幼女主人公の小説の利点とは?女性読者ニーズを満たすのに有効
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この記事はプロのラノベ作家が監修しています。
Q.幼女主人公の小説の利点とは?
市場に出て売れている女性主人公の領地経営物を読んでみると、完全に女性向けか、男性読者にも読んでもらうかで別れていると思います。
完全に女性向けの場合は、主人公は家族や領地の人々と協力しあいながら、お菓子を作ったり、石鹸を作ったり、服を作ったり、薬を作ったりと、女性が好みそうな路線で領地を発展させます。
男性にも読んでもらう型の場合だと、モンスターや外敵を主人公の魔法やスキルで倒して、その戦利品で領地を発展させる系になっていると思います。
https://kakuyomu.jp/works/16818093078833538977
↑こちらの作品がカクヨムでもなろうでも、市場でも人気になっているので、男性にも読んでもらう型でも、勝負できると見ています。
が、こちらの作品は主人公が最強ですごいすごいと言われる完全男性向けではなく、「芯の強い女性主人公が困難に会いながらもそれを乗り越えていく」というストーリーなのが、完全女性向けとも共通しているように見ています。
ちょっとこのあたりは難しいのですが、女性読者ニーズは「芯の強い女性が活躍する」ということで、主人公が最強のチート能力ですべてを解決する型とはやや違うのかなとも思えます。
おそらく、「芯の強い女性が活躍する」という上で、割と効果的に作用するのが主人公が幼女という点なのかな?とも思えます。(「本好きの下剋上」などを読んでみてもそう思えます)
幼い子供というだけで、かなりのハンディキャップを負うので、すごい魔法が使えても、それだけで問題解決とはなりにくく、「芯の強い女性が活躍する」ニーズを満たしやすいのでは?と考えていますが、どうでしょうか?
結論を述べると、女性にも男性にもウケるタイプの女性主人公の領地経営は「すごい魔法が使えるが最強とまではいかない主人公がその魔法を使って、困難に会いながらも領地を発展させて領民と絆を作っていく系」ではないかと考えていますが、どうでしょうか?
A.まとめまして、現在以下二つの質問を頂いている認識です。
①「主人公を幼い女の子(幼女)に設定することは、芯の強い女性の活躍を見せやすく、女性読者ニーズを満たすという意味で有効か?」
②「男性にも女性にもウケる領地経営系の作品を作るには、主人公を女性にしたうえで、そこそこ困難を味わいつつも領地を発展して領民と絆を作っていく作品にすればいいと思うが、これは有効か?」
上記二つの質問にそれぞれ回答します。
まず①の質問についてですが、結論としてはほぼ正しいと思います。
この手の疑問を考えるにあたっては、逆に「女性から敬遠されやすい女性とはどういうものか」を考えるのも有効です。
もちろん読者によって好きなキャラクターと嫌いなキャラクターは違うというのは当たり前ですが、前提として以下のような女性キャラクターは女性読者に好きになってもらいにくい傾向があります。
・裏表があり、相手によって態度を使い分ける女性
・パートナーに(特に男性に)支えられることでしか生きていけないと考えている、自立的ではない女性
・言いたいことがあるのに、自分の意見をしっかり主張できない女性(いわゆるモジモジしている状態)
・自分に長所がないのに、自分で努力をしようとしないタイプの女性(ただし最初から天才であれば努力しなくてもOKな場合がある)
上記のようなキャラクター像は一般的に女性読者に好きになってもらえないことが多いです。
(ただし男性読者には受けることがあります。また、ほかのテクニックと組み合わせることで女性読者にも好まれる特徴に変えることも不可能ではありません。あくまで傾向としての問題です。)
なので、もし女性読者に好まれる女性キャラクターを作りたいのであれば、一つの考え方として上記4つの特徴を避けるようにするという考え方があります。
その時ものすごく手っ取り早いやり方の一つとして、主人公を幼い女の子にしてしまうという手があります。
幼い女の子であれば、年齢的に「相手によって態度を使い分けるような裏表ある性格」がまだ備わっていないので、女性読者が「こんなかわいい子に裏表があるわけないよね」と自然に受け入れることが可能です。
また幼い女の子であれば「私はパートナーや男に支えられないと生きていけない」という大人じみたことを言う年齢でもないので、「私は私のやりたいことをして生きていくぞ!」という素直さがとても演出しやすいです。
逆に二十歳を超えた女性主人公に「私は私のやりたいことをして生きていくぞ!」のようなことを言わせてしまったら、『なんか子供っぽすぎるなあ』と一部の読者に敬遠されてしまう可能性があります。
また幼い女の子であれば、良い意味で回りの空気を読まずに自分の意見をしっかり主張することにも不自然さがありません。
またさらに幼い女の子であれば「私はもう何を努力してもだめだ」と悲観的になることもあまりなく仮に困難が立ちはだかっても前を向きやすいため、
主人公を幼い女の子にするだけで女性に嫌われやすい女性像を比較的回避できるという創作的メリットがあります。
そのために、結果的に「小さな女の子の主人公であれば、芯の強い女性に見えやすい」という現象はおきるかもしれません。
これを、「幼い女の子だからハンディキャップを背負うことになるのでこういった長所が得られる」と考えるかどうかは、人によって意見が割れるところだとは思います。
続いて②の質問に回答します。
お答えとしては、「有効になる場合もある。ただしならない場合もある」が回答になるかと思われます。
女性でも面白くて、男性でも面白いという作品として両立を狙うことはかなり難しいです。そのため、作品の製作段階から男性と女性の両方の総取りを狙ったやり方は、正直あまりおすすめができません。
ネット投稿系の作品の場合、特に難しいのが「困難にあう」という部分の表現方法です。
男性向け作品の場合、一般的に「困難にあう」という状況はマイナスポイントとなり、読者の離脱を誘発します。
基本的には、「主人公が何の困難にもあわず、終始最強の能力で無双していつでも強い」が、ネット投稿系の男性向け作品つくりの原則になります。(もちろん例外もあり、場合によっては「困難にあう」ことがプラスになる場合もありますが、上級者以上向けのテクニックです。)
一方で女性向け作品の場合、ある程度までの「困難にあう」は許容されることがあります。
何故かといえば、女性向け作品の場合人間と人間のドラマ性や関係性に着目してくれる余地があるため、困難にあっただけでは読者離脱が起こりにくいのです。
極端な例を出せば、「困難を経て、女性主人公はより強くなり男性パートナーとの絆が深まった」というドラマであればある程度受ける可能性があります。
困難性を出せば男性読者が離れてしまい、逆に困難性がなく何もかもすべて最強の魔法で片付けられるという作品にすると、人間ドラマがなくなって女性読者が離れてしまう可能性があります。
これを両立することは不可能では決してありませんが、狙ってやると大変なので、おすすめとしては作品制作段階ではあくまで「男性or女性向け」というターゲティングをはっきりさせたうえで、運が良ければ両性に好かれる作品になるといいかなくらいで考えておくのが得策かもしれません。
それを踏まえたうえで、「そんなことはわかっている。それでも男性と女性両方に受ける女性主人公の領地経営ものをやりたいから企画を考えているんだ」という強い信念があるのであれば、おすすめとしては、
「主人公を幼い女の子を主人公としたうえで、そこそこ主人公を天才幼女にしつつ、まわりに一目置かれる明確な才能をもたせるが、一方で面白おかしいキャラクター性も持たせる。(例:特定の料理が好きすぎてその料理に異常なこだわりがある等。)
そして領主として領地を発展して領民と絆を作っていき、その中で困難が起きて主人公のまわりの人間たちは慌てるが、主人公だけはそれでも天真爛漫で自分のやりたいようにやった結果、困難も気づいたら乗り切っており無意識にまわりの人間も助けている」
のような企画がおすすめです。
2025年7月23日に作成した記事
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