小説のセリフの書き方のコツ。台詞の注意点とは?

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小説のセリフの書き方のコツ。台詞の注意点とは?

この記事はプロのラノベ作家が監修しています。


Q.セリフではキャラクターの個性や感情の流れを優先して、地の文では状況説明の分かりやすさを優先すべきでしょうか?

最近考えていることとして、小説ではセリフにおいては、キャラクターの個性や感情の流れを優先して、地の文では状況説明のわかりやすさを優先すると良いと思うのですが、いかがでしょうか?


地の文は、何が起きているのか? その状況をなるべくわかりやすく伝えることを優先した方が良い作品になると分析しています。


逆にセリフで状況を伝えようとしすぎると、いわゆる説明口調となり、キャラが作者に動かされているような不自然が発生し、キャラの魅力の低下に繋がると考えています。


セリフはキャラクターの個性や感情を表現するために重要な部分で、ここは実はわかりやすさより、キャラの魅力演出の部分だと考えた方が良いと思いますが、いかがでしょうか?


A.著者によって得意不得意があると思うので、「書いている本人が筆が乗りやすいやり方であれば、セリフと地の文のバランスは著者本人が自由に決めてしまってOK」というお答えになると思います。

その上で、もしも「自分の得意な書き方がまだ定まっていないので、オススメの書き方はありますか」という意味の質問であれば、お答えとしては


・とにかく地の文よりセリフが最強なので、個性や感情の流れから状況説明の分かりやすさから、何においてもセリフを優先的に使うことを考える


・ただし、「明らかにセリフにすることがおかしい時」と、「セリフで状況説明をし過ぎて、まるでキャラクターが著者の操り人形のようになってしまっている時」のみ、地の文をうまく使うことを考える


上記2点がおすすめの書き方です。


簡単な例として、例えば「雨が降っている」という状況説明をしたい時は、地の文で【雨が降っていた。】という説明をしてもいいのですが、


もしもこの場に主人公とヒロインの二人がいるならば、


「傘、持ってないの?」

「うん。雨降るなんて思わなくて」

「俺の傘入る?」

「いいの?」

「もちろん」


……のような会話をした方が、雨が降っているという状況を指し示すと同時に、キャラクターが生きている感、つまりキャラクターの個性が生まれ始めるので、地の文で書くよりも圧倒的に効果的です。


しかし、もしこのシーンに主人公1人しかいなかった場合は、主人公が突然「雨が降ってるな。かなり強い雨だ」とセリフにして言うと、何でこいつは周りに誰もいないのに独り言で雨の説明をしてるんだ、と違和感が出ます。


こういった明らかにセリフにすることがおかしい時は、地の文を使うことを考えます。


また、「雨が降っていた」のような単純な状況説明ではなく、


「現在イースト王国がウェスト共和国に戦闘機による爆撃を仕掛けており、ノース連邦にとっては二国の戦争を傍観していることが一番効果的な状況であった」のような複雑な状況説明も、可能であればセリフのやり取りの中で情報を出せるのが最も良いですが、状況によっては会話の内容が、


「現在イースト王国がウェスト共和国に何をしているか分かるか?」

「確か今爆撃を仕掛けているよね。ノース連邦はこの状況をどう考えているんだろう?」

「自分が攻撃を受けてない戦争だから、つぶし合ってくれるという意味ではいい戦争だな」

「そっか! ということは、ノース連邦にとってはこの戦争を傍観しているのが一番理にかなってるってことだね!」


……のような、二人のキャラが読者置いてけぼりで都合のいいように物事を理解していくと、「なんかこのキャラクターたち、著者が情報を説明するための道具っぽさを感じる」となってしまうので、こういった場合も地の文の利用を考えていきます。


ライトノベル新人賞系の作品ならまだ許されることがありますが、web系の小説となると地の文は読み飛ばされることがあります。


つまりセリフしか読んでいない読者が発生する可能性があるため、そういった意味でも「最悪セリフだけ読んでいけば詳しい描写はおいておいて内容は分かる」という状態にすることは重要です。


2025年1月8日に作成した記事


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