ラノベ作家が教える小説のバトルシーンの書き方5つのコツ。初心者向け
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この記事の作者はプロのライトノベル作家です。
バトルシーンで一番重要なのはわかりやさ。読者のスピード感を落とさないこと
バトルシーンのうまさは基本的には二階建て構造だと考えています。
初心者にとって、重要なのは以下の①の部分です。
①特に演出とか気にせず、とにかく分かりやすさを心がけていれば大丈夫。
②それが出来た上で、小手先テクニックを入れれば緊張感演出にちょっとプラスポイントできる。
裏を返すと、例えば比喩表現や体言止めといったテクニックは②に相当するのですが、これは2階にあたる部分なのでここをいくら頑張ろうと1階部分がちゃんとできてないと崩れる、ということになります。
何故①だけで大丈夫かと言えば、とにかくバトルシーンで重要なのはスピード感であり、スピード感を出すためには読者が文章を読みながらいちいち立ち止まらずに済む=分かりやすい文章でありさえすれば臨場感は勝手に出て来るからです。
逆に、分かりにくい文章だと読者がそのたびに「ん?どういうこと?」と一瞬立ち止まってしまうので、臨場感や緊張感が削がれてしまいます。
では分かりにくい文章とはどういう文章かが分かればいいという問題になるのですが、よくある分かりにくい文章の要因は以下の通りです。
①特定が難しい指示語 (※指示語とは、「それ」や「彼」や「彼女」等のたぐいの言葉だと思ってください)
例:「太郎と太郎の父は八百屋の店長にリンゴをくださいと頼むと、店長は笑いながらリンゴを1つ差し出した。彼はリンゴが好きなのだ」
→彼って指示語は誰をさしてる? 太郎? 店長? まさか父親?
→読者が立ち止まり、スピード感が落ちる
例2:「バッターの太郎に対し、ものすごい気迫と共にボールを投げるピッチャー次郎。それをものともしない太郎。そしてそれを次郎は何度も見たことがあった。」
→「それをものともしない」って、「それ」って何? 気迫にビビってないという意味? そんなボール簡単に打ち返せるよという意味? そのあとの「次郎はそれを見た」の「それ」も何? 太郎の表情? 太郎の姿勢? もしくは太郎がバットを振る様子?
→特定までに時間がかかり、スピード感が落ちる
※解決策→指示語の使用をなるべく控える。ただし、指示語が何を指しているのかが絶対的に明らかである時はOK
②文末の新主語
例:「太郎と次郎がサッカーをしていた時。太郎が思い切り蹴ったボールは窓ガラスの方へ飛んでいき、それをギリギリのところでうまくキャッチして窓ガラスの破損を防ぐ三郎。」
→読者目線で「え? 三郎?」となる。というのも、太郎と次郎が文頭に提示されているので、読者は「それをギリギリのところでうまくキャッチして窓ガラスの~」という文章を読んでいるあたりで「多分次郎がうまくキャッチするんだろうな」という予測をしながら読んでいるため。文末に突然新主語である「三郎」がでてきて、想像していた人物とは違う人間がボールを取るという行動をしていたことに文末で気付く。
→想像修正の為に読者は一回ここで止まるので、スピード感が落ちる。
※解決策→新主語が出てくるときは、なるべく前の方に。可能なら、その新主語の説明も一緒に添えてあげる。
③無生物主語
例:「太郎がもっていたその鉛筆はスラスラと解答をテスト用紙に書き込んでいく」
→分からないわけではないが、鉛筆が意思を持っているように見えて、読者目線一瞬「ん?」となり立ち止まる。回答を書き込んでいるのは「太郎」なのに、「鉛筆」という生物ではないものが主語になっているので分かりにくくなってしまっている。
※解決策→文章の主語を人にする。
④主語欠落
例:「太郎は鬼ごっこの鬼として次郎を追っていた。逃げる次郎。追いかける太郎。勢いは止まらない。しかし直後、まさかの転倒。鬼ごっこは開始直後にして急展開を迎えた」
→「勢いは止まらない」って、誰の勢いが止まらない? 「まさかの転倒」って、転んだのは誰?
→主語が欠落している分、読者が想像で補わなければならないのでこの文章で目が止まる。
→スピード感が落ちる。
例2:「太郎と次郎からいじめられ続けた三郎が先生にそのことを訴えない様子を先生すら気づきながら無視していた状況を四郎は決して許さなかった。」
→この文章の主語は一瞬「太郎と次郎」もしくは「三郎」に見えるが、結局この文章の主語は「四郎」。
文章が長い上に主語の登場が遅すぎるので、実質主語が欠落しているように読者目線見えて分かりにくい。
※解決策→主語をちゃんといれる。もしくは、主語をなるべく頭の方にもってくる。
⑤その他、長すぎる文章、その場面に必要のない描写(それ必要?レベルの比喩表現等)など。
以上のような要素が、先に述べた「読者のスピード感を落とす」ことの要因となってしまうので、このあたりを避けるところから始めると良いと思います。
初心者の方は、このようにテクニックで何かを足すというより、「読者のスピード感を落とすマズイ表現を省いていく」という考え方でバトルシーンを書いていってみてください。確実に良いシーンになります。
2023年10月15日に作成した記事
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