No.166 語感解説9~『マ行』
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研究の原点は「マ」
みなさん、こんにちは。
語感講座シリーズの第9回をお届けします。
「語感講座」は、黒川が長年取り組んできた語感理論をわかりやすく紹介し、皆さんにその面白さを楽しんでいただくと同時に、この研究を後世に残していくことを目的にスタートしました。日常の言葉を題材に、具体的な事例や表現を交えながら解説していきます。
今回のテーマは「マ行」。
数ある音の中で「マ」は、黒川に大きなひらめきをもたらし、語感研究を一歩先へと導いた特別な音でした。
そのきっかけは、息子への授乳のとき。おっぱいをくわえ損ねた幼い息子の口から、美しい単体子音のMがもれたのです。
「舌の上に柔らかな息の空洞をつくり、その空洞が少しずつ膨らみながら鼻腔に響いていく」
このときの息子の口元の動きとM音のつながりこそ、語感研究を飛躍させた原点。その詳しい経緯や発見の瞬間については、ぜひ動画で黒川自身の解説をお楽しみください。
母のイメージを持つ世界共通の音「マ」
「ママ」、「マミー」、「マードレ」、「マーマー」
こんな風に世界中の子供が母親をM音で呼んでいます。
これは決して偶然ではなく、この音を発した時に口腔周辺で起こる感覚と言葉の意味がつながっているからにほかなりません。
でもちょっと不思議なのは、日本語は「マンマ」が“ご飯”を意味すること。
ここには日本語の特性が関わっていると黒川は考えています。
日本語では、子どもに話しかけるときに「ママが」という主語をあまり使いません。
「ご飯食べようね」「おむつ替えようね」「絵本読もうね」という風に。
だから日本の赤ちゃんの脳は、「ママ」と「自分」が別な存在であることを認識するのが少し遅いのかもしれません。
ママと自分が一体化していて、その先にあるのが“ご飯=まんま”。
そう考えると、日本語だけが「マンマ」を“食べ物”に使っているのも、なんだか納得できますね。
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