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226急がば回れ227センターの228判定違う229揺れる国立

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226話 急がば回れ
227話 センター試験の予備校判定結果
228話 駿台と河合と代ゼミで判定が違う
229話 揺れる国立の受験校・・・

226話 急がば回れ

「最近、物理の精度が落ちてきているようで
それが気がかりです。」
イケメン先生はそう言った。
…え?
物理が・・・?
物理は先生が出る幕がないほど、
できているんじゃなかったの?
ミスで失点することはあっても、
解らないのはほぼないはずじゃなかったの?
(注 W大レベルは除く)
私は思いもよらぬ先生の言葉に唖然とした。
「基本レベルの精度が下がっているのか、
解くのに時間がかかるようなんです。
金曜日にやっている物理が難しく感じられるのは
そのせいだと思いますね。
問題のレベルはむしろ下げてきているんですよ。
前に比べて。」
そうだったんだ。
その落ちてしまった精度とやらを短期間で
あげる方法はあるのだろうか?
私は具体策を探すべく先生に聞いた。
「じゃあ、先生物理は何をやればいいですか?
過去問をとにかく解くことですか?」
私は物理のことなど解らないので
なるべく具体的にやることを提示してもらいたい。
そうでないと方向性を見誤る。
不確かなことをして時間をロスってる余裕はないのだ。
イケメン先生は言った。
「過去問もそうですが、B4のプリントをやってください。」
「B4のプリント?」
「そうです。 イチロー君に言ってもらえれば
それで解ると思いますが、
僕が授業の前によく使っているプリントです。」
よくやってたプリントなんだ…。
「じゃ先生。まずはそれをやり直すことですか?
それとも それをやりーの、過去問やりーの
ですか?」
馬鹿みたいな質問だけど仕方がない。
私は物理についても大学受験についても解らないのだから
細かくご指南いただくしかない。
イケメン先生はもう少し説明してくれた。
「まずはそれをやって下さい。
それから過去問もやること。
もうあまり時間がありませんからね。
そのプリントをやれば、
解くスピードも速くなるはずです。」
両方同時進行でやるのか。
でも、そんなよさげなプリントがあるのね。
だったらよかった。
私は普段、勉強内容にここまで首を突っ込まず、
先生から直接イチローに指示してもらうのだが
今回は時間がない。
イケメン先生にイチローが今度会うのは水曜日だ。
今日は月曜。
今夜と明日、2日間のロスはこの時期痛い。
それでまるで食い下がるかのように
聞いているってわけなのだ。
私は具体策が見えたことでまた少し安心し
「解りました。それをやるように声かけしてみます。」
と返事をした。
物理で得点できないとしたら致命傷だ。
早く何とかなるといいけど…。
イケメン先生はどんなに頼んだって、
自分がいいと思ったことしかやらない。
それは約二年の付き合いで解っていた。
でもそれでもどうしても、
今回だけは息子の意向を汲んで欲しかった。
それで私は念押しした。
「では、金曜日の物理はMARCH対策でお願いします。
それも大学を絞って。
皆さんと足並みがそろわず、ご面倒をおかけしますが
どうかよろしくお願いします。」
先生は
「はい。」
と短く返事をした。
そして
「また何かご不安なことがありましたら
いつでもおっしゃって下さい。」
と言ってくれた。
私は電話を切ったあとしばらく時間を置き、
気持ちと頭を整理してから
イチローの部屋へと行った。
イチローは机に向かって、
なにやら問題を解いているようだった。
私がドアを開けたので、
目は机上から放さないまま
彼は「どうだった~?」と言った。
「あのね、物理はね、
基本を思い出すのに時間がかかっているようだって、
先生が言ってたわ。
それでミスが増えたり、問題を難しく感じたりしているんだって。
それを直すにはね、 B4のプリントをやると良いらしいのよ。
もらっているでしょう? プリント…。」
イチローは勉強していた手を止めて
こちらを見た。
「プリント?」
イチローは なにそれ? という顔をした。
「先生は、言えばわかりますって言ってたけど…。」
イチローは首をかしげながら
「プリントねぇ…。」
と言う。
私は頭の中にあった先生の言葉を
探し出して口にした。
「先生が授業の前によく使う奴、だって。大きさはB4…」
「授業の前?」
イチローは怪訝そうな顔をしながら
物理のルーズリーフを棚から出した。
そして
「これのことかな?」
と言い、プリントを私に見せた。
私はB4のプリントがどっさり綴られた束が
出てくるのだと思っていたが
イチローが見せたのはZ折で綴じられた
一枚のプリントだった。
単元ごと?に一枚~もらうようだ。
イチローは
授業でやった問題演習を綴じたルーズリーフの、
単元ごとの表紙として
それを入れているようだった。
イチローは折ってあったプリントを開き
ペラペラさせながら言った。
「これねぇ…。 これを今更?
時間もないし、過去問やりながら
振り返るのでいいじゃん?」
私はイチローが
「わかった」
と言うだろうと思っていたのに
意外にも拒絶反応を示したことに少し驚いた。
「もちろん去問もやれって言ってたけどさ…。
先生は無駄なコトさせない人だし、
物理については尋常じゃないノウハウを持っているんだから
言うことを聞いた方がいいと思うよ。
イチローからするとなんとなく回り道に感じてしまうことでも
実績のある人の言うことに素直に従ったほうが、
結局速いと思う。
基礎に立ち返るのはどんなことをやるときも
基本中の基本だからね。」
私はそう言ってみたものの、
そのプリントは全体でどのくらいの量があるのか
全部解くのにどのくらいの時間がかかるものなのかが
自分では解らないことがじれったかった。
本命私大の受験スタートまで
もう本当に時間が無かった。

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