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210あと10点ずつ211憎まれても212多生の縁213手伝っても

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210あと10点ずつ211憎まれても212多生の縁213手伝っても
210話 あと10点ずつ
211話 親はたとえ憎まれても
212話 多生の縁
213話 親が手伝ってもいいこと



210話 あと10点ずつ

12月まではそうでもなかったけど
さすがに出願間近になってくると
どこに出願するのか 
締切はいつまでなのか
そしてそこは取れそうなのかチャレンジなのか
などということがどうしても気になってくる。
受験を仕切るのは私じゃないし、
気にしているのは疲れるから
私は自分の好きなことでもやって、
それらのこと全てから目をそらそうと思うのだけど
結局、何をやってみても忘れられるはずもなく
ふとした瞬間に
フラッシュバックのごとく、それらがよみがえり
私は気が付くと
「はぁ~~」 
っと深いため息をついている。
それを何度か繰り返すうちに
私はかなりめげてしまった。
ならばいっそ発想を変えて、
どこかに見落としているイチローでも入れそうな
いい大学はないものかと、
受験カレンダーや河○の予想ランキングを
がん見しながら探しているほうが
結局、気楽だったりするのだった。
入試も3度目なので東京近郊であれば
世間的な評判から、
入試の特徴
その後の就職先、
アクセスやら
そこの問題がイチローに合う合わないまで
解ったりするのだけど
関西はもちろん、
日本中に選択肢を広げると、
調べてみたいことはまだまだ沢山あった。
私が避けたいのは
「ここ受けておけばよかったかも」
と後から思うことだ。
今現在、一般受験出願を
予定している大学に合格出来たら
何の問題もないけれど
合格できるかどうかは
受けてみなければわからない。
だいたい大学の
合格ラインは7割前後だ。
今過去問で楽に8割とれている、
というところはまずないようで
合格ラインを越えてみたり数点下回ってみたり
しているようだ。
イチローがやっている過去問状況を
なんとなく見ていると
どこのどんな過去問をやっても
(トップオブ私大は除く)
大抵6割~6割後半って感じのようだ。
詳細は教えてくれないけど、
机の上にやり放しでなんでもおいてあるから
○の数を見てみたら
私にもなんとなくは解るのだった。
3割しかとれなかった・・・
などと言うのもないけど
完璧にクリアだ
って言うのもない。
私大の物理はもうちょっと取れそうなのに
何で取れないのか聞いてみたら
「・・・それはミスしまくっているからでしょう。」
と他人事のように奴は言ってのける。
あのさあ。
トータル7割以上は欲しいよね。
あとちょっとだけど
そのちょっとが大事でしょ?
私は心の中でそうつぶやく。
声に出さないのは
言わなくても解っているに決まっているし、
イチローはマイナス思考なので
こちらからのマイナス発言は
極力避けたいからだった。
「だったら、だいたい合格点だから大丈夫そうね!」
とあえて明るく言ってみたりする。
言いながら「本当に大丈夫なのか?」
と自問自答せずにはいられないけど。
何度やっても、どこ大をやっても、
6割5分前後って。
金太郎飴かお前は。
6割5分しかとれていなかったのが
過去問をやり出してからは
7割、7割5分できるようになってきたと
なんでならないのだろう?
間違ったところは 解答を見て
解けないものはないようにしているはずだ。
センターはもう時間的に
得点アップさせるのが無理なら、
私大に切り替えて可能性の濃そうなところを
あと10点20点プラスしておきたいところだ。
センターから私大までは時間がほとんどない。
そういうことはやっているのだろうか・・・。
なんだか部屋で静かにしているので
何をやっているんだろうと思い、
イチローが部屋から出てくるのを待って
声をかけてみた。
「今は何やっているの?」
イチローは トイレに行く足を止めて
こう言った。
「・・・東大の問題。」
「とーだいのもんだいぃ?」
なんでさ?
とーだいなんて受けませんけどっ?
「宿題なんだよ。」
しゅくだいぃいぃ~?
「で、できるの?」
「できるわけないでしょう。」
どうやら、どうやってとこうかと
長考状態に入っていたようだ。
長考している時間なんか今あるのか?
私はイチローに言ってみた。
「じゃ、止めていいわよ。
受ける私大の過去問でもやれば?」
イチローは黙っていた。
「先生には、私から話してもいいからさ。何題あるの?」
「1題かな。」
多分大問1題だろうから小問が何題かあるんだろう。
東大は受けないからW対策だろうな。
微積を解く感覚が鈍らないように
やらせてるんだろうな。
おそらくセンター対策などの間に
難問を解かせているのではないのだろうか。
明日の授業で解説する問題を
宿題に出したのだろう。
でも長考していてもしかないよな。
「じゃさ、30分考えても解らなかったら止めるとかさ
なにか線引きしたらどう?」
トイレを済ませたイチローに、
私はまた声をかけたが
彼はそれにははっきりと返事をしないまま
部屋へと戻っていった。
「私大の滑り止めの滑り止めを探しているけど
受かりそうなところがありません。
どうしたらいいでしょう?」
という相談でもしようかと思っているのに、
東大の過去問やってていいのか。
イケメン先生は○大K学部を取れると
思っているのだろうし、
Wも全然諦めていない。
私のようなど素人が何か言っても、
はい、そうですか、と言って
自分を曲げるような先生じゃない。
自分がいいと思うことしか結局やらない
筋の通った先生なのだ。
私はくだらない希望を出すのは
止めることにした。
イケメン先生はイチローが自分でできないところを
やってくれているのだろう。
イチローが自分でできるところは自分でやればいいし、
滑り止めの滑り止めは
私がもう少し探してみようと思った。

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