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日本のトップソムリエの方々によるワインコラム。
ここでは、毎日更新されるコラム内容の一部をちょこっとお見せしています。
梁 世柱の最近気になるワイン <1>
<ソムリエプロフィール>
梁 世柱 / Seju Yang
La Mer Inc. CEO
<ワイン情報>
生産者:Flotsam & Jetsam /フロットサム&ジェットサム
ワイン名:“Heirloom” Chenin Blanc / “ヘアルーム” シュナン・ブラン
葡萄品種:Chenin Blanc / シュナンブラン
ワインタイプ:白ワイン
生産国:南アフリカ
生産地:Western Cape / 西ケープ
ヴィンテージ:2017
インポーター:ラフィネ
参考小売価格:¥3,300
近年ますます注目を集める南アフリカ。
クラシック調のワイン、ナチュラルにかなり振り切ったワイン、その中間とも言えるワインと、非常に広範囲な多様性を伴ったまま同時多発的盛り上がりを見せていることは、ことさら興味深さを煽っている。1488年にポルトガルの航海者であるバルトロメウ・ディアスによって「偶然発見」された喜望峰は、ヨーロッパ諸国の海運の要所となったことから、葡萄栽培の歴史も新世界産地の中では比較的古い。最初のぶどう栽培は東インド会社の総領事であったヤン・ファン・リーベックが、1655年頃に始めたと言われている。それから350年と少し、南アフリカは新世界産地の代表格の一角と呼ばれるほどに成長を遂げた。ぶどう栽培にとって理想的な気候条件が整っていることに加えて、才気溢れるワインメーカーたちが、世界各国で学んだ経験を持ち帰ってワイン造りに活かしていることも大きなプラス要員だ。
今回取り上げる造り手は、非常に高品質なワイン造りで定評のあるAlheit Vineyards(アルヘイト・ヴィンヤーズ)が仕掛ける意欲的なサブ・ブランドで、特に無灌漑の株仕立て(ワインに強いミネラル感をもたらす栽培法)で育てられた葡萄に拘ったシリーズが秀逸。このワインの葡萄品種であるシュナン・ブランは、かつて南アフリカではスティーンと呼ばれていた品種で(今ではあまり呼ばれなくなりつつある)、南アフリカの地に長く定着した好適品種でもある。
造りはけっこうナチュラル寄りな中間タイプで、酸化防止剤も少なめなので、柔らかく染み入るような質感が素敵なワインだ。アプリコットや白い花の香り、僅かに残るフルーティーな甘味は、爽やかな酸味と合わさって、しっかりと辛口な印象に仕上がっている。バランス感覚は香りから余韻まで抜群で、カジュアルラインとは言え、さすが南アフリカを代表する造り手の一人、とつい唸ってしまう。キリッと冷やせばピクニックに最適のワインだし、気軽に魚介系のパスタに合わせても美味しい。ちょっと贅沢気分なら、ウニをたっぷりと使った料理を合わせれば、至福の時間を堪能できるはず。
南アフリカのシュナン・ブランという、少しマニアックだけど、南アフリカ的には王道のワインなので、ワイン勉強中の友人とシェアしても話題の的となることだろう。
価格は3,300円、というこの品質のワインとしては驚異的なリーズナブル価格。続々と素晴らしいワインが登場する南アフリカからは、なかなか目が離せない。
>>>このワインを会員様限定で10%OFFでご提供いたします。
>>>気になる方はこちら
<ソムリエプロフィール>
梁 世柱 / Seju Yang
La Mer Inc. CEO
1983年大阪生まれ。2003年にNYに移住後、様々なレストランにてソムリエとして研鑽を積む。
2011年starchefs.comよりRising Star NYC Sommelier Award受賞。
2012年Zagat SurveyよりZagat 30 under 30 NYC Sommelier Award受賞。
同年、Wine Enthusiast紙より、America’s 100 Best Wine Restaurant Award受賞。
世界最大のソムリエ激戦地での連続受賞は日本出身のソムリエとして唯一の快挙となった。
2012年に日本帰国後は、ミシュランガイド三ッ星店も含め、都内のレストランでシェフ・ソムリエを歴任。
2017年、オーストラリアにて開催されたSomms of the Worldに、World’s 50 Best Sommeliersの一員として招聘。
2018年、La Mer Inc.設立。代表取締役社長兼CEOに就任。
ワインジャーナリストとしてワイン専門誌に多数寄稿。
<La Mer Inc.>
数々のレストランやカフェのドリンク選定、ドリンク開発、ペアリング提案を行う。
飲食に関わるあらゆる事業をプロデュースしています。
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