「ヴィジュアル系かく語りき」
伝説のヴィジュアル系バンド「MALICE MIZER」創始者のMana様が、同じ時代を
駆け抜けてきたバンドマンや関係者をお招きする対談企画。今回は、筋金入りのMALICE MIZER通としても知られる、DIR EN GREYのShinyaさんが登場です! 冒頭はぎこちない緊張感が漂うも、およそ1時間半の対談中に次第に縮まる二人の距離……。
(文・構成/本田水奈子)
―今回はMana様からのご指名で、Shinyaさんにお越しいただくこととなりました!
Mana:そうね。なんだかんだだいぶ前から知ってはいるんだけど、ちゃんと話したことはなかったから。今回、ちょっと対談してみたいなと。
Shinya:ありがとうございます。そうですね、初めてお会いしてから10年くらい経つかもしれません。でも、深くお話する機会はなかったですよね。
Mana:だから今日はShinyaくんの謎に迫ってみようかと。
Shinya:ハイ。
Mana:もちろん少しは話したことがあるから、どんな音楽が好きだとかはある程度知ってはいるんで、そのへんをより深く深く掘り下げたいと思います。
Shinya:……ハイ。(緊張? 恐怖? で少々こわばりつつ)光栄です。
―お二人が初めて対面したのは、どんなキッカケだったんですか?
Mana:たぶん、リキッドルームだったと思うんだけど。
Shinya:お。
Mana:違う?
Shinya:合ってます。
Mana:KAMIJOとかもいなかった?
Shinya:そうです。
Mana:ということはMoi dix Mois主催のライブイベントだよね。Köziとかも出てたんじゃないかな。KöziソロだったかZIZだったかで。
Shinya:Köziさんのソロだったと思います。
Mana:その時に初めてShinyaくんと会って、記憶が正しければCDをもらったよね。
Shinya:そうです!
Mana:黒いジャケットの…『UROBOROS』だったと思う。
Shinya:そうですそうです。覚えていてくださったとは!
Mana:でも、その時はあんまり話さなかったよね。
Shinya:はい。ぜんぜんお話しできなかったんですよ。
Mana:無言で受け取っただけ……。みたいな(微笑)
Shinya:その時、カツオさん(Mana様の従妹さん)がいらっしゃってたんですけど。
Mana:あ~、そうだっけ。
Shinya:で、カツオさんが「良かったらManaさんと連絡先交換したらいいじゃん!」って振ってくれて。
Mana:うん。言いそう。
Shinya:喜んだのもつかの間、Manaさんから「そういうの、ちょっとやってないんだけど……」って言われてしまいました(笑)
Mana:え? ホントに? じゃあその時は連絡先交換してないの?
Shinya:してないッス(苦笑)
―今はもちろん、連絡先はご存じですよね? 今日のオファーもMana様ご自身でShinyaさんに連絡をとったと伺っています。
Mana:てっきりリキッドルームで交換したんだと思ってたから、じゃあ何キッカケで連絡先交換したんだろう。
Shinya:5~6年前です。
Mana:ん? なんの時?
Shinya:(答えは言わない)……とりあえずManaさんのLINEをゲットできて……、ああやっと自分はここまで来たのか! と思いました(ニヤリ)
―LINEでやり取りされているんですか?
Shinya:ハイ!まあ、要所要所で。
Mana:しょっちゅうやりとりしているわけではないけどね。例えば、SHIBUYA-AXの時だったと思うけど「ライブ観に行きたいです」っていうのが来たり、ソロプロジェクト、SERAPHでネットトークがあるんですけど是非ともコメント頂けますか?とかかな。
Shinya:はい。
―お互い絵文字などは使われるんですか?
Mana:使ってたかなぁ…。
Shinya:いや、Manaさんは絵文字使わないです。
Mana:あ、そう?
Shinya:スヌーピーのスタンプは来ますけど(笑)
Mana:使う使う(腐腐腐)
Shinya:はい…。
Mana:……。
Shinya:……。
Mana:……………。
Shinya:………………。
―Shinyaさんは大のマリスファンだと認識しておりますが、初めてMALICE MIZERの存在を知ったのはいつくらいの時ですか? その当時のエピソードを教えてください。
Shinya:最初に音源を買ったのは『memoire』ですね。
Mana:へぇ。結構古くから知ってくれていたんだね。
Shinya:はい。最初、何かでMALICE MIZERのアー写見た瞬間「これは絶対カッコイイ!」と直感的に思ってすごい興味を持ったんです。でも、今みたいにサブスクで瞬時に聴ける環境じゃないから、興味を持っても音源をすぐに聴くことができない時代だったじゃないですか。CDを買いにいかないと聴けないので。なので、アー写を目にしてから音を実際に聴くまでちょっと時間が空いたんです。そしたら、その空白の期間に自分の脳内で勝手にMALICE MIZERの音楽を想像してしまっていて。
Mana:面白いことするね。
Shinya:アー写からのイメージで、きっとこういう音楽なんだろうなって。で、実際に初めて聴いたのが友達の家で聴いた『スピード・オブ・デスパレート』だったんですけど。
Mana:ほぉ。
Shinya:「思ってたんとぜんぜん違う!!!!」って(笑)
Mana:あ、そうだったんだ(微笑)
Shinya:想像してたのとまるで違くて。
Mana:逆にどういうのを想像してたのか気になるけど。
Shinya:たとえていうのもアレなんですけど……。なんとなくAMADEUSみたいなのを想像してたんですよ。
Mana:……はーん。
Shinya:と思ってたら、リズムは速いし結構ハイトーンだし。
Mana:『スピード・オブ・デスパレート』はあんまりクラシック要素は入っていないからね~。
Shinya:そうなんです。でも、それですっかりハマってしまってしまいました。「めっちゃカッコイイ!」と思って、ちょうどその頃に出た『memoire DX』をすぐに買ったんです。
Mana:そうかぁ。
Shinya:はい。
Mana:へぇ……。
Shinya:……。
Mana:ふーん。
Shinya:………………。
―あ、あの。さきほどからちょいちょいお二人して無言になるんですけど……。緊張、されています?
Shinya:されてます! 僕にとってMALICE MIZERは神なんで。
Mana:え、緊張してるの?
Shinya:はい。それはもう。
Mana:じゃあ私が対談を引っ張らないといけないってことか…。なるほど。じゃあねぇ………どうしようかなぁ………。
Shinya:…………。あ、じゃあ僕から質問します!
Mana:お。
Shinya:逆にManaさんがDIR EN GREYの存在をいつ頃知っていただいたのかな? って。
Mana:LAREINEと対バンとかしてた?
Shinya:前のバンドの時からずっとLAREINEとは対バンしていました。
Mana:そうなんだ。
Shinya:前のバンドも、ベースが違うだけでほぼDIR EN GREYなんですけど。
Mana:へぇ。前のバンド、写真は見たことあるよ。
Shinya:そのバンドの時にLAREINEと2マンでツアー回ったりしていたんです。
Mana:たぶんその頃って、KAMIJOがMALICE MIZERのローディーをすでにやってたと思うから、その流れでDIR EN GREYのことは知ったんだと思うな。
Shinya:じゃあ、インディーズ時代から知っていただいていたんですね。
Mana:そうだね。初期と今とでは曲の感じもぜんぜん違うよね。
Shinya:そうですね。
Mana:『UROBOROS』の音源をShinya君からもらった時に初めてしっかりDIR EN GREYの曲を聴いたんだけど、「こんな複雑なことやってんだ!」ってすごいビックリした。どうやって覚えるんだろうっていうような感じだったでしょ?
Shinya:あの頃は複雑を目指していましたね。
Mana:あれって、クリック聴きながらドラム叩くの?
Shinya:そうですね。
Mana:拍子がすごい独特だからひとたび見失ったらもうわけわからなくなるよね。
Shinya:一回逃したら崩壊ですね。
Mana:だよね。よくやってるなぁって思ったのを覚えてる。MALICE MIZERの曲も結構ややこしいって周りからは言われていたんだけど、それどころの騒ぎじゃないややこしさだったもんね。
Shinya:はい。
Mana:うん。
Shinya:……。
Mana:……。
Shinya:(なぜだかじっと床を見つめている)
Mana:あ、そうだ。
Shinya:はい。
Mana:前に、AION(アイオン)が好きっていってたでしょ?
Shinya:そ、そうです! AION、好きです!
Mana:その話で、打ち上げの時に盛り上がったんだよね。
Shinya:はい。
Mana:AIONって言っても、これ読んでる人はちょっとわからない人もいるとは思うけど。
Shinya:関西のメタルバンドなんですけど。大御所の老舗バンドです。
Mana:いきなりAIONに入ったの?
Shinya:最初はXからですね。
Mana:なるほど。XからのAIONの流れだったのか。AIONはどのくらいの時代のやつから聴いてたの?
Shinya:ちょうど1991年に佐分利淳(ドラムのS.A.B)さんが抜けるくらいの時から聴いていました。メジャーの2枚目くらいの頃ですね。
Mana:はいはい。
Shinya:Manaさんは、AIONでいうと『HUMAN GREIFMAN』世代ですか?
Mana:私は『HANG ON NIGHT』かな。
Shinya:めっちゃ初期! レコードの時ですよね!
Mana:そうそう。高校生くらいの時かな? 聴いてたのは。
Shinya:そういうのってどこで知るんですか?
Mana:『ロッキンf』とかだね。で、レコード買ったんだけど『HANG ON NIGHT』よりもB面の『BLOODY』って曲が気に入って。
Shinya:はいはい。
Mana:『BLOODY』ってめちゃくちゃ速いんだよね。ベースもブルブルブルブル激速で。その速さに衝撃を受けたなー。
その後、高校を卒業したら広島を出て大阪に行きたいなーと思って。
Shinya:バンドをやるために?
Mana:いや、やろうかな……やるかもね、くらい。まだ具体的にはなんにも決めずに。でも、当時『ロッキンf』とかで記事を目にしていたバンドのライブを大阪で見まくってやろうとは思って大阪行こうって。で、大阪に出て実際ライブハウスに通ったんだよ。実家で聴いてた頃は「AIONはあの超速い『BLOODY』を本当に演奏してるのか?」って疑ってたんだけど、ライブ観たら本当に演奏してた。
Shinya:(笑)
Mana:スゴッ!と思いながら観てたよ。
Shinya:(笑)
Mana:実は、後にAIONのDEANさんに会う機会があって。
Shinya:へぇ!
Mana:その時の想いを伝えることができたんだけどね。
Shinya:へぇ! いつ頃お会いになったんですか?
Mana:4,5年前かな?
Shinya:え、めっちゃ最近じゃないですか!それまでAIONのメンバーとは面識はなかったんですか?
Mana:全然なかった。4,5年前にMoi dix MoisのSeth君から「DEANさんがライブ観たいって言ってくれてるんで」って話が来て、「ぜひ!」って。で、で実際に来てくれたんだよ。
Shinya:へぇ!
Mana:で、私がキッズの頃に思っていた『BLOODY』のベースプレイについて熱く語ったら、DEANさんも「おぉ!」って言ってくれて……。
Shinya:DEANさん、めっちゃイイ人ですよね。
Mana:イイ人だった。うん。
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後半のトピックは…
■Shinyaが初めて観たMALICE MIZERのライブで衝撃の出来事が!
■Shinyaソロプロジェクト、SERAPHの裏話
■Mana様、正直さんぽ
Guest profile ======================
Shinya
大阪府生まれ。DIR EN GREYのドラマー。97年に同バンドを結成し、99年にメジャーデビュー。2002年開催のアジアツアーを機に、アメリカやヨーロッパ各国にも進出。2017年にはソロプロジェクト“SERAPH”が始動。自身のYouTubeチャンネル“Shinya Channel”では企画や動画編集を自らが行い、多方面でその才能を遺憾なく発揮している。
[DIR EN GREY Official Website]
[SERAPH Official Website]
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[Shinya Official Instagram]
[Shinya Channel]
[Shinya Channel YouTube]
https://www.youtube.com/channel/UC3KTaoEpibYvvLV8PnYURIw/featured