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【連載】韓国消防見学①~前提と火災除染~

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【連載】韓国消防見学①~前提と火災除染~

【連載】韓国消防見学①~前提と火災除染~

 11月21日、22日にファーストレスポンダージャッキやレスキューインテリテック社の消防資機材 自動除染洗浄装置「ソロレスキュー/デコンウォッシャープロS」を取り扱っている、ガデリウス・インダストリー株式会社の担当者と共に韓国へ行きました。テーマは火災後の除染です。今回はそこで感じたことをまとめていきます。

はじめに

 はじめに、現地にて最高の体験をさせてくれた Robert、Randy、 Jason、 Kyle、Kasumi そして韓国消防の皆様に感謝します。また会う時までには英語で簡単なコミュニケーションが取れるようにコツコツ勉強していきます。



火災の除染の必要性

 火災後の除染は消防士のガンを防ぐために行われます。火災対応している誰もが本能的に火災で発生する煙は体に良くないと感じるでしょう。では、実際にどのような影響があるのか?国際消防協会が調べたところ、一般人と消防職員を比べてガンになる確率が数倍だという結果がでました

 その結果を踏まえてガンを防ぐためにはどうするべきか?さまざまなアプローチのひとつとして「装備の洗浄」があげられます。今回お誘いを受けたガデリウスインダストリー株式会社様はその装備の洗浄の中でも空気呼吸器やヘルメット、手袋、ブーツなどを一括で洗えるRescue Intellitech社の自動除染洗浄装置「ソロレスキュー/デコンウォッシャープロS」を扱っている会社です。


(画像:Rescue Intellitech社の自動除染洗浄装置「ソロレスキュー/デコンウォッシャープロS詳しい情報は最下部URLへ)


なぜ韓国なのか?

 韓国消防はここ数年で大きな成長をしています。CFBT(区画内火災対応)をはじめ火災対応後の除染の分野にも着手、来年には東京消防庁のチームが韓国にRIT(消防士が事故脱出困難な状態に陥った場合に救出に向かう専門部隊)を学びに行くほどです。同じアジアでも火災分野で進んでいることやRescue Intellitechの社の自動除染洗浄装置の韓国での広がり(消防署約1,200カ所中すでに約200カ所導入)を見て実際にどのような流れで火災除染が広まったのかを見てきました。


(韓国で翻訳されて出版されているCFBTの本、その他の海外の本も積極的に翻訳して出版しているもよう)

ここだけ押さえて前提条件

 今回の連載では韓国消防の良いところをまとめていますので日本よりも進んでいる部分を多く知ることができると思います。とはいえ、全てを日本に取り入れられるかは別問題です。取り入れられるところは取り入れていきましょう。

建物の違い

 日本の一部の地域(沖縄県)を除けば住宅はほぼ木造建物です。しかし、韓国の建物のほとんどがコンクリート造や鉄筋コンクリート造です。こうなると必然的に韓国消防は「区画内火災」に特化する必要がでてきます。
 
 つまり日本が延焼阻止戦術を得意と?するように、韓国は区画内火災を得意としているのです。また、中高層ビルが多いのも特徴です。見渡す限りビルが多く「あれはオフィス街?」と聞きましたが返答は「アパートだよ!」といただきました。

(江南消防署へ向かう途中)

現場件数の違い

 江南(カンナム)消防で現場件数を伺ったところ、火災現場の件数は1日で平均1〜5件だと教えてもらいました。正直日本と比べると凄まじい件数です。一番の学習は現場経験です。この件数が多いというのは市民にとっては良くありませんが、消防職員としてはレベルが向上する要因となっていると感じます。


(ドローンはガンガン活用しているそう)

消防職員の立場と意識

 これは海外では一般的なようですが、消防職員の団結権やストライキ権があることも大きな違いです。韓国消防を案内してくれた方々に日本ではないと伝えたらものすごく驚かれました。また、韓国では組織としてCFBTタイランドや米国にRIC/Tを学びに行くなど積極的に知識の取得をしています。なぜ?と伺ったところ区画内火災での殉職事故や負傷が相次いで起こったことや大規模な救助事故の影響で予算の面も踏まえて変化したとのことでした。


(RIT:消防職員が自力非難困難になった際に救出する部隊のこと左手がその資機材)

韓国と火災除染


①個人装備の違い

 韓国は欧州圏の装備をメインで扱っているようでヘルメットはフルフェイス型で防火フードの着装は必須です。面白いと思ったのは防火手袋の裾が長いタイプがあり、熱水に暴露するなどの危険がある場合は状況に応じて使っているとのことでした。



②火災現場での除染

 火災現場での現地での除染は欧州や米国圏では普及しています。また、日本でも行っている自治体があります。方法は簡単で現場でノズルを利用して防火衣などに付着した汚れを水やブラシ、洗剤などを利用して落とします。韓国では行っているかと伺ったところ返答はNOでした。理由を伺ったところ一件対応した後にすぐに出動する場合があるため現場で除染をしている余裕がないとのことです。

③個人装備の洗浄

 防火衣専用洗濯機で洗浄し、それ以外の装備はソロレスキュー/デコンウォッシャープロSで洗浄しているとのことでした。この除染による一番の効果だと個人的に感じたことは「臭い」です。消防職員なら火災装備品の特有の臭いをご存知だと思いますが、消防署内ではその臭いが全くしませんでした。除染器ではヘルメットや手袋なども洗えるため衛生的にも良いと思います。


(日本語がとても上手でした!)

④国としての動き 

 韓国では昨今消防士のがん発症が増加傾向であり、公務員災害補償法に伴う賠償請求が増加傾向にあります。そんな中で韓国消庁の研究チームは「韓国消防士のがん発生および死亡リスク」を調査し、アジアで唯一国際がん研究所に調査結果を提出しました
 メディアでも消防士の職業上のガンリスクが取り上げられるなど話題となり、除染器など予算がついて導入が促進された経緯があるようでした。

国際がん協会が消防士を発がん性が高いグループ1に指定したと報道

発がん性において火災対応だけでなく、ディーゼルエンジンの排気ガスが問題視されていると報道


ディーゼルエンジン排気ガスが消防士の発ガンと因果関係があると裁判所が判決を出したという報道


メディアとして消防職員の健康に関心が高いことが伺えます。

それを踏まえて日本はどうするか?

 日本でのそもそもの問題は「消防職員の職業的ガンリスク」が認知されてないことにあります。もしかしたら日本は生きていく中で2人に1人はガンになることからガンになるのは当たり前という文化があるからかもしれません。しかし、いくら日本は誰もがガンになりやすいとはいえ、この消防士のガンリスクを踏まえれば発症する年齢が早まる可能性がが高いことは容易に想像できます。少子高齢化が問題となっている日本では定年が伸びている傾向にあり、健康で長く生きるためにもガンリスクがあるという認知をすることがますは重要です。

 帰国後に総務省消防庁、消防職員向けのがん保険を扱っている全国消防協会に問い合わせましたが、そもそも問題があると認知をしていないため統計も取っていないそうです。唯一近い統計を取っているのは地方公務員災害補償基金であり、それでも石綿(アスベスト)のみになります。

 こうなってくると現状この記事を読んでくれているあなたができることは自己防衛しかありません。消防戦術探究会としても外部に問題提起はしていきますが、まずは皆様が問題だと把握しなければ外部は動きません。一緒に頑張りましょう。

火災除染について詳しく聞きたい

 個人の消防士を除いては、レスキューインテリテック社の消防資機材である、自動除染洗浄装置「ソロレスキュー/デコンウォッシャープロS」を取り扱っている、ガデリウス・インダストリー株式会社様が最も詳しく話を聞けます。新庁舎を計画されている方や組織として問題意識を持っている、持とうとしている場合はぜひ連絡を取ってください。



ガデリウスインダストリー株式会社
https://www.gadelius.com/products/disaster_relief/rescue_intellitech.html

限定部分

・会員限定コンテンツとして私が以前作成したガンリスクのスライドおよびパワポ素材。

・その他関連情報


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