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宇佐美 晋也のエピソードワイン<1>


<ソムリエプロフィール>

宇佐美 晋也

銀座レカン シェフソムリエ


<ワイン情報>

生産者:Domaine du Nozay / ドメーヌ・デュ・ノゼ 

ワイン名:Sancerre blanc Chateau du Nozay / サンセール・ブラン シャトー・デュ・ノゼ

葡萄品種:Sauvignon Blanc / ソーヴィニヨン・ブラン
ワインタイプ:白ワイン
生産国:France / フランス
生産地:Loire / ロワール
ヴィンテージ:2013
インポーター:ファインズ
参考小売価格:¥4,270

私がご紹介するワインのテーマは、私のワイン歴において思い出に残る一本を、エピソードとともにご紹介させていただきます。

ソムリエとしての姿勢を考えるきっかけとなった苦い思い出のワイン。フランス・ロワール地方を代表する白ワイン、サンセール。作り手はこのワインの特徴をしっかり表現するドメーヌ・デュ・ノゼ。サンセールらしいフレッシュな柑橘類とハーブの香り、活き活きとした果実味と爽やかな酸味をお楽しみいただけます。 

このワインが苦い思い出になったきっかけはブラインドテイスティング。ソムリエとしてレカンに配属されてから3年ほど経ち、ソムリエコンクールなどの勉強もしていた頃。営業後にシェフソムリエとサーヴィススタッフ、ソムリエ試験を受ける予定だったスーシェフ(2番手のキッチンスタッフ)の何人かでワインを持ち寄りテイスティングの勉強会をしておりました。その1回目に出されたのがこちらのワイン、出題者はシェフソムリエでした。

私はこちらをシャブリと答えてしまった。

ステンレスタンク醸造で、若く、フレッシュ感のあるシャブリと推測したのを今でも覚えております。銘柄を発表された時にショックだったのは、前の週までグラスワインとして扱っていたワインだったから。そして、それに追い打ちをかけたのがシェフソムリエのお叱りの言葉。「これを君が間違えるのはあり得ない。真剣にやれ」ときつく怒られました。この時はわからなかったのですが、間違えた事より、テイスティングにむかう姿勢に対して怒っていたのかと思います。正解発表の後も間違えた言い訳的な発言をしていた。土曜日営業後で疲れていた、喉も渇いていたし酸を正確に捉えられなかった、ブラインドはやっぱり難しいなー、など。またテイスティングのフォームはある程度できていたと思いますが、理論的ではなく感覚的な捉え方をしていたのもあり、分析の発言についてもかなりのダメ出しがありました。
これがきっかけとなり、もう一度テイスティングの基本を身につけようと勉強しました。また当時かなりヴァンナチュールに傾倒していたのですが、これについてもシェフソムリエから忠告されており、同じような造りのワインばかり飲んでいたら成長しない、またナチュールは還元的な香り、味わいのスムーズさや染み入る余韻、などといった特徴から分析的なテイスティングをしなくなる、と言われておりました。様々なことを改めて考え直すいい機会になったと思います。
今でもブラインドの課題などに取り組む時にテイスティングするワインの1本です。

<ソムリエプロフィール>
宇佐美 晋也
銀座レカン シェフソムリエ



1980年東京生まれ。
2002年株式会社セーキに入社、ブラッスリーレカン上野に勤務。
2006年「銀座レカン」に異動、以後銀座レカンひと筋に10余年、歴代のソムリエやお客様に育てていただき、ワインの研鑽を積み現在に至る。
レストランのソムリエとして居心地良く楽しいサーヴィスのご提供やお料理とワインのマリアージュを日々追求し、自分が経験したワインの奥深さや楽しさを多くの方に知っていただきたいと思っております。
JSAシニアソムリエ。

<銀座レカン>
1974年創業、銀座4丁目ミキモト本店ビルの地階に広がるフレンチレストラン。伝統を受け継ぎつつ創造性を加えたフランス料理を、歴代ソムリエが育んできたワインコレクションと共に、最高のサーヴィスと空間にてお届けするよう努めております。


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