お知らせ クーポン ヘルプ

無料記事-Sidewinder-<14>

テキスト

無料記事-Sidewinder-<14>

色々なペアリング


世の中まだまだペアリングブーム真っ盛り。

ほんの数年前までは、
「ペアリングって何?」
と聞かれるのが当たり前だったが、
いまでは、
「ペアリングでお願いします!」
になってしまった。

長い年月をかけて根付いた西洋諸国とは違い、
ミーハーな日本は流行のスピードが桁外れになることもある。

では、ちょっと流行のペアリングを整理整頓してみましょう。

①ワインペアリング
最も歴史が長く、最も精緻に研究され、確固たる基礎理論が確立しているペアリング。安定性、汎用性、応用性、再現性の全てに優れている。

②日本酒ペアリング
その概念自体が非常に新しく、基礎理論の構築はまだまだ途上にある。「日本酒は何にでも合う」という常套句は事実でもあり、嘘でもある。実際には、「日本酒は広範囲にそつなく合うが、スイートスポットは非常に狭い」が正しく、精緻なペアリングはかなり難易度が高い。

③カクテルペアリング
料理の味わいやボリューム感に合わせて、自在に調整できるカクテルペアリングは、あらゆるペアリングの中でも最も高いポテンシャルを秘めていると言える。しかし、まだまだ基礎理論の構築は途上。そして、「料理のことを良く理解しているミクソロジスト」という、実はかなり特殊な人材が必要となる。

④ノンアルコールペアリング
既製品のジュース類は、味わいが単一の風味であることがほとんどな点と、往々にして糖度が高過ぎる点から、汎用性の低さが難点となる。自家製のジュースならば、自在にレシピを調整できるため格段にポテンシャルが上がるが、優れたジュースを自作し、ロスやコストの管理ができる人材は、山崎の50年物くらい希少。

⑤ティーペアリング
日本茶、中国茶、紅茶とバリエーションが豊富で、製法や産地によって大きく味わいも変化するのがお茶の特徴。さらに、ハーブ、精油、スパイス等とブレンドして複雑性を高めることもでき、「お茶酔い」と言われる独特の高揚作用もあるため、ジュースベースのノンアルペアリングよりも、ポテンシャルが高い。レシピと抽出手順さえ理解すれば、それほど特殊性の強い人材を必要としない再現性の高さも魅力的。

⑥ローアルコールペアリング
自作ジュースやお茶を用いたノンアルコールペアリングがベースとなるが、僅かにアルコールで補給することによって、ノンアルペアリングの最大の弱点といえる「ボディと余韻」をクリアできるため、極めてポテンシャルが高い。ノンアルがベースになるため、カクテルペアリングとは似て非なるもの。そして、相当数の潜在顧客数と思われる「ほろ酔い層」へのアピールも強い。

プロの方も、愛好家の方も、ぜひ色々なペアリングにチャレンジしていただければと思います!



<ソムリエプロフィール>
梁 世柱 / Seju Yang
La Mer Inc. CEO



1983年大阪生まれ。2003年にNYに移住後、様々なレストランにてソムリエとして研鑽を積む。
2011年starchefs.comよりRising Star NYC Sommelier Award受賞。
2012年Zagat SurveyよりZagat 30 under 30 NYC Sommelier Award受賞。
同年、Wine Enthusiast紙より、America’s 100 Best Wine Restaurant Award受賞。
世界最大のソムリエ激戦地での連続受賞は日本出身のソムリエとして唯一の快挙となった。
2012年に日本帰国後は、ミシュランガイド三ッ星店も含め、都内のレストランでシェフ・ソムリエを歴任。
2017年、オーストラリアにて開催されたSomms of the Worldに、World’s 50 Best Sommeliersの一員として招聘。
2018年、La Mer Inc.設立。代表取締役社長兼CEOに就任。
ワインジャーナリストとしてワイン専門誌に多数寄稿。

フォロー特典

オンラインサロン情報

SommeTimes

SommeTimes

1,000円/1ヶ月ごと
サロンページを見る

サロン紹介

ワイン専門のオンラインサロン。初級者から上級者まで幅広いワインコラムを配信しています。
運営ツール
DMMオンラインサロン専用コミュニティ

あなたにおすすめの他サロン

おすすめサロンをすべて見る
ページトップに戻る