ラノベヒロインのキャラを魅力を立てるために必要なたった一つのコツ
テキスト
- 内容
- ライブラリ
この記事の作者はプロのラノベ作家です。
Q.ヒロインの魅力が出にくくなる罠やパターンがあるのではないかと考えています。
ヒロインは主人公を溺愛することが、ラノベやWeb小説では一般的に正解だと思うのですが。
複数のヒロインが登場して、主人公を溺愛する場合、そのキャラに合った溺愛のパターンを用意しておかないと、キャラの個性が埋没してしまうのではないかと考えています。
例えば、同じように主人公が好きと言って主人公をヒロイン同士が奪い合うケースでは、美味しさを提供できても、キャラの個性が出なくて失敗するのではないかと、考えています。
同じアプローチではダメ。
この場合、例えば暗殺者ヒロインなら、他のヒロインを殺そうと殺意を向けるなどして主人公が止める。お姫様なら、傲慢に迫ってくるなど、溺愛にもキャラごとのバリエーションを用意しないと、飽きる気がしています。
また、ヒロインが主人公をすぐに溺愛してしまうと、それはそれで変化の美味しさを提供できなくなるというデメリットが存在しているので。
複数のヒロインのうちの一人は、すぐに主人公になびかないなどというバリエーションも用意しておくべきなのかなと考えていますが、いかがでしょうか?
A.大前提として、Web小説に関しては「キャラの個性が埋没しても」あまり問題ではありません。
キャラクターたちがしっかりやるべきことをやっていれば、それで最低限の数字は取ることができます。
例えば主人公がもてまくるハーレム系Web小説においては、ヒロインたちがしっかり主人公のことを溺愛しているということが「やるべきことをやる」に相当します。
そもそも、キャラクターの個性をそれほど立てなくとも、テンプレートさえしっかり拾えればある程度の数字が得られるというのが、新人賞には存在しないウェブ小説のメリットの一つであり、これを利用しない手はありません。
そして以下は、ただ書籍化するだけでは駄目で、その先を更に見たいと考えている場合の話です。
こういった場合に限り、キャラクターの個性を立てる必要性が出てきます。
新人賞系作品に必要とされるようなキャラクターの立て方を、Web系小説においても取り入れる必要性が出てきます。
この場合、まずヒロインのキャラクターを立てる前に、
「そもそも何故主人公は複数のヒロインから溺愛されているのか。その主人公の魅力の本質は何か」ということをしっかり考える必要があります。
裏を返すと、ここを立てなければヒロインのキャラを立てることができません。
例えば、主人公が権力者でかつ頭が良くて、色んなヒロインがそれを魅力に感じて近付いてきている――という状況があったとします。
この場合、「権力者で頭が良い」という部分を、ヒロインによってどう解釈するか、その差が個性に繋がってきます。
例えば「主人公の頭の良さに憧れている」というヒロインであれば、「主人公の言うことを全てメモしようとするクセがある」といった個性を持つヒロイン像があり得ます。
何故ならこのヒロインは主人公の頭の良さに憧れているので、「私も主人公のように頭が良くなりたい」と思うのであれば、当然主人公の発言はメモしてそれを元に勉強しようとするだろう――という個性が出始めておかしくないからです。
一方で、同じ「主人公の頭の良さがすごい」と思っているヒロインでも、切り口を変えて、「主人公が本当に頭の良い人間なら、私の暗殺くらいいとも簡単に避けてのけるはず」など、自分が攻撃を仕掛けてそれを頭の良さをもっていとも簡単に避けてくる主人公像に魅力を感じるという、少し変なヒロインが出る可能性もあります。
さらに一方で、頭が良いという部分には魅力を感じていないが、「主人公は権力者である」という部分に魅力を持っているヒロインの場合、例えばですが「主人公の悪口は決して言わないが、実は裏で結構、他人の悪口を言っている」といったようなヒロイン像があり得ます。
憎い人間がいるからこそ、それを弾圧するために権力に憧れるのであり、ゆえに権力者である主人公が好きである、といったパターンになります。
このように、キャラクター(特に主人公ハーレム系作品のヒロイン)の個性とは、
「キャラクターに適当に変わったことをさせればいいや」ということではなく、「主人公の魅力をどのようにヒロインたちは捕らえ、それに対してどのような反応をするか、その反応の出し方」に該当します。
ゆえに最初は、その土台となる主人公の魅力の定義をはっきりさせることが、キーポイントとなってくるのではないかと思います。
2024年8月25日に作成した記事
エンタメノベルラボに入会するとより高度な情報が閲覧できます。
ぜひ入会してください!
-
媒体の読者ニーズが何か探るのが、おもしろい物語を書くために最重要
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q,最近、おもしろいストーリーの条件とは、以下の2…
テキスト -
Web小説の書き方。冒頭で、もっとも注意すべき点とは?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.Web小説の冒頭の書き方で、注意すべき点は以下…
テキスト -
小説の文章講座『小説に必要な文法は6つだけ!』
作家わかつきひかる先生の小説講座 わかつきひかる先生は、ラノベや時代小説、官能小説など幅広…
動画 -
現代の物語は、展開が早い方が人気が出ますか?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.現代の物語は、展開が早い方が良いのではないか?…
テキスト -
無双系の小説では主人公より強い敵、同格クラスの敵がいた方が良い?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q、無双系では、主人公より強い敵対者、あるいは主人…
テキスト -
Web小説でもウケて、市場でも売れる作品タイトルとは
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.Web小説でもウケて、市場でも売れる作品タイト…
テキスト -
魔法少女物の書き方。作家わかつきひかる先生の小説講座
作家わかつきひかる先生の小説講座 わかつきひかる先生は、ラノベや時代小説、官能小説など幅広…
動画 -
大ヒットしてアニメ化までする小説と、そうでない作品の最大の違いとは?
この記事の回答者はプロのラノベ作家です。 Q、大ヒットしてアニメ化までする作品と、そうでな…
テキスト -
男性向けラノベの女性主人公に必要不可欠な3つの特徴とは?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.男性向けラノベの女性主人公には「無双」が必要不…
テキスト -
創作活動は自分を追い込むことで限界以上の才能を発揮できるでしょうか?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.創作で自分を追い込むことで、限界以上の能力が発…
テキスト -
Web小説コンテストを受賞【エンタメノベルラボ】メンバーのインタビュー
2024年3月20日、エンタメノベルラボでWeb小説コンテストの受賞されたメンバーが現れた…
テキスト -
ライトノベルで日常系を書くための2つのコツ
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 日常系のライトノベルは難易度が高い 漫画ではなくラ…
テキスト -
超初心者向け「起承転結の書き方」。作家わかつきひかる先生の小説講座
作家わかつきひかる先生の小説講座 わかつきひかる先生は、ラノベや時代小説、官能小説など幅広…
動画 -
物語の書き方。ストーリーの本質とは「変化」と「納得感」である
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.タイトルが意外性と説得力だとしたら、ストーリー…
テキスト -
Web小説で最もウケる無双は、【格上を倒す】こと
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.最近、最もウケる無双は、【格上を倒す】ことだと…
テキスト -
ラノベのセリフの書き方のコツ6つ。プロ作家がお答えします
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.ライトノベルのセリフのコツは以下の6つだと考え…
テキスト -
コミカライズ原作賞を受賞。エンタメノベルラボメンバーのインタビュー
2024年3月6日、エンタメノベルラボでWeb小説コンテストのコミカライズ原作賞を受賞され…
テキスト -
感覚派、理論派の作家はそれぞれ何を努力すると結果につながる?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.感覚派、理論派の作家はそれぞれ何を努力すると結…
テキスト -
ラノベで読者を感動させる方法とは?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.読者を感動させる方法について。 ラノベ新人賞受…
テキスト -
ラノベヒロインを魅力的にする2大要素。「善人」「主人公が好き過ぎる」
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q、最近のラノベを読んでいて感じるのが、ヒロインの…
テキスト
オンラインサロン情報
小説家オンラインサロン【エンタメノベルラボ】書籍化&新人賞受賞者多数!
サロン紹介
- 運営ツール
- DMMオンラインサロン専用コミュニティ