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拝啓  ボージョレさん by藤浦旅子 <3>

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拝啓  ボージョレさん by藤浦旅子 <3>
拝啓  ボージョレさん   <3>
 
  <ソムリエプロフィール>
藤浦 旅子 / Ryoko Fujiura
福藤商店Owner
 
<ワイン情報>
生産者: Domaine Clotaire Michal / クロテール・ミシェル 
ワイン名:Beaujolais Villages Vignes centenaires / ボージョレヴィラージュ ヴィーニュ ソントネール
葡萄品種:Gamay / ガメイ
ワインタイプ:赤ワイン
生産国:フランス
生産地:Beaujolais / ブルゴーニュ地方 ボージョレ地区
ヴィンテージ:2018
インポーター:ディスエクスポールジャパン(輸入代行)
 
 
 
<第1章>それが。ボージョレだ。
 
彼女は困惑していた。
「こないだね、ワイン好きの集まりで隣にいた男性にどこのワインが好きかって聞かれたの。私迷いなく答えた。そうしたら、その方なんて言ったと思う?」
 
「鼻で笑いながら”ああ、美味しいよね”だって。」
 
ワインは不思議だ。
 
北京ダックが好きだからと、餃子を見下すだろうか。
わたしは大の魚好きで、魚河岸のコミュニティに属している。
しかしそこで伊勢海老好きがいたとして、しらす好きをバカにする光景なんてどうしたって想像できない。
そのコミュニティは魚好きの集まりだから、そんなにしらすが好きなら、おすすめの食べ方を聞くだろう。良い漁場の話ももしかして聞けるかも知れない。
しらすもいいが私の場合は親になった鰯が好きだ。(※しらす…真鰯やカタクチイワシ、ウルメイワシの他、実際は鮎や鰻、イカナゴなども含まれ、それらの稚魚のこと。)
味はさることながら、正確に言うと鰯の持つ背景が好きだ。
鰯の名産地・千葉県出身ということもあり知ったのだが、江戸時代、急激な人口増加に対応するべく綿の栽培が求められたころ、肥料として重宝されたのが「干し鰯(ほしか)」であった。文字通り「干した鰯」だ。
電気も通っていなかった時代だから灯りの燃料としての油を鰯から絞り、そのかすを肥料としたのである。
江戸のそばの房総沖ではどうにかして大量に鰯を獲ろうと、漁業技術も上がり、現在も特産地というわけである。
 
そういうことで、食というのはどんな風に愛したって良いはずだ。
 
確かに値段の優劣はある。
しかしワインはどこか、それに左右されやすい側面があるのかも知れないと思う。
 
高級なものをいただき豪華な気分になるハレの日もあれば、
普段から楽しめるケの日もある。
 
年明けからおよそ50人、
3つのコミュニティで飲んでいただいたワインがある。
そこではブラインド(銘柄を隠して)で供出して、クイズにはせずご自身が好きかどうかだけ心の中で考えてもらって、答えを言った。
かなりの確率で「…え?!」と声が上がった。
 
それが。
ボージョレだ。
 
冒頭の彼女の、困惑の要因もボージョレワインであった。

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