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1話息子が通った中高は2話役員に3話勉強なんかしなくていい

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1話息子が通った中高は2話役員に3話勉強なんかしなくていい

※ご注意:医学部受験とは関係ない日記となります※

イチローは中学受験をして、大学付属私立中高一貫進学校から、二浪のした後、MARCH工学部に進学しております。


アメブロ「二浪日記」のmarimcreamです。

ずっとアメンバー記事になっていた
二浪日記の過去記事を公開することにしました。

これは
「イチロー君の受験のお話はどうすれば読めますか?」
というたくさんの声に押されたものです。

ここに書いてあることは、
イチローが二浪していた時に私が書いた、中高一貫校時代の振り返り日記と、二浪時代のドキュメントと、見守る母の苦しい心情、つまり愚痴…。

小説ではありませんから、少しもドラマチックではなく、特にオチもなく、面白いものではありません。

書いてあることは事実ですが、なにせかなり昔の内容なので、現在とはだいぶ状況が違うことも多々あります。

そういったこの日記の特徴を、十分ご理解された上、
「それでもいいいからどうしても!」
という方のみにご覧いただきたいと思っております。

そのため有料記事とさせていただきました。
試しに読み始めた方が、興味がなくなった時に、ご負担なくすぐに止めることができるよう、数話ずつ最低単価で公開していきます。

今回は体験版として3話無料公開となっております。


1話 息子が通っていた中高は
2話 情報を集めるために役員になる
3話 勉強なんかしなくていい!




どこで落ちこぼれたか
1話 息子が通っていた中高は
イチローが通っていた中高は、上位中学の併願校になる中高だったので
滑り止めで入学してくる子がとても多い学校だった。
そこにイチローは、第一志望で、しかも、算国の穴を理社で埋めるという作戦で合格したので、最初からハンデを背負っての入学だったと思う。         
    
その進学に不安がなかったわけではない。

でもイチローは、苦手な科目であっても、
そこから逃げたり放り出したりは決してせずに、まじめに頑張る子だったし、地元の小学校で簡単な授業を受けてるときより、N研で難しい問題を解く方を好む子だ。
だから、イチローより賢い子が多いほうが、いい影響を受けるような気もしていた。

合格した中学はもう一つあった。

そこはイチローが滑り止めで合格した学校なので、おそらく入学した場合、上位でいられる可能性が高かった。

どっちの中学がこの子のためになるのだろうか・・・。

正直なところよくわからない。

私は以前、N研の室長に、こんな風に相談したことがあった。

「先生、もし、まぐれで上の中学に合格したとして、そこへ入学して勉強についていけるものなのでしょうか。」

すると室長は、突然居住まいを正して、すこしきりっとした表情で

「まぐれの合格なんてありません。実力があるから合格したのです。ですから合格した中学に入学して、ついていけないなんてことはありません。」

と言いきった。


私は質問を変えて、

「では、上位でいられそうな中学と、おそらく下位になると思われる中学と、どちらに入学したら、ウチの子が伸びると思いますか?」

と聞いてみる。

すると室長は胸の前で腕をくみ、うーん、と首をひねった後、

「イチロー君の性格から言うと、上位でいられる中学の方が伸びるかもしれませんね・・・。」

と、私の想像とは違う見解を述べた。

私は、上へ上への教育をするN研側から、
偏差値が下の中学への進学を勧めるような話を初めてされたので、
その解答に少々驚いていた。

室長は続ける。

「イチロー君は、N研の上位クラスで後方の席、つまり、そのクラス下位ランクにいるときよりも、たとえ一つ下のクラスでも、最前列で、カリキュラムテストや模試のベスト3に毎週ランクインして、壁に名前が張り出され、賞品のノートを必ずもらいながら勉強をしているときの方が、楽しそうに見えます。」

さすが室長。
担任でも、授業の指導者でもないし、あんなに沢山生徒がいるのに、1人1人をよく見ている。

N研ではクラスのランクにこだわって、
下位のクラスに落ちるとやる気を失う子も多い。
イチローはそうではなかったということか・・・。


結局、

悩みに悩んで、右往左往ながら
イチローが締め切りギリギリに決断し、N研室長の勧めとは逆の、大学付属の中高一貫進学校に進学することになったのだった。


上位校の受け皿になる位置にあたる学校なので、ある程度は解ってはいたことだけど、
いざ入学してみると、
「こんなはずじゃなかった・・・。」
と、心で泣きながら入学してくる母子が本当に多かった。


入学式のころには子供たちは吹っ切れて大抵どの子も笑顔だが
親はそうもいかないらしい。
めでたいはずの入学式に、
笑顔どころかひどく暗い表情で参列しているのですぐわかる。

入学式の帰り、学校から駅までの道をイチローと歩いていたら、
前を歩く母の一人がケータイで誰かと話していた。
そして溜息をつきながら

「うん。うん。解っている。私がふっきらなきゃってことは。
でもね、なんで、どうして、ここなんだろうって
どうしても思ってしまうの。
大学でリベンジ・・・。そうだよね。子供はもうその気なの。
頑張るからって言ってる・・・。
はー。だめだよね、入学式なのに。母親がこんなじゃさ。
解っているのにどうしても・・・。
だって絶対大丈夫って言われていたのに。」

どっひゃー。

りんこさんの本みたいな話がリアルに聞こえてきたぞ。
入学式が終わっても、まだ引きずっているんだ。
この中学に落ちて、泣いている子もたくさんいるだろうに・・・。

イチローの入学した年は、その学校は大人気で近年まれにみる高倍率となり、偏差値は急上昇、本当に入りたくても入れない子が結構出た年だった。

私は教科書や教材でパンパンになった息子の荷物の半分を持ちながら、
ドラマのようなセリフにくらくらする思いだった。


後日開催された全体保護者会。
私は仕事を休んで参加した。
会場にすし詰めに座っている母たちは
あちらこちらで
「〇組の何々です。」
などと自己紹介をしながら話しはじめていた。

そんな母たちの会話が聞くともなしに漏れ聞こえてくる。

「本当は〇中希望で・・・」 

「まさかの全落ちであわてて願書出して・・・」

「あら、うちも。じゃ最後の回で?」

「滑り止めで・・・」 

「マスターだったのに・・・」

「インフルエンザになっちゃって・・・」

おいおい。
第一志望で入った子は一人もいないのかーい。

入学してから仲良くなって、個別に聞いてみたところ、
N研の最上位クラスだった子も多く、
家みたいに、ほとんど万年一組でした、みたいな奴は皆無だった。


そんな中にポンと放り込まれて、イチローが上位に行けるわけがない。
だって、スタート時点でもう、偏差値20くらいの差があるのだから。

案の定、最初の中間テストは、真ん中にもとどかない。

でも今思えばこの真ん中に近い成績、
息子にとっては快挙だったのかもしれない。






2話 情報を集めるために役員になる。
中一の最初のテストが終わり、
その結果を持っての3者面談のとき担任から

「順位はあと40~50位くらいは、頑張れば上がると思います。」
とサラッと説明を受けた。

担任は、
「頑張れば上がる」と言ったのに
私には、
「いくら頑張っても、真ん中より上が限界で、
上位は無理。」と言われたように感じていた。


だけど、息子は頑張った。
でも、周りも頑張った。

そう。
中学受験をした子は、勉強や試験にとてもなれているので、
みんな試験となればそれなりに頑張るのだ。
だから順位の乱高下はあまり起こらないものなのだ。

上位の生徒の中の一部には、
燃え尽きを感じたのか、勉強をしない子も確かにいたが
そんな子は若干名だった。

勉強するのに慣れている子達の集まりの中で、
イチローは上位に行くどころか、
頑張っても、頑張っても、現状維持がせいぜいで、
ちょとでもミスをすると
順位は途端に下がってしまうのだった。

中一のころは、電車通学に慣れ、私立中学に慣れ、部活に慣れ、
友達を作れればいいと思っていた。

いびつな中学受験時代のような、
勉強だけの毎日は過ごして欲しくなかった。

でも母は一応、情報だけは集めておきたい。
数年たってこんなはずじゃなかった、は嫌である。

情報を集めると言っても知り合いもいない・・・。
だったら。

そう、母は友達を作るために役員になったのだ。


学校に行く機会も増えるし、
先生に顔も覚えてもらえる。
母たちとコミュニケーションもぐっととりやすくなる。


ウチの息子の小学校では
中学受験した子がウチの息子を入れて二人しかいなかったので、
同じ小学校の子がいるわけじゃないし、
どんどん話さなくなるであろう息子から
学校の情報を得ることなど無理というものだ。


幸い役員にはいろんな種類があり、
こんな私にもできそうなものがあった。

部活母のランチ会 と 役員会はとても楽しかっただけでなく
しっかりと情報収集の場となった。

そこで集めた情報は有益なものが多かった。

通塾について聞いてみると、
英語だけ、塾へ行っている子。
数学だけ、週一くらいで個別指導を受けている子。
すでに通塾している子もちらほらいたが、
それは本当にごくわずかだった。


そしてみな同じことを言う。

「ウチの子、もう全然勉強しないのよ。」


3話 勉強なんかしなくていい!

「ウチの子、もう全然勉強しないのよ。」
どの母もたいていこう口にする。

別に嘘じゃないと思うけど、同じ
「勉強しないのよ。」にもかなりの差があるように思う。

それを証拠に、全然勉強していないはずの友達のほうが、結構勉強しているイチローよりもだいぶ成績がいいのだった。

そう。
イチローは、勉強はしていたのだ。

量が足りていないだろうし、内容もあさってなのかもしれないが
「全然勉強しないの」
と、言ったらかわいそうだと思えるくらいキチンと毎日していたのだ。

中学へ入ったら勉強も親から自立することを望んでいた私は、
ここが我慢のしどころと、
手出し口出しを必死にこらえて過ごしていた。

なんとかイチローに
「僕は勉強しているのに、なんで点数が上がらないのかだろう?」
と考え、そしてそれを自ら解決してほしかった。


みなさんよくご存知だと思うけど
中高一貫校は、高校三年生の時に、受験勉強に集中できるよう、
中高6年間のカリキュラムを5年で終了するようになっている。

6年間の内容を、5年間でやるのだから、
授業のスピードが早い懸念があった。

それでは大変なだけかもしれないと入学前にいろいろ調べてみたら、
数学も英語も、一週間の授業時間が、公立中の二倍以上確保されている。

ということは
一回の授業を倍速でやったり、どこかを端折るわけではないだろう。
だったら問題ないわよね?と入学前の私は思っていた。

でも、イチローが入学してからわかったことだが、
授業のスピードは平常でも、
一週間の授業が二倍あるということは
一週間で覚えるべき単語の数や、構文の数、数学の公式の数などが、
全部公立中の2倍となるということなのだ。

英単語を、毎週、毎週、地元の中学の子の2倍の量を覚えていくとしたら、
それは結構大変だと思う・・・。

部活は週に3日、と聞いていたけれど、
大会前などは練習の増加が許されているし、
土日は練習試合や公式戦が必ず入っていて、
要するに結局毎日部活はあった。

学校に通えば通うほど、
覚えるもの、やって提出するものが、どんどんたまっていく。

自力でこの状況を好転させる、
これは結構困難なことかもしれない。
親が知恵や手を貸さないわけじゃない。
でもせめて
「どうすればいいかな?」
と自分でHELPの声を上げてくれないか・・・。

私はイチローが中一の間はなんとかこらえ、
じっと待っていたけれど、
いつまでたっても状況は改善されないので、
これ以上待つことは、乗り越える壁を高くするだけと、
いったん状況を精査することにした。

それは、中二になったころだった。

学校からイチローは、
「ちゃんと毎日家でも勉強するように!」
というような内容の、アドバイスというか、小言というかを、もらってきていた。

私はまず、その誤解を解きたかった。
イチローは、勉強はしているのだ。 
毎日毎日、きちんと机に向かって、
問題集やら参考書やらなにやらかにやらやっていた。
だから、やり方がよくないだけなのだ。

そこで、学校側にもこの実情を正しく理解してもらい、
状況を改善するための正しい勉強方法を指南してもらおうと、
私は担任にイレギュラーの5者面談を希望した。

通常、担任、保護者、本人の3者面談のところを、
数学と英語の教科担任にも加わってもらって、5者面談にしたのだ。

定期テストの結果をもとに行われるこの面談。
先生3人を前に私は現状を話し出した。

家で毎日勉強はしている。
やる気がない訳ではない。
部活も忙しく、自宅も遠いが、往復の電車の中では読書をするなど
時間を有効に使おうとする工夫もみられる。

やる気がみられるうちに、なんとか遅れを取り戻したいと考えている。
勉強方法を見直すことが必要だと思う。
「勉強しなさい。」や「復習しなさい。」という漠然とした言い方ではなく、なるべく具体的に、学習内容と量を指示してもらえないか。
というような内容をできるだけ手短に告げた。

イチローは私の横で何も言わずにただ黙って聞いていた。

英語の先生や、数学の先生は、
実情を聞きながら、必要な勉強の量や質などについて
しっかりと話してくれた。
英語の先生は
「英語はまずは読んでみて。一日10分。それを毎日。10分って言うと短く感じるけど、時間を計って読んでみると結構長いよ。それを続けてみて。」

数学の先生は
「計算ミスだけどさ、疲れている時は数学やらない方がいい。
ミスしやすいなら特に計算はしないほうがいいよ。 
ミスが増えるだけだからね。
問題集をやる時間帯が遅いんじゃないかな。
眠い頭や疲れた頭で計算したらさ、俺だってミスるよ。」

等々と、具体的ですぐに実行できそうな内容を教えてくれた。
私は、うんうん、という感じでイチローと先生を交互に見ていた。

そんな話の途中に、そのすべてを遮るように、担任が言った。

「勉強なんか、しなくていい!!」

それは唐突でちょっと大きな声だった。
みんなびっくりして押し黙った。
担任は私には目もくれず、息子だけを見て話を続ける。

「俺は最近、お前の楽しそうな顔を全然見ていない。
そのことの方がよっぽど心配だ。
勉強なんかしなくていい! 
なんでもいい。
お前の好きなことをやれ!」

英語の先生と数学の先生、そして私も息子を見つめた。
息子は担任を見たまま、何も言わなかった。
そして二人はしばらく睨み合っていた。

担任は静かに、今度は私に向けて話し始めた。
「ここは 中高一貫です。 卒業まではあと5年あります。
大丈夫です。 待とうじゃありませんか。 
大学受験まではまだまだ間があります。
とことん好きなことをしたらいいのです。
学校にさえ来てくれていたら、面倒見ますよ。
途中で見捨てるようなことはしません。
不登校など、学校に来られなくなる子の場合は、
この学校に残すことが最善とは言えないケースもあるので
対処方法はいろいろになりますが、
学校に来てくれてさえいたら、成績を理由に高校へ上げないなどということはしません。
焦ることはありません。時間はたっぷりあるのです。
私は変わっていく生徒を何人も見てきましたよ。
大丈夫、学校へ来ている生徒を絶対切り捨てたりはしません。」

なんだか思いもよらぬ展開になってきた。


中高一貫進学校で、まさか担任から

「勉強なんかしなくていい!」

と言われるとは思わなかったが
私はこの言葉に少し安心した。

成績が落ちると、
「勉強にお困りでしたら よい家庭教師を紹介しましょうか?」
と斡旋する私立もあると聞く。

好き好きの問題だが、私はそういう学校は苦手だ。

息子の学校は、私が見学して気に入った 
母一押しの男子校 だったが
このことで私はこの学校が、
もっともっと好きになったのだった。


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