大ヒットしてアニメ化までする小説と、そうでない作品の最大の違いとは?
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この記事の回答者はプロのラノベ作家です。
Q、大ヒットしてアニメ化までする作品と、そうでない作品の最大の違いとは?
私はプロ作家なのですが、実はコミカライズの打ち切りが決まってしまいました(´;ω;`)
そこで、大ヒットしてアニメ化までする作品と、そうでない作品の最大の違いとは何か?と考えたら、
「主人公のキャラ」ではないか、という結論に至りました。
読者は主人公を終始見ることになるので、主人公のキャラが良くないと、他のキャラや要素が良くても、物語を読みたい気持ちが続かない気がします。
では、どんな主人公キャラなら良いのか? というと、
「強い目的意識を持っていて、そのために過剰、極端な努力をしているキャラ」が良いのではないか?
という仮説を立てています。
これについては、ラノベ、漫画で共通しているような気がしています。
例えばアニメになる
新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。
これは、中年を過ぎてから冒険者になる夢を掴むために、最強パーティに弟子入りした主人公が、ギャク的な過剰な修行をさせられ、いつの間にか最強になっていて、無自覚に無双する話です。
主人公は死んだら生き返されるという、非常識な修行によって、常識がズレた人間になってしまい、そこがキャラのおもしろさになっているのですが。
その過剰なほどの努力と目的意識が、主人公の魅力になっている気がします。
アニメ化された『俺は全てをパリイする』も、この主人公と同じタイプです。
主人公は才能が無いと冒険者養成所から追い出されるも、夢を追うために10年間、山に籠もって基本技のパリィを繰り返していたら、いつの間にか最強になっていた。
『葬送のフリーレン』も、魔族を欺いて殺すために1000年間、非常識な修行をしていた時点で、キャラが立ったように思えます。
(強い目的意識と、他人がドン引きする過剰さ)
『薬屋のひとりごと』のマオマオも、自分の身体で毒物の人体実験をしていたという、非常識で過剰な努力をしています。
(努力というには、やや語弊があって、やりたくてやっている変人キャラです)
この非常識さ、というのがおそらく主人公キャラの魅力で。努力はその非常識さを際立たせるため。かつその非常識さは共感可能であり、他人貢献に繋がっていると良いと思いますが、いかがでしょうか?
取り敢えず主人公には、他のキャラや読者がドン引きするくらいの非常識な努力や、過剰な行動をやらせておくのが、良い気がしています。
A.「主人公には、他のキャラや読者がドン引きするくらいの非常識な努力や、過剰な努力をさせているのが良い」というのは、キャラクターを立てる上で超有効的なやり方です。
もちろんこれ以外にも主人公のキャラを立てる手法はいくつもパターンがありますが、そういった複数のパターンの中でも特に有効な手段、という意味で。
まさにこれに相当する具体例を質問の中でいくつも出して頂いているのでここで更に言及することはしませんが、
結局「キャラを立てる」ということの本質が「そのキャラは普通の人とは何が違うのかを示す」ということに相当するので、「普通の人がドン引きするくらいの特徴を示す」というのはある意味キャラを立てる本質を最もストレートについている方法かもしれません。
そして一番意識しなければいけないのは、このテクニックを正しく作品に入れられるか、という点かもしれません。
WEBからの書籍化でも新人賞からの書籍化でも、最後には「アニメ化」を目指すことが一般的ですが、WEBから目指した場合と新人賞から目指した場合では、苦戦する場所が異なります。
新人賞ルートを選択する場合、一番苦戦する場所は恐らく「受賞するまで」(書籍化するまで)です。
何故ならある程度キャラクターが立っていてかつテンプレートが抑えられていないと、そもそも受賞が望めないからです。
一方で、WEB投稿ルートを選択する場合、一番苦戦する場所は恐らく「書籍化まではするがそれ以降で全然進展がない」という点です。
これはWEBという環境がテンプレート主義になっていることの功罪でもあり、キャラクタ自体の個性がそこまでなくても「追放」「悪役転生」「無双」といったストーリーテンプレートさえしっかり押さえられていれば書籍化までは悪い意味で辿り着けてしまい、キャラクターの個性がないことによる弊害や壁を書籍化後にようやく気付けるという構図が原因になっています。
あくまでアニメ化レベルを目指すという目標があることを前提として、新人賞ではなWEBから勝負をする場合は、
「WEB上ではキャラクター自体の個性や魅力よりテンプレートがしっかりできているかが評価基準なのに、アニメ化を目指すためには評価基準になっていないキャラクターをしっかり作らなければいけない」というジレンマと戦わなければなりません。
その意味で、一番意識しなければいけないのは「キャラを立てるテクニックを学ぶこと」ではなく、「キャラを立てるテクニックが本来必要とされてない環境でそのテクニックをうまく入れていかなければいけないこと」であり、ここがうまくハマればWEBからのアニメ化も一気に視野に入って来るのではないかと思います。
2024年4月10日に作成した記事
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