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社内政治生存マニュアル 第四章プレゼンスを示す

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社内政治生存マニュアル 第四章プレゼンスを示す
【前回までのあらすじ】
私は島耕作を読んでいたが、何もわかっていなかったことに気が付いた。
どうやら「アサーティブにプレゼンスを示すこと」が出世につながるらしいのだが、「アサーティブにプレゼンスを示すこと」とは一体?日本語でオK?(シンガポールで働いてたので、別に日本語ではなかった)
なぜプレゼンスを示すことが大切なのかずんずんさんは考えることにしたのだった…。

そもそも、プレゼンスとは一体なんなのか….。
調べてみると、
【プレゼンス】
存在感。特に、軍隊・国家などがある地域へ駐留・進出して軍事的、経済的に影響力をもつ存在であること
とのことだった。
軍事的、経済的に影響力を持つこと…。私は考えた。
オフィスは戦争をしてるようなものだ。
平社員が
チームリーダーが
マネージャーが
シニアマネージャーが
それぞれが常に自分の仕事の範囲を増やそうと、陣取り合戦をしている。CFOだってこの部署のトップだが、まだ上には上がいる。USサイドともきっと陣取り合戦をしているのだろう。
そうしなければ、自分の陣地が奪われポジションを失い、最終的には撤退(=転職)を余儀なくされる。
撤退先があればいいのだが、ある程度の年齢になればそれなりの実績も求められる。よりよい実績作りのためには陣取り合戦には勝たなくてはいけないのだ。
なんて、辛い…。
だが、これは会社で正社員で働いているから起きる話というわけではない。
パートだったらパートさん同士の、派遣さんだったら派遣さん同士の諍いは必ずあるはずだ。
そもそもサル山だって、ボス猿を決めるために常に戦いあっている。
生き物が集まれば、そこには必ず「競争」が存在する。
小さい頃から「社会は競争だよ」と言われていたというのに、私は何もわかっていなかった。
生き残るためには「競争」に勝たなければいけない。
オフィスにおいては出世競争である。
そのためにどうしたらいいのか?
私は社内の人間関係図を紐解いた。
私の部署は100人ぐらいで、私のチームだけで利害関係者は50人程になる。
目の前には計150人程の壮大な人間関係図が広がっていた。
「人間関係図って作るの超大切だよ」
ってオタクに優しいギャルの先輩とかが教えてくれればよかったのに…などと私は考えた。世の中には知っている人は知っているが、知らない人は全く知らないままで終わることがたくさんあるのだ。
オフィスの中は膨大な利害関係が複雑に絡み合っていたが、主要人物は限られていた。
大切なのは私の上司とその周りの人間関係だ。
私の上司は敵が多い。
大概のマネージャーと、そのチームメンバーには嫌われている。
これも凄い話だ。
シニアマネージャーには好かれているが、それは人間的な好意というよりも、使える駒として好かれていた。また上司はCFOには好かれていない。この点で上司の今後の昇進はやや危ぶまれた。そしてその予想は当たることになるのだが、それは第五章に続くのだった…。
上司のライバルは複数いるが、一番のライバルは隣のチームのマネージャーである。
そのマネージャーの名前をここでは、マネージャーAとしよう。
このマネージャーAは、シニアマネージャーとCFOにも好かれ、社内で出世するのに十分なバックグランドを持っていた。
そして、マネージャーAはとても優しい…何をしても褒めてくれる。
うぅ…この人の下で働きたい…。
思い返せば、第三章で紹介した爆速出世同僚は、このマネージャーAに好かれていた。
彼女はもともと私と同じチームだったのだが、キッツイ上司に秒速で見切りをつけ、マネージャーAのプロジェクトを手伝い始めた。そしてそこで成果を上げ、Aの後押しを受けて出世していた。なんと要領のいいことだろう。そして、私のなんと要領の悪いことよ…。
このマネージャーAと私の上司は常に陣地争いをしていた。
実績だけをみれば私の上司の方が優位に見えたが、勝負は5分5分に思えた。
それは、マネージャーAのやっているプロジェクトの方が
派手
だったのだ。
マネージャーAはUSにアピールできるプロジェクトばかりしていた。
一方我らのチームは、引っ込み思案の日本人が足を引っ張り、質実剛健だがパッとしないことばかり…。
これがプレゼンスか…。
と私は考えた。
実績があっても、見た目の派手さで負けてしまうのだ。
そういえば、私はこのプレゼンス合戦で以前完敗している。
外資系金融社内政治敗残記でも書いたが、私は地味だが必要な仕事ばかりをやらされ、派手な仕事はサポートばかりをさせられていた。
言ってしまえば、手間と時間がかかることばかりさせられ、残業ばかりしていた。そして、自分の名前が表に出ることはなかったのだ。
その結果「あいつ、何やってるの?」というアトモスフィアが社内で出てしまい、居心地が悪くなり、結局は仕事をやめることになる。
うぅ…。
あの時、もう少しうまくやっていたら今頃人生が変わっていたかもしれない。
私は過去を思い出し、悶えた。
あの時の人たちと比べると、プレゼンスを示していなくても実績をちゃんと評価してくれている点で、今の会社の人たちは「まだ」善良なのだ。
しかし、いつかまた以前のように「声がデカくて目立っている奴」の方が評価される日が来るかもしれない。
今はたまたま運が良いだけなのだ。
この状況をいじけるだけで無駄にして場合ではない。
私がプレゼンスを示せば、評価され、私のチームも評価され、ひいては上司様の評価があがる。そして、上司様の評価があがれば、上司様が出世して、私も出世しやすくなるというわけだ。
最終的に、私は上司様を出世させなければ、私の出世もないというわけだ。
しんど…。
と私は思った。
私は上司のことは全然好きじゃなかった。
むしろ嫌いというか…その上司も出世させるために努力するなんてうんざりである。
爆速出世同僚も、私と同じように感じたからこそ、すぐに仕える主君を変えたのだろう。
要領の悪い私にはそれができない。
与えられたカードで戦うしかないのだ。
上司を出世させよう…。
私はそう決意した。
というか、上司を出世させることができる部下というのが本当は一番好かれるのだ。
オフィスにおいて「好かれる」「好かれない」なんて、人格など関係ない。「メリットを運んでくる人間か」どうかが一番重要なのだ。
また私は島耕作について何もわかっていなかったようだな…。
とまたもや、私は島の偉大さについて思い返した。
島もシンガポールでこんなにも30代女性に思われていることを知らないだろう。
私は上司を出世させるために何ができるかを考え始めた。

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