ラノベで読者を感動させる方法とは?
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この記事の作者はプロのラノベ作家です。
Q.読者を感動させる方法について。
ラノベ新人賞受賞作などを読んでいて、考えることなのですが。
物語の後半。主人公のバディが死の危機に直面する展開が入ります。
86なら、仲間全員が死ぬことがわかっている戦いに向かう。
ギルマスならバディがダンジョンボスに殺されそうになる。
ここで主人公は禁止されていた行動を取って(制止を振り切って自己犠牲的に)、バディや仲間を助けに行くことで感動となります。
この感動を盛り上げるためには。
バディや仲間の好感度を十分にアップしておくのが、おそらく最重要だと思うのですが、いかがでしょうか?
例えば、大ヒット作「君の膵臓をたべたい」のヒロインは、徹頭徹尾、主人公のことが大好きで、かつ困っている人を助ける善人で、主人公との絆を育むエピソードをこれでもかと積み上げています。
ラノベ新人賞なら、バディとの仲は険悪から始まるパターンが多いです。
(主人公とは正反対の立場、価値観の持ち主と一緒に行動することになる)
この好感度マイナスの状態からスタートし、バディの好感度をアップさせるようなイベントを積み上げていって。
バディは(読者から見て)良い人間で、主人公のことが好き。
という状態に持って行ってから、ラストの死の危機に直面させることが、感動レシピかなと思うのですが、合っていますでしょうか?
(なろうやカクヨムでも、ヒロインの好感度を高めてから助ける手法が見られます。好感度とは、「善人性」×「主人公が好き」で決まると思います)
A.まず前提として、どうすれば感動的なシーンが書けるか、何故感動レシピが重要になるのかということを、頭の中でイメージしておきましょう。
順序としては、
『ラノベ新人賞で一番重要なのは、読者が夢中になってくれる小説を作るということ』
→『そのためには、キャラクター(特に主人公)の魅力を作中で立てることが最重要』
→『主人公の魅力を立てるには、主人公がカッコいい行動をするのが手っ取り早い』(他にも方法はあります。)
→『カッコいい行動だと読者に思わせるためには、その行動が読者にとって納得感がいくもので、かつ感動的に演出されたものであればよい』
→『納得感がいくもので、かつ感動的なシーンを書くにはどうすればいいか?』
という疑問に行きついている経緯があります。
もし納得がいかない行動だと、主人公はカッコよく見えません。
例えば、主人公がものすごく強くて華々しい魔法攻撃で相手をやっつけたとしても、そのやっつけた相手が日頃から優しい行いばかりしている優しい少女であったら、この行動は意味不明です。
どれだけカッコいい必殺技を出していようとも、倒している相手が悪人でも何でもない以上全くこの行動に読者が納得することはできず、そのためカッコよく見えることはありません。
また、感動的でないシーンだと、(全くカッコよく見えないということはないですが)これもあまりカッコよくは見えません。
例えば、主人公が駅前で一人のサラリーマンに「市役所はどちらか聞いてもいいですか?」と聞かれ、それに対して「市役所はあの道を右ですよ」と道を教えたというシーンがあったとしても、『すごい主人公カッコいい!』とはなりにくいものがあります。
なぜなら街中で人に道を教えるという人助け行動が、特に感動的なものではなく日常的な光景だからです。
以上を全て踏まえた上で、
まず主人公とバディ、もしくは主人公と仲間の好感度を事前にあげておくのは非常に重要です。
なぜならば、根本的に「仲間を助ける」という行動にはそれだけで納得感があるからです。
バディの好感度をあげるようなイベントを積み上げていけば、その積み上げた量だけ「助けるのは当然、だっていいやつなんだから」と納得感を稼ぎやすいことも説明は不要かと思います。
バディとの関係性を好感度マイナスから始めることのメリットは、マイナスから始めた方があとからプラスになった時にゼロスタートよりは積み上げた量が大きくなることにありますが、
逆に「マイナス期間」が長すぎると読者が「何でこんな主人公に逆らってくるやつを主人公は守らなければいけないの?」と納得感の消失に繋がることがあるので、バランスを取る必要はあるかもしれません。
また「ラストの死の危機」ですが、その仲間が助けないと死にそうという状況は、裏を返すと「主人公がそのキャラを助けた時に感動に繋がる」ということになるので非常に効果的です。
もちろん全ての読者に効果的なわけではないですが、(例えばそもそもスローライフ系ののんびりさを求めている読者には、無駄に人が死んでいくのは刺激が強すぎると忌避されますが、)この場合ラノベ新人賞での戦い方を前提に置いてるので、「バディが死にそう」系はとりあえずやっておけばプラスポイントになると考えて間違いありません。
ただ大切なのは、感動シーン自体が目的なのではなく、その感動シーンがキャラクターを魅力的に見せる演出装置となって、読者がこのキャラいいなあと思ってくれるようにすることが目的であることを意識しておけると良いと考えられます。
2024年3月2日に作成した記事
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