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立花 峰夫のSo what? <2>

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立花 峰夫のSo what? <2>
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立花 峰夫のSo what? <2>


<ソムリエプロフィール>
立花 峰夫 / Mineo Tachibana
合同会社タチバナ・ペール・エ・フィス 代表
<ワイン情報>
生産者:Santadi /サンターディ
ワイン名:Rocca Rubia Carignano del Sulcis D.O.C. Riserva / ロッカ・ルビア カリニャーノ・デル・スルチス D.O.C. リゼルヴァ
葡萄品種:Carignano / カリニャーノ
ワインタイプ:赤ワイン
生産国:イタリア
生産地:Sardegna / サルデーニャ
ヴィンテージ:2016
インポーター:ヴィーノフェリーチェ
参考小売価格: ¥4,500税別
 
もう10年以上前になりますが、とあるワイン雑誌のアンケート企画で、「あなたをブドウ品種に例えるとナニ?」と尋ねられたことがあります。……これは大変にキビシイ問いでありまして、胸に秘めたる自己イメージ、すなわち膨れあがった誇大妄想なり、いじけた自己評価なりを世間様にさらせと求められているワケです。こんな底意地の悪い質問をする編集者が憎い、憎いぞと、下唇を血が出るぐらいに噛みしめたのですが、それでも何かしら考えないといけません。
 
もちろん、天地がひっくり返っても、ピノ・ノワールだとかリースリングだとか答えるわけにはいかないのです。それは、「似ている芸能人って誰?」と出会い系サイトで聞かれて、臆面もなく「松坂 桃李」と返事するようなものでして、ずうずうしいにもホドがあります。かといって、ロモランタンとか、ザンクト・ラウレントとか、そういういかにも「狙ってます」的な品種をあげるのも、歪んだ自己顕示欲が透けて見えるようでイヤです。イヤなのだ。
 
それで、三日三晩考えた末に思いついたのが、カリニャン。イタリアではカリニャーノ、スペインではカリニェーナまたはマスエロと呼ばれる、「凡庸」な黒ブドウです。世界での栽培面積は8万ヘクタールほど(全ブドウ中第11位)とありふれていて、かつアホみたいに高収量にもなる品種なので、一般的にはワインのお味はさっぱりイケてません(ただし、例外的な古木や、低収量の畑のものは別です)。これは、ワイン業界の片隅で、ひっそりこっそりと冴えない仕事をしている、ワタシの立ち位置をよく表しているのではないかと。
 
しかし、ここがワタシの実にいやらしいところなのですが、カリニャンという答えを準備しつつ、密かに胸のうちでイメージしていたのは、サンターディのロッカ・ルビアというワインなのでした。

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