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ワインリストからワインを選ぼう!!後編


ワインの価格を決める要素として、
前編では生産国や生産地域の平均賃金、物価、生産量というお話をいたしましたが、
後編では別の要素のお話を致します。

それは、
「需要と供給」です。

ワインという飲み物は非常に市場原理に影響を受けやすいものです。

つまり、人気のあるワインの供給量が少ないと、価格が大きく上昇する傾向があると言うことです。

その最たる例は、フランス・ブルゴーニュのコート・ドールです。
名高い特級畑の数々や、村や畑、生産者のスタイルによって、様々な表情を見せ、またそれらが緻密に体系化されていることもあり、マニア心をこれ以上なくくすぐるワインです。

しかし残念なことにブルゴーニュの生産量は(特に生産者単位で区切ると)けっして多くありません。
中国を始めとするアジア圏の新興ワイン消費国からの需要拡大に、立て続けの不作も相まり、今では村名でも1万円を超える価格となってしまいました。

一方、同じフランスの銘醸地としては、ボルドーやシャンパーニュが有名ですが、共に一生産者あたりの生産量が多いため、一部銘柄を除いて極端な値上りはしていません。
(ボルドーに関しては、有力な評論家の引退もあり、上昇傾向は落ちつくと思われます。)

アメリカ合衆国の例をあげましょう。
平均賃金、物価共に高い国です。

最も人気のカリフォルニア州の中でも、需要が集中するのはナパ・ヴァレー。
ワインは高値でも売れるため、地価もどんでもない金額になりましたから、ワインは平均して高価です。
同じカリフォルニアの中でも、ソノマのエリアは少し価格が控えめ。そして、よりマイナーなエリアはかなりお買い得ワイン出てきます。

オレゴン、ワシントン、ニューヨークといったアメリカのその他の産地も、需要はナパ・ヴァレーにはるか及びませんので、価格は控えめです。

最後にまとめますと、
もしワインリストにナパ・ヴァレーのカベルネと、ワシントンのカベルネがほぼ同じ価格でオンリストされていた場合、
高い可能性でワシントンの方が高品質、ということです。

銘醸産地になるには、品質は当然必須。
信頼のブランドですから、対価も高くなります。
でも、マイナー産地の面白さを、冒険気分でリーズナブルに体験するのもまた、ワインの素敵な楽しみかたですね!

<ソムリエプロフィール>
梁 世柱 / Seju Yang
La Mer Inc. CEO


1983年大阪生まれ。2003年にNYに移住後、様々なレストランにてソムリエとして研鑽を積む。
2011年starchefs.comよりRising Star NYC Sommelier Award受賞。
2012年Zagat SurveyよりZagat 30 under 30 NYC Sommelier Award受賞。
同年、Wine Enthusiast紙より、America’s 100 Best Wine Restaurant Award受賞。
世界最大のソムリエ激戦地での連続受賞は日本出身のソムリエとして唯一の快挙となった。
2012年に日本帰国後は、ミシュランガイド三ッ星店も含め、都内のレストランでシェフ・ソムリエを歴任。
2017年、オーストラリアにて開催されたSomms of the Worldに、World’s 50 Best Sommeliersの一員として招聘。
2018年、La Mer Inc.設立。代表取締役社長兼CEOに就任。
ワインジャーナリストとしてワイン専門誌に多数寄稿。



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