男性向け女性主人公ラノベのテンプレとは?男バディをどうする?
テキスト
- 内容
- ライブラリ
この記事の作者はプロのラノベ作家です。
前提として、女性主人公の作品が完全なる男性向け作品になることはありません。
女性を主人公とする以上、男性主人公作品より確実に女性読者の割合は増えるので、大体の場合は「男性も女性も楽しめる作品」もしくは「男性も楽しめるがより女性の方が楽しめるような作品」という着眼点で作られることが多いです。
そしてこの2つのどちらを目指すかにより、理想となる魅力的男バディの像は変わってきます。
後者の「男性も楽しめるがより女性の方が楽しめるような作品」は非常に分かりやすいです。
この場合、バディとなる男キャラは「外見的には超イケメン」「主人公女性以外の女性からモテる」「一方で主人公の女性だけはその超イケメンがバディとなることを疎ましく思っている」「が、外部的事情によりその超イケメンとバディ的な立ち位置にならざるを得なくなる」というテンプレートが採用されることがほとんどです。
「主人公の女の子>>>イケメンバディ>>>その他の女性たち」、というマウント構図を作り、相対的に主人公の女の子を周りからあげる媒介役としてイケメンバディは用いられることが勝ちパターンとしては多いです。
一応、他のテンプレートとして、「主人公の女の子は未熟」「それをイケメンヒーローが助けてくれる」「女の子はヒーローに支えられながら成長する」といった型もありますが、どうしても少女漫画的になるので"男性も楽しめる"というテンプレートとしては使用が少ない気がします。
前者の「男性も女性も楽しめる作品」の場合少し複雑で、主人公の女の子は男性にも女性にも共感されて魅力的であると思われなければいけないという難しい壁があります。
(例えば強い女性主人公が自分よりも弱い男を服従させている構図は、女性的にはイケメンを自分のものにしているという点で魅力となることがありますが、男性である読者にはあまり響きません。一方で男性読者をひきつけるために主人公の女の子にいわゆる色っぽいシーンをつけると、今度は女性読者が離れて行ったりします。)
これを解決する手段はいくつかありますが、取られることが多い手法は「主人公の女の子をとにかく理不尽な状況に置く」という手法です。
極端な例だと、「自分の家が燃える」「全財産盗まれる」系の、理不尽な目に合って路頭に迷う系があげられます。基本的に、理不尽な目に合っているキャラクターは面白いと思われることが多いです。
(ドッキリにかけられたり落とし穴に落とされる芸人のテレビ番組が、性別の差をあまり問わず笑いを生み出しやすいのと同じ構図だと思います。)
そしてこういった理不尽キャラであれば性別の差関係なく面白いと読者に思ってもらえることが多いので、「男性も女性も楽しめる作品」というコンセプトと相性がよく、採用されやすい傾向があります。
なのでこれを前提とするとバディである男キャラクターの役割も見えてきて、この場合バディの男キャラクターは「冷たいキャラ」「あまり面倒見がよくないキャラ」「ドSキャラ」になることが多いです。
というのも、こういったキャラクターを隣に置くことによって、理不尽な女性主人公の「お願い助けて!」に対し「どうして俺がお前を助けなきゃいけないの」「ひどい!!」というコンボがいつでも使えて、いつでも女性主人公の理不尽キャラを引き立てることができて強いです。
(また、本当に重要なところだけはいつも助けてくれるというキャラを男バディの方にあてさせることで、男バディの方も魅力を上げることができたりします。)
上記のような形で、女性主人公かつ男女読者共に楽しめる系はだいぶ目指す方向によって男バディの立ち位置が変わってくるので、まずはしっかり作品の目指す方向性(特にどの読者層を狙うか)を決めていくのがいいかなと思います。
2023年10月19日に作成した記事
エンタメノベルラボに入会するとより高度な情報が閲覧できます
ぜひ入会してください!
フォロー特典
-
一部無料閲覧OK
動画・テキストなどを
無料閲覧できます。(一部) -
限定イベント参加
サロン会員限定イベントに
参加できます。(一部) -
サロン最新情報
お気に入りサロンの最新情報
を知ることができます。
フォローしたサロンのお得情報を、ご登録のメールアドレスにお届けします。
サロンをフォローする
-
現代の物語は、展開が早い方が人気が出ますか?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.現代の物語は、展開が早い方が良いのではないか?…
テキスト -
無双系の小説では主人公より強い敵、同格クラスの敵がいた方が良い?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q、無双系では、主人公より強い敵対者、あるいは主人…
テキスト -
Web小説でもウケて、市場でも売れる作品タイトルとは
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.Web小説でもウケて、市場でも売れる作品タイト…
テキスト -
魔法少女物の書き方。作家わかつきひかる先生の小説講座
作家わかつきひかる先生の小説講座 わかつきひかる先生は、ラノベや時代小説、官能小説など幅広…
動画 -
大ヒットしてアニメ化までする小説と、そうでない作品の最大の違いとは?
この記事の回答者はプロのラノベ作家です。 Q、大ヒットしてアニメ化までする作品と、そうでな…
テキスト -
男性向けラノベの女性主人公に必要不可欠な3つの特徴とは?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.男性向けラノベの女性主人公には「無双」が必要不…
テキスト -
創作活動は自分を追い込むことで限界以上の才能を発揮できるでしょうか?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.創作で自分を追い込むことで、限界以上の能力が発…
テキスト -
Web小説コンテストを受賞【エンタメノベルラボ】メンバーのインタビュー
2024年3月20日、エンタメノベルラボでWeb小説コンテストの受賞されたメンバーが現れた…
テキスト -
ライトノベルで日常系を書くための2つのコツ
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 日常系のライトノベルは難易度が高い 漫画ではなくラ…
テキスト -
超初心者向け「起承転結の書き方」。作家わかつきひかる先生の小説講座
作家わかつきひかる先生の小説講座 わかつきひかる先生は、ラノベや時代小説、官能小説など幅広…
動画 -
物語の書き方。ストーリーの本質とは「変化」と「納得感」である
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.タイトルが意外性と説得力だとしたら、ストーリー…
テキスト -
Web小説で最もウケる無双は、【格上を倒す】こと
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.最近、最もウケる無双は、【格上を倒す】ことだと…
テキスト -
ラノベのセリフの書き方のコツ6つ。プロ作家がお答えします
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.ライトノベルのセリフのコツは以下の6つだと考え…
テキスト -
コミカライズ原作賞を受賞。エンタメノベルラボメンバーのインタビュー
2024年3月6日、エンタメノベルラボでWeb小説コンテストのコミカライズ原作賞を受賞され…
テキスト -
感覚派、理論派の作家はそれぞれ何を努力すると結果につながる?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.感覚派、理論派の作家はそれぞれ何を努力すると結…
テキスト -
ラノベで読者を感動させる方法とは?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.読者を感動させる方法について。 ラノベ新人賞受…
テキスト -
ラノベヒロインを魅力的にする2大要素。「善人」「主人公が好き過ぎる」
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q、最近のラノベを読んでいて感じるのが、ヒロインの…
テキスト -
小説の書き方。自作が面白いと自信を持てて読者からも評価されるには?
この記事の作者はプロのラノベ作家です。 Q.書いた作品が自信作だとボロボロな評価となり、自…
テキスト -
コメディをやるためのキャラクター構築理論
プロのライトノベル作家によるキャラクター構築理論です。 キャラクターとは3つのレイヤーから…
テキスト -
キャラ立てに役立つ心理学・作家わかつきひかる先生の小説講座
作家わかつきひかる先生の小説講座 わかつきひかる先生は、ラノベや時代小説、官能小説など幅広…
動画
オンラインサロン情報
エンタメノベルラボ
サロン紹介
- 運営ツール
- DMMオンラインサロン専用コミュニティ