小説の書き方|主人公の目的と動機を強くする「感情投資」
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この記事はプロのラノベ作家が監修しています。
Q.昔、漫画編集者さんが「大ヒットする漫画の条件は、主人公が第一話で自分のやりたいことを言うことだ」と言っていました。
ONEPIECEやナルトみたいなものです。
そうなのかと、思って自分の小説では全部これをやってきたのですが、これに加えて、もう一つ、小説の冒頭部分では、主人公がなぜそれをやりたいのか動機を強化する「感情投資」が必要なのではないか?と考えています。
例えば、
前世では何もできず、大切な妹を失った。
今度こそ、何があっても妹だけは死なせない。
となると、同じ「妹を救う」という目的でも主人公の動機が一段強くなります。
主人公の目的を提示
↓
その目的を持つ理由=動機となるエピソード
(失敗した場合の痛み・代償)
(主人公自身の強い感情)
↓
読者も「叶ってほしい」と思う
という流れを作っておくと、だいたいストーリーは成功するように考えていますが、いかがでしょうか?
A.いただいた内容は、ほぼ100%正解だと思います。
目的の提示
↓
その目的を持つ理由となるエピソード(失敗した場合の痛み・代償、主人公自身の強い感情)
↓
読者も叶ってほしいと思う
という流れは、冒頭部分の設計としてきわめて正確です。
ただし、これを守れば100%ストーリーが成功する、ということではありません。
ただ、「成功報酬を得ようとするなら、そもそも投資をしなければ始まらない」という意味では、「感情投資」という表現は的確だと思います。
投資したからといって必ずリターンが出るわけではないが、投資しなければリターンの可能性はゼロである——という構造になっています。
この手の話で一番よく例に挙げられがちなのが、ヒロインやパートナーキャラが幽霊のような存在で、「主人公はヒロインを成仏させてあげたい」という系統の目的を持っている作品です。
こういった作品は実際に読んでみると、なぜ成仏させなければいけないのかが不透明なことが非常に多く、その理由も概ね「成仏させないと霊が幸せになれないから」といった、かなりアバウトな説明で済まされることが多いです。
これだと読者側に「叶ってほしい」という感情が生まれず、むしろ「そのまま一緒にいればいいんじゃないの?」と思われてしまうことすら多くあります。
こういった作品こそ、まさに「感情投資」が必要な典型例だと思われます。
主人公がなぜその動機を抱くに至ったのか——過去に誰かを見送れなかった経験があるのか、成仏させられないまま朽ちていく霊を見たことがあるのか、あるいはヒロイン自身が強く望んでいるのか——を具体的に描いておくことで、初めて「成仏させてあげたい」という目的が、読者にとっての願いに変わります。
言い換えると、第一話で目的を言わせるというのは「読者に向かって目標を提示する」作業であり、感情投資というのは「その目標に読者の心を乗せる」作業とも言えます。
前者だけでは情報の提示に留まってしまい、後者があって初めて物語の推進力になる。
漫画編集者さんの言葉に付け足された部分は、まさにこの欠けていたピースだと思います。
ちなみに、この感情投資は必ずしも「妹が死んだ」のような悲劇的なエピソードである必要はありません。
確かに「前世で妹を失った」のような痛みの提示は確かに強力で分かりやすいですが、「死んだことは仕方ないとして、妹が叶えられなかった夢を自分が代わりに叶えたい」とった願いの提示でも、読者が「わかる」と思える感情であれば機能します。
痛み一辺倒にならないよう引き出しを持っておくと、作品ごとにトーンを変えられるので使い勝手が良くなるかと思います。
2026年10月7日に作成した記事
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