ライトノベルの定義とは何でしょうか?プロ作家が回答します。
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この記事の作者はプロのラノベ作家です。
Q、ライトノベルの定義とは何でしょうか?
ネットサーフィンをしていてふと思ったのですが、ラノベである小説とそうでない小説の境目は何でしょうか?
感覚的に理解できるのですが、言語的に理解するのが難しいです。
ライト文芸もここに加わるとさらに話がややこしくなる気がしますが、某新人賞の選考段階のコメントを読んでいて気になったので質問させていただきました。
個人的には登場人物の演出方法だったり、会話文が主体か否か、という風に考えています。お考えを聞かせていただけると幸いです。
A.ジャンルの境目はレーベルの違いであるが、一番正しく厳密な答えです。
分類の考え方にいくつか種類があり、難しい部分の話になってしまうかもしれません…。
原則として定義的には、「ライトノベル編集部」や「ライトノベルレーベル」から最初に出された作品はライトノベル、「一般文芸系レーベル編集部」から最初に出された作品は、一般文芸です。(もっと言えば、キャラ文芸系編集部から出た作品は、キャラ文芸です。)
なので、電撃文庫から最初に出された作品は全てライトノベルですし、メディアワークス文庫から最初に出された作品は全てキャラ文芸であり、角川文庫から最初に出された本は全て一般文芸作品です。
どれだけ一般文芸っぽい電撃文庫作品があったとしても、定義的にそれは流通上ライトノベルとして扱われます。ジャンルの境目はレーベルの違いである、というのがこの手のジャンル分けにおける一番正しく厳密な答えです。
それを踏まえた上で、
その本の出ているレーベルを無視した時に、その作品をライトノベル「っぽいもの」として考えるか一般文芸「っぽいもの」として考えるかは、また色々考え方があると思います。
個人的に思う非常にざっくりとした考え方ですが、
例えば本文内の「ビックリマーク(!)の登場回数」等はわかりやすい指標かと思われ、多ければ多いほどライトノベル的に、少なければ少ないほど一般文芸的な作品になります。
ラノベ新人賞応募作品なのに、ほとんど「!」の記号が登場しない作品なんかは、「もっとラノベらしくしてほしい」と批評されることが多いような気がします。
逆に極端な例ですが、登場する会話文の末尾に全部「!」をつけたとしたら、雰囲気だけですが僅かだけラノベっぽくはなるかもしれません。
また別の視点ですが、「読者にとっての旨味をどれだけあからさまに出していくか度」も、指標になると思います。
あからさまに出せば出すほど、ライトノベルに近づきます。
例えば、「主人公は作中で超強い権力を持つまでに成り上がり、主人公を慕うキャラも出てきて、主人公を好きなヒロインもいて、色々最強です!」のような作品を企画にしたら、旨味のどストレートさ(あからさまさ)的に確実にライトノベルと言われるものになります。
転スラ等はこの系統の作品に分類してよいのではないかと思います。
しかしこの旨味を全く別のテーマ性でうまく包み込み、あからさまさを消していくと一般文芸に近づきます。
例えば先ほどの「主人公は作中で超強い権力をもつまでに成り上がり、主人公を慕うキャラも出てきて~」企画を「時代劇」というテーマ性で包むと、ライトノベルではなくなります。
「水戸黄門」や「キングダム」はまさにこの構図ですが、(水戸黄門に関しては成り上がるまでもなく最初から主人公が『超強い権力』を持っていますが、)
水戸黄門やキングダムのノベル版をライトノベルだと判定する読者は恐らくほぼいません。
このように、持ってる旨味の本質はライトノベルとさして変わりませんが、演出方法からあからさまでは無くなっていくとある種の「一般文芸化」現象が起こります。
旨味のパッケージングの有無が、ある意味「ラノベっぽさ」と「ちょっとラノベっぽいけど一般文芸っぽさ」を分けているのかもしれません。
2024年6月20日に作成した記事
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