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【接客の質問】小児用ジキニンシロップを一気飲みする高齢者への対応は?

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【接客の質問】小児用ジキニンシロップを一気飲みする高齢者への対応は?

本コラムは「架空の接客」を想定したQ&Aです。会員様は無料、非会員様は有料で最後まで読むことができます。

「OTC医薬品を正しく選ぶ教室」では、このような接客の悩みへの回答を順次追加しております。今回は、教室のオーナーである薬剤師の村松から回答いたします。


質問

登録販売者です。小児用ジキニンシロップを購入する高齢者への対応に困っています。風邪のときに、シロップを1本丸ごと、私の目の前で一気飲みして立ち去っていく方がいます。

正しい使い方ではない事を伝えますが、怪訝な顔をされます。どのように伝えれば、わかっていただけるでしょうか?


回答

このようなケースでは、市販薬の不適正な使用により生じるお客様の不利益について説明するのがおすすめです。また、代替品のご案内についてもスムーズにできるようにしておきましょう。


方法① 医薬品副作用被害救済制度について伝えよう

なぜ私たちは、お客様に「薬の適正使用」を推進しなければならないのでしょうか?このように質問すると、「薬を正しく使わないと副作用が発生しやすくなるから」と答える方が多いかもしれません。それももちろん正しいのですが、登録販売者や薬剤師はもう一歩踏み込んで、国の大事な制度について知っておく必要があります。それが、医薬品副作用被害救済制度です。

医薬品副作用被害救済制度は、医薬品の副作用による健康被害を受けた方を、公的に救済する制度です。医薬品は正しく使っていても、副作用の発生を防止できない側面があります。医薬品副作用被害救済制度は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度です。ただし、なんでもかんでも補償されるわけではなく、さまざまな条件があります。

その大きな条件の1つが、薬を適正に使用していることです。「適正使用」とは、原則的に、医薬品の容器や添付文書に記載されている用法・用量及び使用上の注意に従って使用されることが基本となります。それ以外の使い方をした場合に起こった健康被害については、救済対象とはなりません。

小児用ジキニンシロップの対象年齢は、3ヵ月~7歳未満であり、決められた量を少しずつ計量カップにとって服用します。大人が一気飲みするような用法・用量は記載されておらず、不適正な使用となります。不適正な使用により重篤な副作用が発生した場合、医薬品副作用被害救済制度を利用できず、お客様に不利益が発生します

副作用の発生リスクを説明するのみであれば、自分の姿がイメージしにくく、「別にそれでも構わない」というお客様も多いかと思います。しかし、その先にある「お客様の金銭的負担」にまで言及すると、納得度合いが段違いです。ぜひアドバイスに挑戦してみてください。

参考:PMDA 医薬品副作用被害救済制度に関するQ&A
https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0006.html


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これ以降は、以下の話題について記載しています。

方法② 代替品を提案しよう!おすすめの代替品も紹介

方法③ お客様への伝え方にも配慮しよう


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