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超高級ワインは飲み物なのか?


本日、友人とルロワ(注1)の話をしました。

昔から十分高価なワインでしたが、
需要と供給のバランスが完全に壊れ、
今ではルロワのトップキュベはロマネ・コンティ(注2)超えるリリース価格になりました。

ルロワを率いる伝説的なマダムもかなり高齢になり、目ざとい投資家達は、マダムの身に何かが起こった時に、天文学的な値段に跳ね上がると目されるワインを狙って、巨額を投じ始めています。

幸運なことに、それなりにルロワの真髄に触れてこれた私です。
ルロワを世界一だと思っている私です。

それでも、もうすでに現在の価格は飲み物とは思えません。

ルロワのワイン一本に100万円を投じるなら、
私は5千円のワインを200種類買うか、
どれだけ血迷ったとしても、
5万円のワインを20種類買うのが限度でしょう。

私は「飲みたい」のであって、「集めたい」わけでは無いからです。

でも、思い出と共に、ここにルロワのことを書き記しておこうと思います。

1. メゾン・ルロワは、結構あたり外れもあり、現在の高価格はリスクが高いと思います。でも、当たると凄いです。
2. ドメーヌ・ルロワは死角なし。オフ・ヴィンテージなんてありません。(マダムの旦那が闘病していた2004年を除いて)
3. ドメーヌ・ドーヴネ(注3)は世界一の白ワインの造り手だと信じてやみません。
4. ルロワ好きの間では何かと話題になる2004年ですが、私は友人にこう言いました。「マダムの失敗作は、凡人の傑作」

どこかで誰かが、ドメーヌ・ルロワか、ドーヴネをご馳走してくれるのなら、迷うことなくおこぼれに預かりましょう!

注1:「美は美からしか生まれない」の名言と共に、全身シャネルで畑に出向く、不世出の天才マダム・ラルービーズ・ルロワが率いる。

注2:世界一高いワインの代名詞だが、最近はその地位が揺らぎつつある?

注3:ドメーヌは、ルロワと高島屋の所有で、赤ワインの生産がメイン、ドーヴネはマダムファミリーの所有で、白ワインがメイン。「世界一のシャルドネは何?あ、ドーヴネは除いてね」はソムリエの間では常套句である。


<ソムリエプロフィール>
梁 世柱 / Seju Yang
La Mer Inc. CEO



1983年大阪生まれ。2003年にNYに移住後、様々なレストランにてソムリエとして研鑽を積む。
2011年starchefs.comよりRising Star NYC Sommelier Award受賞。
2012年Zagat SurveyよりZagat 30 under 30 NYC Sommelier Award受賞。
同年、Wine Enthusiast紙より、America’s 100 Best Wine Restaurant Award受賞。
世界最大のソムリエ激戦地での連続受賞は日本出身のソムリエとして唯一の快挙となった。
2012年に日本帰国後は、ミシュランガイド三ッ星店も含め、都内のレストランでシェフ・ソムリエを歴任。
2017年、オーストラリアにて開催されたSomms of the Worldに、World’s 50 Best Sommeliersの一員として招聘。
2018年、La Mer Inc.設立。代表取締役社長兼CEOに就任。
ワインジャーナリストとしてワイン専門誌に多数寄稿。



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