はじめに
被災された皆様の早期復興をお祈り申し上げます。
ボランティア活動へ向かった経緯
今回FTETの管理人は消防ボランティアチームのひとつであるDGR.119のメンバーとして2/15~2/17の3日間ボランティア活動をしてきました。その中で活動した内容と活用した
スキルなどを紹介していきます。
3日間の主な活動内容と利用したスキル
主な活動内容
・倒壊建物からの貴重品取り出し
・倒壊建物からの車両救出
・道路警戒
利用したスキル
・建物の進入や重量物除去のための安定化(ショアリング)
・建物進入のための開口部作成(ブリーチング)
・車両救出のための重量物除去や移動(リフティング、ブリーチング)
・重量物を高所からの低所へ(ラダーシステム)
1日目
・貴重品の取り出し
・通路警戒
・車両の救出など
管理人コメント
チェーンソーの必要性を強く感じた現場が多かったです。管理人も自前のレシプロソーを持っていきましたがあまり役に立ちませんでした。午後の現場では屋根からの瓦の除去などマンパワーの必要性と重機の力強さを感じた現場でした。
車両救出後に見せた被災者様の涙が忘れられません。また③の記事で書きますが、接遇の重要性を感じた日でした。
(位牌を取り出すために進入口を作成)
(下に埋まっている自販機を搬出するために重機で進入口作成)
(安定化を行い貴重品の取り出し)
(隣の敷地にはみ出した倒壊建物の除去)
(重機で建物に寄りかかっていた重量物を除去:オペレーターDGR.119-石井氏)
(下にある車両を救出するために瓦を撤去中)
(重機とマンパワーを活用しての車両の救出)
(3台の車両を救出することができた)
2日目
・貴重品の取り出し
・車両の救出など
管理人コメント
午前中は物理的にチェーンソーが地面で始動できない現場で活動しました。たち掛けの必要性を感じます。また、安定化はしてある現場でしたが余震があった際にどこから逃げるかなどを考えながら活動をする必要がある現場でした。ご主人が大切にされていた絵葉書やカメラ、車の鍵など全て見つかり本当に喜んでくれました。
午後は奥様を助けるために陸上自衛隊の重機によって建物のほとんどが破壊されてしまったお家の現場に入りました。2班に分かれ私のチームはパソコンとUSBの捜索をしました。結果としてパソコンと見つけられただけのUSBを発見できたほか、別のチームがご主人が探していた将棋盤を見つけることができました。
(思い出の物品を検索)
(狭所空間でチェーンソーを利用しながら活動障害を排除していく)
(「本当にありがとうと」伝えてくれました)
(重機と人の手を利用してこの中からUSBを探す)
(貴重品をつぶさないように繊細な運用が求められる:オペレーターDGR.119代表-ジョージ氏)
(重機により上部にあった障害物を除去したところパソコンを発見)
(チェーンソーを利用して進入口作成し床下に落ちていたUSBとSDカートを回収した)
(将棋盤を発見)
3日目
・車両救出
・道路警戒
・土砂崩れに巻き込まれたお家からの貴重品取り出し
管理人コメント
午前中は車両救出とタイヤの捜索を行いました。タイヤはすぐに見つかりましたが、車両を救出するために重機とチェーンソー、パワージャッキをフル活用しました。屋根全体が車両にのっかっていたため瓦と屋根を除去し、梁をチェーンソーで除去しました。梁を切断する際はどんな体勢からでも切断できるスキルが必要だと感じました。その後ジャッキを利用して梁を除去し、安定化を行って活動は終了しました。
午後は想像を絶する現場でした。土砂崩れが発生した後に、一時的な仮の道路を通すため重機で土砂と倒木を倒壊建物の上に捨てた結果、どこになにがあるのか分からない中での貴重品捜索となりました。私のチームは崖上のシンクの搬出と貴重品捜索にあたりました。シンクは人力で搬出できましたが、ほぼ無傷の耕運機は諦めていました。しかし、DGR.119代表が土砂に埋まっていた二連はしごを利用したUSARのスキルのひとつである「ラダーシステム」で降ろせると判断し、結果として無事にご主人のもとへ耕運機は引き渡されました。
間違いなくDGR.119代表がこの現場に居なければ、この耕運機がご主人の手元に行き渡るのは遠い先のことだったでしょう。学ぶことの重要性を感じた現場でした。
(屋根が車両の上にあり、車両が出せない)
(重機と人の手で解体開始:オペレーターDRT千葉-タイチ氏)
(車両を押しつぶしている梁を除去)
(ジャッキアップの柱を作成)
(ジャッキアップ中)
(安定化を実施)
(車両は救出された)
(道路啓開-安全に車が通れるように砂利を敷いていく)
(途中警察車両が通って行った)
ラダーシステムでの耕運機救出
利用した道具(現場ではこれしかなかった)
ロープ40m
カラビナ2枚
スリング2本
地面に埋まっていた二連はしご
(トタン屋根を外して、進入口作成開始)
(耕運機を出すために埋もれていたはしごを救出する)
(耕運機の搬出障害となっている棚を除去)
(ラダージン設定)
(搬出開始)
(崖にあったスロープを利用しながらゆっくり降ろす)
(ロープが足りなかったため途中でカンチレバー・ラダーに切り替え)
(無事に搬出が完了した)
3日間の活動を通して
DRTの皆様と多くの消防職員の皆様と活動した3日間でした。ボランティア活動に参加した多くの消防職員は「来てよかった」と話してくれました。組織を変えることは一朝一夕で変えることはできません。しかし、自分自身の行動と心構えは今すぐに変えることができます。あなたができることをしましょう。特にUSARスキルは大規模災害が発生した際に服の色関係なく必要になるスキルです。学び身に着けていきましょう!
ご協力
DRT JAPAN
DRT JAPAN千葉
DRT JAPAN長野
DRT JAPAN愛知
DRT JAPAN横浜
DRT JAPAN広島
日本笑顔プロジェクト
DGR.119
etc