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単勝オッズ40倍以下の解析による弊害

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単勝オッズ40倍以下の解析による弊害
近年の競馬は
「人気と大穴が美味しい」
と言われることが増えてきました。


これは2年前にサロン内で公開したコラムでも紹介した通り、競馬AIや指数を使った投票が当たり前となった現代においては必然的に訪れた未来と言えそうです。

参考:単勝オッズ別の回収率推移(※サロン限定コラム引用)
https://salon.dmm.com/1309/posts/786417


また、競馬AIの影響はオッズだけに限りません。

例えば今年の宝塚記念の解説で紹介した「前走着順」のデータも時代の変化を表しています。
それだけ期待値で競馬を考える人が増えた結果、逆に本当に強い人気馬を取捨する力が問われているといっても良いでしょう。


参考:宝塚記念 枠前展望②(※サロン限定コラム引用)
https://salon.dmm.com/1309/posts/1507658



これまで自分は競馬データの解析において「単勝40倍以下」に限って解析を行ってきました。

これは単40倍を超えるデータは過剰人気していること。
そして大穴を加えた分析はデータの分散を大きくし、ブレかどうか判断しにくくなることが理由です。
これは著書:降格ローテの中でも詳しく述べた通りです。


実際に最近活躍している予想家さんのデータを見てみると、たしかに
「単30倍以下」、「単50倍以下」、「8人気以下」など
オッズや人気を限定して解析しているのをしばしば見ます。

もし上記のような「単40倍以下」の解析が当たり前になった場合、稀におこる「単40倍以上」でのねらい目は無視されやすくなります。

また、これこそが冒頭で述べた大穴が美味しいという傾向に拍車をかけている可能性もあり、逆張りの考えからは「単40倍以上での解析」も有用な手段になると考えられます。


例えば「性別による成績」
一般的に単40倍以下であれば性別による成績はほとんどありません。
そこで今回は「単40倍~140倍」という現実的に十分あり得る穴馬に絞った場合で解析してみると、なんとセン馬の単勝、複勝ともに回収率が優秀であることがわかります。(※以下、データは近5年)


  単回値 (%) 複回値 (%)
牡馬  66.1 73.0
牝馬  68.5 71.1
セン馬 74.4 81.2


穴馬は普通に走ったところで好走する可能性は低いため、去勢など大きな変化が必要なのかもしれません。


他にも「ブリンカー」について。
以前、公開したコラムではブリンカーの着用、未着用での成績差は少なく、特定の条件においてのみ有効であることを紹介しました。


参考:ブリンカー着用馬の考え方(※サロン限定コラム引用)
https://salon.dmm.com/1309/posts/620481


そこで今回も同じように「単40倍~140倍」に限定してみると、前走の着用、未着用に関係なく、今走でブリンカーを着用している馬のほうが回収率が高くなっています。


【今走 前走 単回 複回】
未  未  66.3 72.7
未  使用 53.2 71.6
使用 未  70.6 76.8
使用 使用 80.0 76.0


これも前述の去勢と同じく、なんらかの変化がある馬のほうが穴馬は好走しやすいと言えるのかもしれません。


このように、単40倍以下ではねらい目にならないものでも、穴馬に限定することで逆に狙い目となる条件がでてきます。


もちろん穴馬に限ったデータはサンプルが少なく、またデータの特性上ブレが大きくなるのは事実です。
しかし、現代において大穴馬は無視されていく可能性がある以上、決して無視できない解析方法と言えるでしょう。



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