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ソムリエとのコミュニケーション


ワイン初心者の方で、レストランのソムリエと上手く意思疎通ができない、という方は多いと思います。

今回は、ソムリエとのコミュニケーション術をご紹介致します。

Sidewinderの8でも軽く述べましたが、
まず何よりも大切なのは「予算」を伝えることです。
なんのヒントも無しに「お任せします」と言われると、ソムリエは非常に困ってしまいます。
時に予測を見誤られ、想定外のお会計になることもあるでしょう。

そして、好みの味わいの伝え方にもコツがあります。
ポイントは以下の通り。
1. 軽い〜重い（アルコール度数の高さ）
2. 淡い〜濃い（味わいの濃淡）
3. フルーツや葡萄品種の名前
4. 辛口という言葉は基本的に使わはない

となります。基本はこれだけで十分です。

具体例に移りましょう。
「軽くて淡めで、さくらんぼっぽい果実味の赤で、予算は五千円前後」
と伝えた場合、レストランによっては様々な選択肢を提案してくれることでしょう。

一方、
「重めで濃いめなカベルネ系、予算は八千円」
と伝えた場合、ピンポイントにそれに近いものにはなりますが、冒険はあまりできない聞き方になります。

私は前者の聞き方の方が圧倒的に多いですが、このあたりは人それぞれかと思います。

補足情報として伝えるなら、
1. 白ワインの場合は「酸味」の程度
2. 赤ワインの場合は「渋味」の程度

を付け加えると更に正確になります。
ただし、補足情報に関しては要注意な部分はあります。

「重めで、濃いめのシャルドネで、酸味が強いもので、予算は4,000円！」
と言ってしまった場合、ほとんど存在しないようなワインを探していることになってしまいます。

ご自身のご経験に基いて、なるべくシンプルな表現に留めるようにしましょう！

「初恋が終わってしまい、悲しみと前向きな想いが混じりながら、ビーチに一人でたたずむ少女のようなワイン！」

とか言っても通じないですよ！笑

＜ソムリエプロフィール＞
梁　世柱　/ Seju Yang
La Mer Inc. CEO


1983年大阪生まれ。2003年にNYに移住後、様々なレストランにてソムリエとして研鑽を積む。
2011年starchefs.comよりRising Star NYC Sommelier Award受賞。
2012年Zagat SurveyよりZagat 30 under 30 NYC Sommelier Award受賞。
同年、Wine Enthusiast紙より、America’s 100 Best Wine Restaurant Award受賞。
世界最大のソムリエ激戦地での連続受賞は日本出身のソムリエとして唯一の快挙となった。
2012年に日本帰国後は、ミシュランガイド三ッ星店も含め、都内のレストランでシェフ・ソムリエを歴任。
2017年、オーストラリアにて開催されたSomms of the Worldに、World’s 50 Best Sommeliersの一員として招聘。
2018年、La Mer Inc.設立。代表取締役社長兼CEOに就任。
ワインジャーナリストとしてワイン専門誌に多数寄稿。



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