を頑張っても、インデックス投資に負けてしまうことも多いです。

将来、特に老後のための資産運用の中核はインデックス投資で用意するのが賢明です。将来のための資金を個別株投資で増やそうとするのは確実性が低く、おすすめしません。

全世界株インデックスまたは米国株インデックスは、過去のデータでは毎年5~7%のリターンが期待できます(将来もこのリターンが継続する保証はありません)。

インデックス型投資信託は、毎月同一金額の積立で行うのがセオリーです。
毎月同一金額の積立を行う方法は「ドルコスト平均法」と言い、同一金額を定期的に買い付けることで、価格が下がったときは多くの枚数を、価格が上がったときは少ない枚数を買うこととなり、平均取得価格を低くすることができます。

また、インデックスの積立投資には、新NISA枠を活用しましょう。年間360万円までの投資が非課税となります。



毎月3万円・年利5%で27年間の積立投資を行うと、積立元金972万円に対して、利益が1077.6万円となり、合計2,049万円まで増えます。
老後2,000万円という言葉がありますが、2,000万円程度であれば、毎月3万円の積立を継続するだけで実現可能です。
医師であればもっと多くの入金をでき、運用成果も大きくなりますね。

金融庁のページで、積立による複利効果のシミュレーションをすることができます。
金融庁 つみたてシミュレーター

自分が可能な積立額・年数でシミュレーションしてみてください。年利は5%を基準に、やや楽観的に見て7%、保守的に見るなら3%でもやってみましょう。3%と5%、7%では、結果は大きく異なるはずです。

積立額よりも、年利設定のインパクトが大きいですよね。これが複利効果の威力です。
また、少しでも年利を上げることができれば、結果が大きく変わってくるのが実感できると思います。年利を上げるには個別株投資をやってみよう!…ですが、これは向き不向きがあります。詳しくは他のコンテンツをご参照ください。

老後への資金設計は、個別株投資よりも確実性の高いインデックス投資で行うべきということを強調しておきます。

ただし、不動産投資を行う場合は、老後資金への備えを不動産のみで行うことも可能です。


3~6か月分の生活費は取っておこう

予期せぬ出来事に備えて、数か月分の生活費を現金や流動性の高い資産として確保しておく必要があります。

緊急時に資産を慌てて売却するリスクを避け、安定した生活を維持するための基本的な備えです。また、資産運用においても心の余裕が生まれます。短期的な市場の変動や予期せぬ出費に対して冷静に対応でき、長期的な視点で資産形成を進めることができます。

毎月の生活費の3か月から6か月分程度を目安として現金で保有しておくことが推奨されます。収入が突然途絶えた場合や、予想外の出費が発生した際にも、生活を維持するための安心材料となります。
置いておく生活費については金利収入を求めません。すぐに引き出せるのが重要なので、銀行口座の普通預金でよいでしょう。


ポートフォリオ運用

将来に向けてインデックス投資をしよう!と言っても、許容できるリスクは人により様々です。

全世界株式インデックス・米国株インデックスへの投資は、個別株投資に比べるとリスクが低く期待できるリターンも安定していますが、現金/預金や日本国債などの債券投資と比べると値動きが激しく、リスク・リターンともに高めです。

リーマンショック・コロナショックのような暴落の局面はこれからも何度もあり、「暴落して目減りするなんて耐えられない!」という方には株式インデックスに全力投資というのは難しいでしょう。

金融商品の候補は、日本株式・海外株式・日本債券・海外債券、その他の金融商品(REIT、金・コモディティ・仮想通貨など)です。
先に挙げた全世界株インデックスまたは米国株インデックスは、このうち「海外株式」です。

一般的に、最大のリターンを求める場合は、若いうちは株式(インデックス)100%などの積極的な運用を行うことが適している場合があります。
しかし、老後や取り崩し時期に近づくにつれて、債券や現金などの安定資産の割合を増やすことがセオリーです。このようにしてリスクを調整しながら、資産の保全を図ることが重要です。

ポートフォリオ設定はその人の家庭・生活環境、仕事、将来設計、性格、リスク許容度によって異なり、一律な正解はありません。
インデックス投資やポートフォリオ運用に関する書籍も読んで、自身に最適なポートフォリオを作ってみてください。一度設定したらそのままという訳ではありません。途中で方針を変えて修正していっても構いません。

なお、ここまでで述べた
・インデックス投資
・新NISA
・ポートフォリオ運用

については、資産運用のキモなので、別のコンテンツでも何度も出てきます。
本コンテンツ「医師のための資産運用プラン」はオリエンテーション的な内容なのでさらっと書きましたが、本サロンのコンテンツや私のブログを利用して各論を議論していきます。
そちらも併せて見ていってくださいね。


せっかくなので、インデックス投資については1冊2冊くらい本を読んでみてください。
まだ投資を何もしていない人にとっては、人生を変える1冊になるかもしれません。

全くの資産運用・投資初心者向け
→「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」

インデックス投資について知りたい
→「お金は寝かせて増やしなさい」

インデックス投資についてきちんと知りたい
→「ウォール街のランダム・ウォーカー」


入金と投資の両輪で資産形成

将来に向けて資産形成をするには、入金と投資の両方を継続するのが近道です。

入金だけでは遅い
貯蓄だけに頼るのでは、複利効果を最大限に活用できず、資産の増加ペースが遅くなります。

投資だけでも遅い
投資のみに頼るのも不安定な要素が多く、投資による資産形成にはリスクが伴います。また入金+投資と比較すると資産の増加ペースが遅くなります。

医師の高い収入を活かして、入金とインデックス投資を両立させることで、確実かつ加速的な資産形成を目指しましょう。

特に、株式インデックスで運用しながら資金を投入し続けることで、将来や老後に向けた十分な資産を築くことができるでしょう(繰り返しますが、株価指数は右型上がりとなることが予測されますが、上がるという保証はありません)。


個別株投資

インデックスの積立は年5~7%のリターンを期待できますが、逆に言えば年5~7%しか期待できません。

毎月30万円の積立を27年間(入金9,720万円)続けても、約2億円程度にしかなりません。

インデックス投資はほったらかしで偏差値50のリターンを得られる手法ですが、個別株は勉強・研究をすればするほどリターンを得られると確信しています。

個別株投資と言っても、日中何度も株価をチェックしたり、チャートの分析をする必要はありません。普通の医師は、日中は仕事をしていてもできるような中長期投資、リスク・資産管理をすれば、個別株取引でインデックスを上回る成績を得ることも十分可能です。

個別株投資家の大半はインデックス投資に負けてしまいますが、適切な勉強をして投資を実践すれば、インデックスを大幅に上回る投資成績を残すことも可能です。医師は勉強が得意です。情報処理能力も高いです。
勉強すればするだけ勝てるなら、勝てるに決まってんだろ!!と思っています。

ちなみに私の投資成績は2020年からTwitterで株について発信。投資成績は2020年 +181.5%、2021年 +46.5%、2022年 -16.3%、2023年 +188.9%(税引前。税引後は+151.7%)です。
私が実践している手法は再現性が高く、またインデックスを上回る投資手法はたくさんあり、長期にわたり良好な投資成績を達成している個人投資家は山ほどいます。

私の投資手法、特に再現性が高いと思われるものは本サロンやブログ、noteを通じて公開していきます。
個別株投資の経験者や、興味を持たれた方は、個別株投資関連のチャットやコンテンツも、ぜひご覧ください。

個別株投資については、以下のことにご注意ください。
個別株投資は、高リターンを狙える可能性がある一方で、リスクも非常に高い投資手法です。将来や老後に向けた資産形成はインデックス投資を主体に行い、個別株投資は真の余剰資金(0になっても平気)で行うことを強く推奨します。

個別株投資の成績を決める要因は以下の3つです。
・銘柄選択
・売買タイミング
・資金管理

個人投資家は「上がる銘柄を探す」ことに注力しますが、同じ銘柄を売買する場合でも、売買タイミング(特に売り時)と資金管理によって投資成績には大きな差が出ます。
ここでは、単に良い銘柄を選ぶだけでなく、タイミングと資産管理が投資成功の鍵を握ることを強調しておきます。

個別株投資の各論については、他のコンテンツをご参照ください。


不動産投資

不動産投資は、再現性が高い投資方法として投資対象に挙がります。

本気で取り組めば、医師なら本業を超える収入を得ることも可能です。
個別株投資家は1億円2億円を作ればすごいと言われますが、医師が不動産に取り組めば、生涯家賃10億円~20億円くらいは現実的に目指せるラインです。

不動産投資のメリット

医師が不動産投資をするメリットは以下の通りです。

・安定した収入源
・手間や時間がかからない
・レバレッジ効果
・所有する物件のコントロールが可能
・相続税対策
・建物の長寿命化
・保険代わりになる
・節税効果
・インフレ耐性

特に「手間や時間がかからない」ことは本業がある医師にとって大きなメリットです。

また、不動産は少ない自己資金で大部分をローンで買うことができ、レバレッジを効かせられます。属性が高く融資を受けやすい医師は、他の不動産投資家と比較し明確な優位性があります。

子や孫、ひ孫世代に向けて資産を継承することを考えれば、不動産はダントツで有利です。不動産を所有すると相続税評価額が半分程度に圧縮され、強力な相続税対策になります。また建物は長寿命化が進んでおり、今、劣化等級3級の建物を新築すれば75~90年貸すことができると言われており、家賃を稼ぎ続ける資産を遺せます。
この点では、現金や株・投資信託は不動産には敵いません。

「資産運用は自分だけの問題で、自分のお金は自分で全部使い切る」というのであればインデックス積立が最適解かもしれません。
しかし、自分の親から自分へ、自分から子・孫へ資産を受け継ぐことを考えれば、不動産投資が圧倒的に有利です。むしろ不動産は避けて通れません。

今は積極的に不動産投資を考えていない先生でも、親→自分や自分→子への財産移転を考える段になれば、不動産が選択肢になるでしょう。

不動産投資をすることは収入を上げキャッシュを得るだけでなく、それ自体が相続対策にもなります。会員の先生方には、ぜひ不動産も学んでいただくことをおすすめします。

不動産投資のメリット・デメリットについては、コンテンツ「医師が不動産投資を行うメリットを理解しよう!」で解説しました。
https://lounge.dmm.com/detail/8268/content/37514/


不動産投資はインカムゲインを狙う

不動産の利益の源泉はインカムゲイン(賃料収入)とキャピタルゲイン(売買益)がありますが、資産形成のために狙うのはインカムゲインです。

キャピタルゲイン狙いは景気や市況に大きく影響されますし、ライバルがプロの宅建業者になります。個人投資家は、できるだけ儲かる物件を買って、じっくり賃料収入を得て、高く売る または 建て替える。これを基本戦略にしましょう。


不動産投資の心構え

不動産投資はおすすめ…と言いましたが、不動産は簡単に儲かるものではありません。
当サロンでは一般的な「不動産投資」という言葉を使っていますが、実質的には「不動産経営」「不動産賃貸業」と事業として取り組む覚悟が必要です。

投資信託や株と違って入居者がいますし、不動産屋の他にも、リフォーム業者、清掃業者、点検業者、司法書士、税理士など様々な人との関わりが必要となります。建物を保有すること自体で所有者責任=損害賠償責任も負います。

自動でお金が入ってくるキャッシュマシーンのようなラクな物件は稀で、そのような物件は高い(利回りが低い)です。
儲かる物件を手に入れるには、知識と経験、努力が必要です。購入・融資付け、物件バリューアップ、賃貸管理、客付け、売却。必要な知識・経験は多岐にわたりますね。

初心者は「物件購入」の勉強に力を入れがちですが、私はまずは「賃貸管理・客付け」について勉強し、賃貸経営の実際とイメージを持った方が、購入にとっても有利に働くと考えています。

2024年現在、まだまだ物件価格は高止まりが続き簡単に儲かるような物件は枯渇していますが、今の相場でも稼げる物件を手に入れることはできます。

幸い不動産は多くの書籍もあり、勉強しやすい環境が整っています。
当サロンには、2009年から不動産投資を実践している私の他に、不動産投資経験のあるスタッフ、参加者の先生もいらっしゃいます。
本で勉強しながら、ぜひコンテンツやチャットを活用してください。

コンテンツは順次増やしていくので、参考にしてください。


以上です。

放射線科医ふくろう


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