「基本」とは何か?:画一的な概念からの脱却

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「基本」とは何か?:画一的な概念からの脱却

「基本」とは何か?:画一的な概念からの脱却と、自己の身体に最適化されたフォーム

はじめに:普遍的な「基本」という幻想

多くの人が「基本」と捉えているものは、教科書的なルールや一般的なガイドラインに過ぎません。しかし、真の「基本」とは、個々の身体特性に基づいたオーダーメイドな概念です。身体特性、筋力バランス、柔軟性、神経系の特性は人それぞれであり、画一的な「基本」は、必ずしも全ての人に最適とは限りません。本質的な「基本」を理解するためには、固定観念を捨て、自分自身の身体と対話し、徹底的に追求する姿勢が求められます。

真の「基本」:自分自身の身体の動きを追求する

「基本」の本質は、自分自身の身体がどのように動き、どの関節がどのように使われているのかを深く理解することです。そのためには、自身の身体に対する深い洞察と、試行錯誤を繰り返す根気強い姿勢が不可欠です。一般的な指導や教科書的な知識は、あくまで参考程度にとどめ、自身の身体特性に基づいて最適化していく必要があります。スクワットのしゃがみ方、ベンチプレスのグリップ、デッドリフトの引く意識など、一見すると些細な要素であっても、個人の身体によって最適な意識は大きく異なります。

「自然なフォーム」と「作りこみのフォーム」:本質的な違い

フォーム改善を考える上で、「自然なフォーム」と「作りこみのフォーム」の違いを明確に理解することは重要です。「自然なフォーム」とは、自身の身体が最も効率よく、かつ安全に動くことができるフォームです。身体の各部位が無理なく連動し、無駄な力みやストレスがなく、最も自然な形で力を発揮できる状態を指します。このフォームは、自身の身体感覚に耳を澄ませ、試行錯誤を繰り返す中で、徐々に洗練されていくものです。
一方、「作りこみのフォーム」とは、見た目の美しさ、指導者の意見、あるいは一般的な理想形を優先した、意図的に作り上げられたフォームです。このフォームは、必ずしも自身の身体特性に合致しているとは限らず、むしろ身体に不自然な負荷をかけ、怪我のリスクを高めたり、トレーニング効果を低下させたりする可能性があります。多くのトレーニーは、指導者から教わったフォームやトップアスリートのフォームを模倣しがちですが、これらのフォームが「作りこみのフォーム」である可能性も考慮する必要があります。

具体的なフォーム改善方法:多角的なアプローチ

フォーム改善は、単に「正しい形」を覚えるだけでなく、多角的なアプローチを必要とするプロセスです。以下に、具体的なアプローチ方法を紹介します。

● 客観的な視点の導入: 自身のフォームをビデオで撮影し、客観的に分析することで、自身の感覚と実際の動きのズレを認識することができます。また、指導者や経験豊富なトレーニーにフォームをチェックしてもらい、フィードバックを得ることも有益です。
● 身体感覚の研ぎ澄まし: グリップ、スタンス、呼吸、初動の感覚など、トレーニングにおけるあらゆる要素を意識的に捉え、自身の身体に最も適したものを選択することが重要です。トレーニング中は、自身の身体がどのように感じているのかを常に意識し、必要に応じてフォームを調整する必要があります。
● 身体との対話: 「なぜこのフォームが良いのか?」「なぜこのフォームで上手く動けないのか?」といった疑問を常に持ち、その答えを探求することで、自身の身体に対する理解を深めることができます。
● トレーニングノートの活用: トレーニング内容だけでなく、その日の身体の感覚、気付き、疑問点、改善点などを詳細に記録することで、自身のフォームを客観的に分析し、改善に繋げることができます。
● 重さ慣れトレーニングへの注意: 高重量を持ち上げることに慣れるための「重さ慣れトレーニング」は、神経系を疲弊させたり、普段とは異なるフォームを身体に覚えさせたりしてしまう可能性があります。頻繁に行うべきではなく、アクセントとして取り入れる程度に留めましょう。
● SNS情報の批判的吟味: SNSには、玉石混淆の情報が溢れています。情報を鵜呑みにせず、批判的に吟味し、自身の身体に合った情報のみを選択することが重要です。
● 自分に合った指導者の選定: 指導者との相性は、フォーム改善において非常に重要です。自身の身体の使い方や思考パターンを理解し、最適な指導をしてくれる指導者を選ぶようにしましょう。

種目別の注意点:フォーム改善のポイント

ビッグ3(スクワット、ベンチプレス、デッドリフト)の各々において、特に注意すべきフォームのポイントを以下に示します。

スクワット
● 膝が内側に入ってしまう場合も人によっては問題ない場合もある。
● 前傾を恐れすぎるあまり、上体を起こしすぎる傾向にある人もいる。
● 背中は、反らせも丸ませもせずに、フラットな状態を保つことが基本。
● 足の裏全体で地面を踏みしめる「踏み圧」を意識することで、安定したフォームを維持することができる。

ベンチプレス
● 肘が曲がってしまう場合は、肩甲骨のセッティングとグリップを見直す必要がある。
● 手首は立てるのではなく、自然に寝かせることが基本。
● 肩で受け止めてしまわないように、肩甲骨で受けるように意識することで、肩への負担を軽減することができる。
● シャフトを下ろす位置は、胸の上部ではなく、乳首からみぞおちの下あたりにおさめるように意識すると、肩へのストレスを軽減することができる。
● ブリッジは、毎回妥協せずに、最大限の力を使って組むように意識することが重要。
● グリップは、自身が最も自然に握れる場所を探し、しっかりとシャフトに密着させることが大切。

デッドリフト
● 背中が丸まってしまう場合は、最初のポジションが決まっていない場合が多い。
● 腰を反らすのではなく、背中は自然な状態を保ち、腰が丸まらないように意識することが大切。
● フィニッシュでは、後ろに反り返るのではなく、真っ直ぐ立つように意識。
● ファーストプルのポイントは筋肉ではなく骨格を意識して引き上げる。。

「考える力」の重要性:成長への鍵

トレーニングにおいて、「考える力」は、身体能力の向上と同じくらい重要な要素です。常に自分のトレーニングに対して疑問を持ち、改善を繰り返すことが、成長を続けるために必要不可欠です。情報を鵜呑みにせず、自身の身体に合った最適な方法を追求する必要があります。指導者や信頼できる人に相談し、客観的な意見を取り入れることも、成長を促進する上で重要です。「知っていること」と「できること」は異なるということを理解し、知識を実践に活かすことが重要です。

まとめ:自己の身体に最適化されたフォームへ

真の「基本」は、普遍的なものではなく、個々の身体特性に基づいたオーダーメイドな概念です。画一的な「基本」に囚われず、自身の身体と対話し、徹底的に追求することで、より効果的なトレーニングを行うことができます。ここで紹介した情報を参考に、自身のフォームを深く理解し、改善に取り組み、トレーニングの効果を最大化し、目標達成に向けて着実に進んでいきましょう。


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